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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.145の今回取り上げる単語は「self-made(セルフ・メイド)」。
「自分の力で成功した」という意味のスラングだ。早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!
まずチェックするのは、Future(フューチャー)の「Where Ya At」!
Future「Where Ya At ft. Drake(2015)」
I’m self-made, selfish with my women, self-employed I’ll buy the neighbor’s house if they complain about the noise
「オレはセルフ・メイド。女たちにはわがままに振る舞う、自営業さ。 隣人の家を買ってやるよ。騒音がうるさいて言ってきたらな。」
「Where Ya At」からフューチャリングで参加しているドレイクのリリック。 よく家でパーティーをしていて、原因で隣人から苦情がくることてあるけど、 ドレイクの場合は、それならお隣さんの家ごと買ってやると。かっこよすぎるぜ。
続いては、Lil Wayne(リル・ウェイン)の「Money On My Mind」!
Lil Wayne「Money On My Mind(2005)」
I’m a self-made millionaire, fuck the public Ridin’ to myself, ‘cause I don’t fuck with nothin’ Pistol on my lap on the way to the money
「オレはセルフ・メイド・ミリオネア。パンピーはクソくらえ。 自分自身にライディン。なぜならオレはどんな事も気にしねぇ。 膝の上にはピストル、金へ辿り着くのさ。」
14歳からラッパーとして活動し、アメリカを代表するラッパーとなったリル・ウェイン。そんな彼の推定総資産は170億円とも言われている。まさしくセルフ・メイド・ミリオネア。半端ないぜ。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.145のラストは、西海岸のレジェンド・ラッパー、Ice-T(アイス・ティー)のクラシック「6 ‘N the Mornin’」!
Ice-T「6 ‘N the Mornin’(1986)」
I’m a self-made monster of the city streets Remotely controlled by hard hip-hop beats But just living in the city is a serious task Didn’t know what the cops wanted, didn’t have time to ask
「オレはこの街のストリートのセルフ・メイド・モンスター。 ハードなヒップホップ・ビートにリモートでコントロールされてる。 この街に住むこと自体がシリアスな任務。 サツが何を欲しがってるかは知らなかったし、尋ねるひまもねぇよ。」
全米で最も危険といわれるロサンゼルスのクレンショー地域で育ち、若い時はマリファナの売人や盗んだ車の部品を売って生計を立てていたアイス・T。その後は軍隊に入り、数年間を軍人として過ごしたのち、ラッパーに転身したという経歴を持つアーティストだ。 80年代ヒップホップのクラシック中のクラシック「6 ‘N the Mornin’」リリックは、そんな苦労人のアイス・Tだからこその説得力がある内容だ。 “But just living in the city is a serious task(この街に住むこと自体がシリアスな任務。)”と歌われているように、クレンショー地区に住むことはそれ自体が危険な任務のようなもの。ギャングの間の抗争や警察とのいざこざはしょっちゅうだ。そんな中でラッパーとして成り上がったアイス・T。まさに誰もが認める “ストリートのセルフ・メイド・モンスター” てわけだね。