番外編 アルゼンチン・トラップ特集|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.131

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

番外編

アルゼンチン・トラップ特集
紹介アーティスト
Saramalacara X Taichu, Rusherking X Tiago PZK, Duki
番外編 アルゼンチン・トラップ特集|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.131
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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.131は空前の盛り上がりを見せているアルゼンチン・トラップ特集。

サッカー大国として有名なアルゼンチンだけど、実はヒップホップも激アツ。特に最近は若手の台頭がめざましく、トラップ系のアーティストが大人気なんだ。今回はそんなアルゼンチン・トラップ・シーンの最前線のアーティスト達をチェックしていくぜ!

まずチェックするのは、アルゼンチン・フィメール・トラップの新世代、Saramalacara(サラマラカラ)とTaichu(タイチュー)の「Water」!

Saramalacara X Taichu「Water(2020)」

Tengo mucha sed, bitch, I need the water Si me quedo sin él,  tengo billetes de cien I got three more days, hasta que me muera No quiero tu fame, quiero tu campera
「めっちゃ喉が渇いてる。I need the water  もし水なしで過ごせたら、100枚の札束。  I got three more days 死ぬまで。  お前のfameなんて欲しくない。欲しいのはお前のジャケット。」

「Water」はアルゼンチンの音楽シーンで今最も注目集めるクリエイティヴ集団、RIP GANGのメンバー、サラマラカラとタイチューが組んだ1曲だ。 サラマラカラはアルゼンチン、ブエノス・アイレス出身の20歳。テレビゲームをしながらマリファナを吸うのが日課というドープ・ギャルだ。 そんなサラは実は元々グラフィティ・ライター。地元ブエノス・アイレスの電車や壁にタギングをしまくってたみたいだね。ライターとして活動していた彼女が音楽で注目を集めることになったきっかけが、2019年にサウンドクラウドでリリースしたファースト・シングル“Budokai Tenkaichi”。 タイトルはアルゼンチンでも大人気の漫画「ドラゴンボールZ」をテーマにしたテレビゲーム「Budokai Tenkaichi」からとったんだって。 初めての曲のタイトルに「ドラゴンボール」のゲーム名を選ぶというゲーマーとしての一面とAvril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)や blink-182(ブリンク・182)、Bad Gyal(バッド・ギャル)などに影響を受けたという音楽性、そしてグラフィティで培ったストリートアートの感覚など、様々な要素が融合したサラのトラップは、言うなれば究極の文化系トラップ。圧倒的クリエイティビティを持ったアルゼンチン・トラップ・シーンの中でも唯一無二の存在だ。 そしてそんなサラと組んだのが、2019年、18歳の時にファースト・シングル、“ Luxury ”で注目を集めたタイチュー。幼い頃にはフラメンコを習い、Alaska Thunderfuck(アラスカ・サンダーファック)やBROCKHAMPTON(ブロックハンプトン)に影響を受けたという彼女の音楽はラテンのヴァイブスと現代的なR&B、ヒップホップが融合したネオ・ラテントラップと言えるスタイル。エッジーな雰囲気と依存性の高いヴォーカルを持つ若手の最注目ラッパーなんだ。

続いて紹介するのは、リリースから約1ヶ月でYoutubeのMV再生回数が1000万回超えたRusherking(ラッシャーキング)と Tiago PZK(チアゴ PZK)の「Además de Mí 」!

Rusherking X Tiago PZK 「Además de Mí (2020)」

Estoy acá afuera como un infeliz Abajo de la lluvia pero no quieres abrir Pensé que me querías pero descubrí Que ahora hay otro más además de mí
「オレは外にいる。不幸せそうな様子で。  雨の下。扉を開けようともせずに。  君はオレを求めてくれていると思ってた。でも知ってしまった。  オレ以外のやつがいるんだて事を。」

現在20歳のラッシャーキングと19歳のチアゴは共にフリースタイル・ラップ・バトルで頭角を現したラッパーだ。実はアルゼンチンを含む南米はフリースタイル・ラップ・バトルもとても盛んな地域で、数千人の観客を集めた規模の大規模な大会が多く開催されているんだ。特に南米全域から選ばれたラッパー達がスペイン語圏最強の称号をかけて行うラップバトルである、FMS Internacional(Freestyle Master Series)やBatalla de los Gallosなどでは1万人を超える集客、そして数百万のライブストリーミングの視聴者が生でそのバトルを視聴するんだ。まさに桁違いのスケールだよね。 そんな南米のフリースタイル・ラップバトルシーンで、アルゼンチンをレペゼンするラッパーとして活躍していた若手2人がタッグを組んだのがこの「Además de Mí 」。además de míはスペイン語で「オレ以外」といった意味で、彼女に自分以外の他の男がいるんだという事を知ってしまったという切ない恋心を歌った曲。昨年12月2日にMVが公開されたこの「Además de Mí 」なんだけど、なんとリリースから約1ヶ月というスピードでYoutubeのMV再生回数が1000万回を突破。アルゼンチン・トラップをムーヴメントを象徴するメガヒット曲となっているんだ。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.131、アルゼンチン・トラップ特集のラストを飾るのは、アルゼンチン・トラップ・シーンの頂点に立つ男、Duki(ドゥキ)の大ヒット曲「Goteo」!

Duki「Goteo(2019)」

Con cara de que nada va a salir mal Soy un rockstar, ‘toy que goteo Estoy donde yo le’ dije que iba a estar ¿Ustede’ dónde están? No lo’ veo
「バッドな事なんて何もないような感じで。  オレはロックスター、ドリップしてる。  オレは辿り着くて言った場所に居る。  あいつらはどこにいる?オレには見えねぇな。」

YoutubeでのMV再生回数が現在1億回を超えているメガヒット曲「Goteo」。 タイトルの“ goteo ” は英語の「drip(ハイブランドやジュエリーを着飾っていてイケイケな感じで振る舞う)」にあたるスペイン語のスラングだ。Youtubeのチャンネル登録者数は400万人以上、総再生回数は10億回を超えるアルゼンチンのトラップキング、ドゥキならではのイケイケな1曲。 ブエノス・アイレス生まれ、現在24歳のドゥキは2016年にアルゼンチンのレジェンド・ラップバトル・イベント、El Quinto Escalónで優勝してその名を知らしめたラッパーだ。 El Quinto Escalónでの優勝後、本格的に楽曲制作を始めたドゥキは「No vendo trap」「She Don’t Give a FO」「Hello Cotto」など次々にヒット曲をリリース。 今やその人気は絶大で、2018年に行ったアルゼンチン最大のライブ会場であり、9000人を収容するLuna Park(ルナ・パーク)でのワンマンはソールド・アウト。 アルゼンチン出身のトラップ・アーティストとして初めてルナ・パークでのコンサートをソールド・アウトさせるという偉業を成し遂げたんだ。 RIP GANGのサラマラカラとタイチュー、フリースタイル出身の若手、ラッシャーキングとチアゴ PZK、そしてトラップキング、ドゥキ。アルゼンチン・トラップのムーヴメントから目が離せないぜ!

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