西海岸が誇るラップ診療の名医、Dr.Dre先生リリック特集｜ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン？ Vol.292

WHAT’S UP, GUYS！
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン？」。
Vol.292の今回はヒップホップ史上最高のプロデューサーの一人、Dr.Dre​​（ドクター・ドレー）のリリック特集。

プロデューサーとしてはもちろん間違いないドレーだけど、ラッパーとしても多くの曲で
しっかりDOPEなライムをかましている。今回はそんなラッパーとしてのドレーのパンチラインをチェックしてみよう！

まずはIce Cube（アイス・キューブ）やEazy-E（イージー・E）らと共に所属していたクルー、N.W.A 時代のヒット曲「Straight Outta Compton」からラップ史上に残る名言をチェック！

N.W.A「Straight Outta Compton（1988）」

You are now about to witness the strength of street knowledge

お前は今からストリートの知識の力強さを目撃するぜ　　　　　　　　　　　　　　　

イントロ部分のドレーの名言。
史上最も過激なギャングスタ・ラップ・グループとしてカテゴライズされることが多いN.W.A だけど、彼らが歌っていたのは、実際に彼らの身の周りのストリートで起きていた出来事。この曲と同名タイトルで、N.W.Aを題材にした映画「Straight Outta Compton（ストレイト・アウタ・コンプトン 」で、アイス・キューブ役のオシェア・ジャクソン・Jr​​（アイス・キューブの実の息子）がメディアに向けた言い放つセリフ「Our art is a reflection of our reality（オレたちのアートは現実の反映だ）」の通り、ストリートで起きてるさまざまな事件や問題をストレートに題材にしたのが、N.W.Aの詩の世界観だ。

ハードなストリートを生き抜く知識、そしてゲットーを抜け出す力を、当時の若者はN.W.Aという存在を通して目撃したんだ。

続いて紹介するのはSnoop Dogg（スヌープ・ドッグ）をフィーチャリングに迎えた「Still D.R.E. 」！

Dr. Dre 「Still D.R.E. ft. Snoop Dogg（1999）」

Niggas try to be the king, but the ace is back
Dr. Dre be the name, still runnin’ the game

キングになろうとしてる奴らがいる、でもエースが帰ってきたぜ
ドクター・ドレがそいつの名前さ、いまだにこのゲームを仕切ってる

N.W.Aのビートメイカーとしてデビューして以来、長年に渡りラップゲームを仕切り続けてきた男、ドクター・ドレー。N.W.Aの後には、当時まだ若手だったスヌープ・ドッグをプロデュースし、大ヒットに導くなど多くの素晴らしいラッパーを世に送り出している。この曲がリリースされた1999年はN.W.Aのデビューから約10年経っていた頃だけど、時代が進んでも、やっぱり“Still D.R.E. （いまだにドレー）”でしょって言っているわけだね。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン？」 Vol.292のラストは当時プロデュースを手がけていたEminem（エミネム）をフィーチャリングに迎えた「Forgot About Dre」！

Dr. Dre「Forgot About Dre ft. Eminem（1999）」

And when your album sales wasn’t doin’ too good
Who’s the Doctor they told you to go see?

お前のアルバムのセールスが良くなかった時
診察に行くのはどのドクターだよ？

間違いないです。
「Forgot About Dre」は“ドレーを忘れちまった”連中に送る強烈な一曲。
当時のラッパーたちは忘れてしまってたんだ、アルバムのセールスが良くなかった時に診察に行くべき先生がいることを。そう、西海岸が誇るラップ診療の名医、ドクター・ドレー大先生をね。

【歌詞出典元】Genius
＊訳は全て意訳です。