番外編 フィリピノ・ヒップホップ特集|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.97

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

番外編

フィリピノ・ヒップホップ特集
紹介アーティスト
Kartell’em, Curtismith, Delinquent Society
番外編 フィリピノ・ヒップホップ特集|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.97
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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.97の今回はフィリピノ・ヒップホップ特集。

セブ島に代表されるリゾート地で有名な東南アジアの国フィリピンだけど、実はミュージック・クリエーションも盛んな国。国民性的にも普段から歌ったり踊ったりすることが大好きなので、そもそも一般の人々の歌唱レベルが尋常じゃなく高い事でも知られているね。そんな音楽も人の心もアツい国、フィリピンでは、当然ヒップホップのクオリティもハイレベル。今回は東南アジアのミュージック・アイランド、フィリピンの今最もホットなヒップホップ・アーティストたちを取り上げるぜ!

まず紹介するのは若手最注目クルー、Kartell’em(カルテレム)。メンバーの中にラッパー、トラックメイカー、エンジニア、スケーター、グラフィティ・アーティストなどを擁する彼らの音楽は今のフィリピン・ストリートのバイブスを最高鮮度で詰め込んだ圧倒的クオリティ。アングラ感漂う煙たいサウンドに、時に語りかけるように、また時に流行のノリを取り入れながらメンバー内で繋がれていくラップは、仲間内のサイファーで遊んでいるようなラフさを持ちながら、フィリピン・ストリートに流れるヒリヒリとした空気感を感じさせる。今回はそんなカルテレムの曲の2019年リリースのアルバム「Tell’em Once」収録の1曲「Posse」からメンバーのIDSGのリリックチェキ。

Kartell’em 「Posse(2019)」

Karttellem be my posse Tellem they can’t stop us Tellem we are up next
「カルテレムが俺のポッセ。 言ってやれよ。俺たちは止められない。 言ってやれよ。俺たちが次の時代を作る。」

良い。 良いですわ〜この感じ。 カルテレムからはメンバーのWaiianやRuiijikunなどがソロでも活動していて、これがまたそれぞれ個性があって良いのよ。ヤング・ヒップホップスター、カルテルムのこれからの活動が楽しみだぜ。

続いて紹介するのは、Curtismith(カーティスミス)。

2015年にミックステープ「IDEAL」で注目を集めると、その後も「Souly Yours」や「Dining Table」などのミックステープでヘッズたちのハートを鷲掴みにするソウルフルなトラックとリリカルなライミングで、シーンにおける確固たる地位を確立したラッパー、プロデューサーだ。今回紹介するのは彼の名をシーンに知らしめたファーストEP「IDEAL」収録の1曲「For The Love」。

Curtismith「For The Love(2015)」

I’m not tryin’ to get rich from rap But from the hustle, a couple of enterprises From passion to bread and butter I utter the things I dream up
「ラップで金持ちになろうとしてるわけじゃない。 でもこのハッスルや、いくつかのビジネスから。 パンとバターへの情熱から。 頭に描いた事は言葉にして言わせてもらうよ。」

浮遊感漂うトラックが最高に気持ち良いぜ。 ソロはもちろん間違いないカーティスなのだけど、フィリピンを代表するR&BシンガーであるKiana Valencianoとのコラボである「Does She Know」など他のフィリピノ・アーティストとのコラボもオススメだ。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.97「フィリピノ・ヒップホップ特集」のラストを飾るのは今フィリピンで最も注目されているヒップホップクルー、Delinquent Society。フィリピン南部の中心都市であるダバオを拠点とする4人組のクルーだ。チェックするのは今年リリースのドープな1曲「Muddy Waters」。

Delinquent Society 「Muddy Waters(2020)」

I keep fighting my demons Dream-chasing my reason uh 3 years in the making I think I finally made it
「悪魔と戦い続けている。 夢を追いかけてる。それがオレの理由だ。 3年やり続けた。 やっと成し遂げたよ。」

デリンクエント・ソサイエティからメンバーのContemplateのリリック。 デリンクエントは元々2015年にコンテンプレートと彼の幼馴染のAudible Lecter (a.k.a. Aud)、そして高校の友達だったMellow Marcで「ヒップホップグループを作りたい」という事から始まり、2016年にグラフィティ・ライターとして活動していたFusrが参加して現在の形になったグループ。2018年にドロップしたファーストアルバム「Detour」でシーンの話題をかっさらい、フィリピン・ヒップホップシーンで最もホットなクルーとして注目されるようになったんだ。つまり「3年やり続けた」事が成功に繋がったとコンテンプレートはラップしているんだ。日本には「石の上にも3年」ということわざがあるけど、やはりコツコツ努力していく事こそが成功への近道てわけだね。

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