WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.122の今回はマレーシア・ミュージック特集。
東南アジアの中心に位置するマレーシアは、14世紀に東南アジアの海上貿易で繁栄した「マラッカ王国」が起源になっている国。古くから交易のためにアジア中から様々な民族が集まって文化を作っていった事から、その多様性は東南アジアでも随一だ。そんな民族的、文化的に多様性のある土地では、やはりグッド・ミュージックが生まれてくるようで、実はマレーシアはアジアを代表する素晴らしいアーティストをたくさん輩出しているんだ。今回はそんなマレーシアの間違いないアーティスト達を紹介していくぜ!
まず取り上げるのは、マレーシア出身の世界的シンガー、Yuna(ユナ)。 2016年にUsherとコラボし、一躍世界にその名を轟かせたアーティストだ。 まるで上質なシルクのようになめらかで柔らかな質感のソプラノボイスを自在に操る彼女の曲は、R&B、ポップ、オルタナティヴといった様々なジャンルの要素が絶妙なバランスで同居した最高にグッドヴァイブスな作品ばかり。今回はそんな彼女の楽曲の中から、2019年のヒット曲「Forevermore」をチェキ!
Yuna「Forevermore(2019)」
I found the strength I’m looking for (Ah-ah-ah) I’ll take it to forevermore (Ah-ah-ah) Yeah, I was scared, but now I know That I can take it to, that I can take it to forevermore
「探してた強さを見つけた。 持っていくわ。この先もずっと。 そう、私は怖がってた。でも今はわかってる。 持っていけるて。この先もずっと。」
美しいマレーシアの風景をバックに、美しいユナがダンサーたちと踊るMVはもうパーフェクトにビューティフル。最近ではG-EazyやTyler, The Creatorなどともコラボするなど 改めて世界的な活躍を見せるユナ。今年はラグジュアリー・ブランド、Coachのホリデー・キャンペーンにJennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)やMegan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)らとともに選ばれるなど、音楽以外の分野でも活躍の幅を広げているんだ。
続いて紹介するのは、マレーシア・ヒップホップ・シーンの大御所、Joe Flizzow(ジョー・フリゾウ)。90年代にヒップホップ・デュオ「Too Phat」のメンバーとして活躍した後に、ソロ活動を開始。2008年リリースの「Havoc」や2015年リリースの「Apa Khabar」などのヒット曲を生み出し、マレーシア、そしてアジアを代表するラッパーの1人となったアーティストだ。今回はそんな彼の楽曲の中から2017年リリースの「Drop」をチェキ!
Joe Flizzow 「Drop(2017)」
I play the game and stay in my lane These so-called rappers nah They don’t do the same I’m just tryna make the business last They’re still posing up in business class
「オレはこのゲームをプレーして、自分のレーンにいるのさ。 その辺のラッパーて呼ばれてる連中。全然ちげぇな。 やつらは同じ事はできねぇよ。 オレはただこのビジネスを続かせるだけ。 やつらは未だにビジネスクラスでポーズとってんのさ。」
90年代からマレーシア、そしてアジアのヒップホップ・シーンのトップを走り続けてきたジョーだからこその説得力があるリリック。ジョーはラッパーとしての活動以外にも理髪店やレコードレーベルの経営なども行い、 “ The President ” と呼ばれてるんだ。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」マレーシア・ミュージック特集のラストを飾るのは、マレーシア・ヒップホップ・シーンの若手注目株、A-Kid( A-キッド)。首都、クアラルンプールの郊外に位置する街、チェラスに育ったA-Kidは、2017年にリリースした「Gaji Masuk」や「Ada Awek」といった楽曲がヒットし、一躍マレーシアの注目ラッパーになったアーティストだ。チェックするのは今年8月にリリースされた新曲「Play On Playa」!
Danye & A-Kid「Play On Playa(2020)」
We be flexin like a champ This feeling ain’t new to me All these hoes ain’t new to me Them fake friends ain’t new to me
「オレ達はチャンピオンみたくフレキシン。 このフィーリングは別に新鮮なものじゃない。 あの女の子達も知った仲さ。 フェイクな友達も初めてじゃねぇよ。」
A-Kidのリラックスしたヴォーカル、そしてフューチャリングで参加しているDanyeのクールなラップが最高に気持ち良い1曲。センスが溢れるトラックとMVのヴァイブスもイケてるよね。
世界が注目するシンガー、ユナから大御所、ジョー・フリゾウ、そして若手のA-キッドまで層の厚さを見せるマレーシア・ミュージックから今後も目が離せないぜ。