bucks|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.171

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

bucks

ドル紙幣
紹介アーティスト
Lil Uzi Vert, Nav, Lakeyah
bucks|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.171
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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.171の今回取り上げる単語は「bucks(バックス)」。

元々は「雄ジカ」という意味の単語なのだけど、最近では「ドル紙幣」のスラングとして使われている単語だ。早速USラップの中での使われ方をチェックしてみよう!

まず紹介するのは、Lil Uzi Vert(リル・ウジ・バート)の「Do What I Want」!

Lil Uzi Vert「Do What I Want(2016)」

All these girls, yeah, they ride with us I don’t pay ‘em no mind because I just want the bucks, yeah
「ガールズたち、みんなオレたちと乗りたがる。  気にしないぜ。なぜならオレはバックスが欲しいだけだからな。」

人気ラッパーとしてモテモテのリル・ウジが行くところには、ミーハーなガールズたちが群がってくる。だけどリル・ウジはそんなガールズたちのことをあまり気にしない。彼が気にしているのは、バックスのことだけてわけだ。

続いてはカナダ・トロント出身のラッパーであるNav(ナヴ)の「Up」!

Nav「Up」

When you see me, look, don’t touch All my shooters’ ballin’, playing for the Bucks Keep your circle small, be careful who you trust They gon’ love you when you down, not when you up
「オレを見ても、近寄るんじゃねぇ。  オレのシューターたちは皆ボーリンしてる、バックスのためにプレーしてる。  サークルを小さくしときな、誰を信じるか気をつけな。  あいつらは落ちてるお前が好きなのさ、上がってるお前じゃなくてな。」

“ All my shooters’ ballin’, playing for the Bucks(オレのシューターたちは皆ボーリンしてる、バックスのためにプレーしてる。)” はダブルミーニングの単語をうまく使ったテクニカルなリリック。まず “ shooters(シューター)”は、「バスケットボールなどのシュター」と「殺し屋、ヒットマン」という二つの意味を持つ言葉。 そして“ballin(ボーリン)” は「バスケをする」と「羽振り良く振舞う」という意味を持つスラングであり、バックスは「お金」とNBAのバスケチームであ「The Milwaukee Bucks (ミルウォーキー・バックス)」のダブル・ミーニングだ。つまりこのリリックは、 「オレの好きなバスケプレーヤーたちはミルウォーキー・バックスでプレーしてる」と 「オレが雇ってる殺し屋たちは羽振りが良いぜ、あいつらは金のために働いてんだぜ」 というダブル・ミーニングになっているんだ。だから“When you see me, look, don’t touch(オレを見ても、近寄るんじゃねぇ。)” の部分で、迂闊にナヴに近づいたりすると、殺し屋たちが狙いに行くぜということを言っているんだね。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.171のラストを飾るのは、 Lakeyah(ラキーヤ)の「313-414」!

Lakeyah「313-414 ft. Tee Grizzley」

Ayy, I hit Tee, like, “I got beef”, he like (Say less, we up the street) Know I’m rockin’ with the Bucks but if they want it, we got heat
「 “ビーフ勃発よ” てTeeに連絡。   彼は “余計な事は言わなくていい、ストリートに繰り出そう”て。   バックスとロッキンしてる。でもあいつらが欲しがるなら、ヒートするわ。」

曲のタイトルである「313-414」は、ラキーヤとティー・グリズリーのそれぞれの地元のエリア・コード。 313はティー・グリズリーの地元のデトロイトの、414はラキーヤは地元のミルウォーキーのエリア・コードだ。“ I’m rockin’ with the Bucks but if they want it, we got heat(バックスとロッキンしてる。)” の部分で出てくる“ the Bucks ” とはラキーヤの地元のバスケチームであり、先程のナヴのリリックでも出てきたミルウォーキー・バックスのことだ。 さらにバスケットというテーマでこのリリックを読むと “but if they want it, we got heat(でもあいつらが欲しがるなら、ヒートするわ。)”の部分で出てくる heat とはバックスのライバルチームであるMiami Heat(マイアミ・ヒート)を意味してるともとれる。 つまり “ I’m rockin’ with the Bucks but if they want it, we got heat(バックスとロッキンしてる。でもあいつらが欲しがるなら、ヒートするわ。)” のリリックは「私のバックス(金)を欲しがるなら、こっちもヒートアップするぜ。」という意味と、「ミルウォーキー・バックスを潰したいなら、マイアミ・ヒートを連れていくわ。」という意味のダブル・ミーニングとしてとることができるんだ。

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