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2020.11.26 Thu

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ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.123〜cypher〜

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.123の今回取り上げる単語はすでに日本でもお馴染みの単語「cypher(サイファー)」(cipherとも表記)。

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元々は「暗号文、数字のゼロ」といった意味だったんだけど、ストリートではラッパーやダンサーが円になって自分のスキルをフリースタイルで見せ合うという事を意味する単語だ。今回はフリースタイルのセッションという意味の他に、サイファーの様々な意味をチェックしていくぜ。

まずチェックするのは、ラップのフリースタイルといえば、やはりこの人、エミネム。
彼の自伝的映画「8 Mile」で出てくる、工場の休憩時間に働いている人々がサイファーでフリースタイルラップを披露するシーンにやられたヘッズも多いんじゃないかな?
今回はそんな「8 Mile」の主題歌、「Lose Yourself」からサイファーの使い方をチェキ!

Eminem「Lose Yourself(2002)」

I’ve been chewed up and spit out and booed off stage
But I kept rhymin’ and stepped right in the next cypher
Best believe somebody’s payin’ the Pied Piper

「オレは噛み砕かれて、吐き捨てられた。
 ブーイングを浴びてステージから追い出された。
 でもライムし続けた。次のサイファーに速攻乗り込んだ。
 信じてたんだよ。誰かがハーメルンの笛吹きに金を払ってくれるってな。」

ラップを始めたばかりの頃は、フリースタイル・ラップバトルで言葉に詰まってしまい、
ブーインを浴びてしまったこともあるというエミネム。でも彼は諦めなかった。
サイファーでライムし続けた。なぜなら彼は自分のラップスキルを信じていたから。
そしてそのラップスキルを証明しているのが“誰かがハーメルンの笛吹に金を払ってくれるってな”のリリック。「ハーメルンの笛吹き」とはドイツのハーメルンに残る伝承。
ネズミの害に困っていたハーメルンの町に現れた謎の笛吹き男のお話だ。笛吹き男は町の人々から報酬を受け取ることを条件に、魔法の笛で町からネズミを連れ出して、川で溺死させるのだけど、町の人々は男との約束を破り、報酬を払わなかった。腹を立てた笛吹き男は、魔法の笛の力で町の全ての子供たちを連れ去ってしまったという恐ろしい話だ。
つまりエミ兄さんが言っているのは、実力のあるやつを過小評価してると、後悔するぜてこと。ブーイングを浴びてステージから追い出されたエミネムはその後、スキルを磨き続け、地元デトロイトのフリースタイルラップシーンとプロップスを得ると、Dr.ドレに見出され、世界的スターになった。アメリカ、そして世界のキッズたちが彼のアルバムを買い、彼の歌に熱狂した。そう、あの時、ステージでブーイングを浴びて追い出された“笛吹き”はラップという最強の笛を吹き鳴らして、世界のキッズたちのハートをかっさらってしまったというわけ。エム兄さん、さすがのリリックセンスです。

続いて紹介するのは、スパイク・リー監督のバスケット映画「He Got Game(邦題:ラストゲーム)」のサウンドトラックとしてリリースされたPublic Enemyの 「He Got Game」!

Public Enemy 「He Got Game(1998)」

This is a call to all you sleepin souls
Wake up and take control of your own cipher
And be on the lookout for the spirit snipers
Tryin to steal your light, y’knowhutI’msayin?

「これがお前らの眠った魂を起こす呼び声。
 起きな。そしてお前のサイファーをコントロールしな。
 そして魂のスナイパー達をしっかり見張っときな。
 あいつらはお前の光を盗もうとしてんだぜ。言ってることわかるだろ?」

「He Got Game」からフレイヴァー・フレイヴのリリック。
ここでのサイファーは人間のパワーの循環の「円」の意味。
冒頭で述べたように、サイファーには「ゼロ」という意味がある。ゼロは切れ目のない円だよね。つまりここでのサイファーは切れ目のないパワーの循環を表しているんだ。
実はこのパワーが循環する「円」という単語、元々は1960年代にニューヨークのハーレムで始まったアフリカン・アメリカンを中心とする思想団体、ファイヴ・パーセント・ネーションが使い始めた言葉だとされている。それが次第にストリートに広まっていき、ヒップホップカルチャーでも使われるようになったとみたいなんだ。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.123のラストを飾るのは、Nasの名曲「The World Is Yours」!

Nas「The World Is Yours(1994)」

The mind activation, react like I’m facin’
Time like Pappy Mason, with pens I’m embracin’
Wipe the sweat off my dome, spit the phlegm on the streets
Suede Timbs on my feets makes my cipher complete

「マインド・アクティベーション。反応する、まるでオレが直面してるみたいに。
 まるでパピー・メーソンの時間。強く握っているペンと共に。
 坊主頭から汗を拭い、ストリートに痰を吐く。
 足元のスウェードのティンバーがオレのサイファーを完成させる。」

テクニカルなナズのリリックだけど、ここでもやっぱり注目したいのは“足元のスウェードのティンバーがオレのサイファーを完成させる”というリリック。サイファー(円)は切れ目のない状態、つまり完全な状態をイメージさせる。つまりここで言うサイファーとは、“完璧な状態”という意味。靴が決まると完璧になるものといったら、ファッション。
つまりナズのファッションはティンバーを履くことで完成するということなんだ。

RESPECT FOR ALL RAPPERS!
SEE YA!

TARO

訳は全て意訳です。(索引:Genius https://genius.com/ )

日本のストリートレペゼンしよう。

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