ego|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.169

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

ego

自我、自負心、自尊心
紹介アーティスト
Sueco, 2 Chainz, Joey Bada$$
ego|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.169
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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.169の今回取り上げる単語は「ego(イーゴー)」。

「自我、自負心、自尊心」といった意味の単語で、日本では「エゴ」という発音で使われているね。早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!

まずチェックするのは2019年にシングル「Fast」がTikTokでバズったことで一躍メジャー・アーティストの仲間入りを果たしたロサンゼルス出身のアーティスト、Sueco(スエコ)の「Paralyzed」!

Sueco「Paralyzed(2021)」

She got a big ego, you could see it on a telescope I’m the same way, it’s why we always argue back and forth
「彼女のビッグ・エゴ、望遠鏡でも見えるかもな。  オレも同じさ、だからいつも行ったり来たり言い合ってるのさ。」」

スエコのシャウトが最高に気持ちいいロックな1曲。 スエコの彼女のエゴはすごくビッグで “ telescope(望遠鏡)” でも見えるくらい。 つまり自己主張が強いてことだね。 だけどスエコ自身の自己主張も同じくらい強いので、いつも言い合いになってしまうみたいだね。

続いては2 Chainz(トゥー・チェインズ)の「It’s A Vibe」から“ ego ” の使い方をチェキ!

2 Chainz「It’s A Vibe(2017)」

Okay, so I got the ambiance just where I want it (yeah) And if you get paid, it’s solely based on your performance (TRU) My ego is enormous like my crib in California (hmm)
「オレなら手に入れるその環境、欲しい場所にな。  お前が支払われる額、それはもっぱらお前のパフォーマンスによるよな。  オレのエゴなら巨大、まるでカリフォルニアのオレの家みたくな。」

USを代表するラップスター、2 Chainzは欲しいものはなんでも手に入れることができる。ただそうなったのはもちろん彼がラッパーとして売れるために努力し続けてきたから。 “ if you get paid, it’s solely based on your performance(お前が支払われる額、それはもっぱらお前のパフォーマンスによるよな。)” で歌われているように、金を稼ぎたければ、努力して良いパフォーマンスをする事が大切て事だね。 そしてそんな2 Chainzのエゴは彼のカリフォルニアの豪邸みたく巨大。そんじょそこらのやつじゃ相手にならないくらい強烈なエゴを持ってるてわけだね。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.169のラストを飾るのは、 Joey Bada$$(ジョーイ・バッドアス)の「Killuminati」!

Joey Bada$$「Killuminati(2012)」

I’m a beast with these flows Two birds, one stoned, you get geese’d when trees rolled They say I’m evil cause I trained my ego to see gold Cause he know, seagulls couldn’t see these goals, please
「このフローの上でオレはビースト。  二羽の鳥、一匹はストーンド、お前はジーズされる、ツリーが巻かれた時に。  あいつらは言ってる、オレが悪だって。  なぜならオレはゴールドを見るため自分のエゴを鍛えてる。  あいつは知ってる、カモメすらあのゴールを見ることはできないてな。」

USヒップホップ・シーンの中でもトップクラスのライミング・スキルを持つジョーイ・バッドアスのリリック。 特に、

Two birds, one stoned, you get geese’d when trees rolled 二羽の鳥、一匹はストーンド、お前はジーズされる、ツリーが巻かれた時に。

の部分は複数のメタファーが使われたテクニカルなラインだ。 まず“ Two birds, one stoned(二羽の鳥、一匹はストーンド)”は表向きは一つの石で2羽の鳥を殺すということわざ、一石二鳥(killing two birds with one stone)を意味するもの。ただスラングでは“birds”は「女の子」、“stoned”は「マリファナでハイになった状態」を表す。つまりこのラインの裏の意味は、二人の女の子とマリファナを吸って一人がハイになっているということになる。一石二鳥という言葉から連想すると、マリファナの吸い方の一つであるショットガン(一人がジョイントやブラントを吸って煙を飛ばし、 もう一人がその煙を反対側から吸うやり方)をやって、1人だけ“ stoned ”になってるてことも考えられるね。 その後に出てくる “ geese(ジーズ) ” は、ガチョウを意味する単語 “ goose(グース)”の複数形であると同時に、スラングでは「〜を盗む」といった意味にもなる言葉。そして“ tree(ツリー)はマリファナを意味するスラングだ。 なので “ you get geese’d when trees rolled(お前はジーズされる、ツリーが巻かれた時に)”のラインは「マリファナを巻いてハイになってたら、何かパクられて痛い目みるぜ」という意味にもとれるよね。 そしてジョーイ・バッドアスは“gold(ゴールド、金)”を手にするために、自らのエゴを鍛えている。だから空高く飛ぶ “seagulls(カモメ)” ですら彼が見据えるゴールを見ることができないてことだね。つまりジョーイ・バッドアスはもはや雲の上の存在でことだ。 桁違いのライミングをかますジョーイ・バッドアス、まさにビーストだぜ。

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