resurrection|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.331

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

resurrection

復活, 生き返り
紹介アーティスト
Nas, Common, Talib Kweli
resurrection|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.331
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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.331の今回取り上げる単語は「resurrection(レザレクション)」。
キリスト教に由来する言葉で、本来はイエス・キリストの「復活, 生き返り」を意味する言葉。アメリカはキリスト教徒の方が多く、ラッパーの中にもキリスト教を信仰している人が多いことから、ラップのリリックの中にもよく出てくる言葉なんだ。今回もUSラップのリリックから「resurrection」の意味をチェックしていこう!

まずはNas(ナズ)の「The World Is Yours」から「resurrection」の使い方をチェキ!

Nas「The World Is Yours(1994)」

Thinkin’ a word best describin’ my life to name my daughter
オレの人生を表すベストの単語を考えてる、娘の名前として

My strength, my son, the star will be my resurrection
オレの強さ、オレの息子、あの星はオレの復活を意味するもの

Born in correction, all the wrong shit I did
正しく生まれ、オレがしてきた全ての間違ったこと

he’ll lead in right direction
あいつは正しい方向に導いてくれるはずさ

“ God’s Son ” ことナズの神がかったリリック。
この曲がリリースされた当時ナズはまだ子供を持つ前。なのでこの曲で歌われている娘や息子のことは制作当時には全て想像上の話だったんだけど、驚くべきことにその後ナズにはリリックの順番通りにまず長女が、そしてその後長男が生まれる。

ナズは生まれた長女に自分の人生を表す単語”を名前としてつけるんだけど、それが彼の長女の名前、 “Destiny(運命)” だ。運命づけられた神の子ナズの人生を象徴する単語が“destiny(運命)”だったてことだね。

そして、その後生まれた息子に彼がつけた名前は“ knight ”。

“ knight ”は「騎士」という意味であり、「夜」を意味する“ night ”の同音異義語だ。夜を導くものは、star(星)。そう、ナズがこのリリック、” My strength, my son, the star will be my resurrection(オレの強さ、オレの息子、あの星はオレの復活を意味するもの)”で歌っている彼の復活を意味する存在、 “ star (星)” だ。

星は闇夜を照らし、人々が道に迷わないように導いてくれるものだよね。

つまりナズの息子であるナイトは、ナズにとって、闇夜を照らし、彼を正しい方向に導いてくれる星であるということなんだ。 リリックで歌ったことが現実になるという、もはや神がかってるとしか言いようがないリリック。さすが神の子、ナズだぜ。

続いて紹介するのは、Common(コモン)の「Be (Intro)」!

Common「Be (Intro)」

I wanna be as free as the spirits of those who left
亡くなった人々の魂のように自由になりたい

I’m talking Malcolm, Coltrane, my man Yusef
オレはマルコム、コルトレーン、私の連れ、ユセフのことを話してる

Through death grew conception, new breath and resurrection
死を通して成長するコンセプション、新たな息吹とレザレクション

死んだ偉人や友人たちのことを歌うコモン。人権活動家であるマルコムX(Malcolm)、ミュージシャンであるジョン・コルトレーン(Coltrane)、そして彼の友人、ユセフ(Yusef)など、コモンが歌っているのは、彼が尊敬する人々だ。彼らは肉体的には亡くなったが、その精神や思想は新たな形で生まれ変わり、次の世代に影響を与え続ける。
コモンは死を終わりではなく、新たな始まり(resurrection)として捉えているんだ。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」Vol.330のラストを飾るのは、ブルックリンのMC、Talib Kweli(タリブ・クエリ)と シンシナティ生まれのプロデューサー、Hi-Tek(ハイ・テック)が組んだReflection Eternal(リフレクション・エターナル)のアルバム「Train of Thought」から「Memories Live」!

Reflection Eternal「Memories Live」

My remedy is ‘bringing back sweet memories’
オレの癒しはスイート・メモリーを思い返すこと。

Like the faces that are woven in the fabric of my consciousness
意識の布に織り込まれているフェイスたち。

From cities where making 21’s a big accomplishment
21歳になることが偉大な達成である都市から。

Like when my people understood their prominence
オレの人々が自分たちの素晴らしさを理解したときみたく

And my past life visions of the continent
あの大陸のオレの過ぎ去ったビジョン。

Like the first time I saw KRS live, rockin’ it
まるでKRSを初めて生で見た時みたいに、ロッキン

I heard Resurrection by Common Sense
コモン・センスの「レザレクション」を聞いた時

Dominant in my psyche
オレの精神を支配された

I chose my direction like Spike Lee
だからスパイク・リーのような道を歩むことを決めた

To speak my life through mics, and I never take it lightly
マイクを通してオレの人生を語って、絶対に軽んじることはないぜ

人生を振り返っているタリブは21歳になったことを思い返している。 アメリカでは黒人男性が21歳になることは大きな意味を持つ。なぜなら多くは21歳になる前に犯罪に巻き込まれて亡くなってしまうから。アフリカン・アメリカンの若者が直面しているあまりに過酷な状況に打ちひしがれていたタリブだけど、その中で彼が希望を見出したのがヒップホップだ。KRS-Oneのライブを生で見て衝撃を受け、Commonのアルバム「Resurrection」を聞いて、大きな影響を受けた。だから彼はスパイク・リーのように差別や貧困に苦しむ多くのアフリカン・アメリカンの人々の現実をラッパーとして代弁することを決めたんだ。

【歌詞出典元】Genius

*訳は全て意訳です。

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