WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャーTAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 、今回は記念すべき第100回目。ここまで続けてこれたのも編集部、そして読者のヘッズのみんなのおかげだ。本当に感謝してるぜ。ビッグ・アップ!
感謝の気持ちを込めて送る第100回目の今回取り上げる単語は「juice」。 92年公開の2Pac出演の映画「JUICE」のタイトルであり、「尊敬、パワー、信頼」といったストリートで必要な要素の全てが詰まった究極のヒップホップ・スラングだ。 そしてもちろんTAROがプロデュースする日本で一番HIPでHOPな英語学習アプリ「JUICE」のアプリ名でもあるよね。そんなjuiceを使ったラップソングといえば、やはりあの曲。という事で今回は映画「JUICE」のテーマ曲であり、レジェンド・ラップ・デュオ、Eric B & Rakimの永遠のクラシック、「Juice (Know the Ledge)」のリリックをチェックするぜ!
Eric B & Rakim「Juice (Know the Ledge)(1992)」
Sip the juice, I got enough to go around And the thought takes place Uptown I grew up on the sidewalk where I learned street talk And then taught to hawk New York
「ジュースをすする。出歩くには十分だ。 この思想でアップタウンを制覇。 俺がストリートトークを学んだあの路上。ここで育った。 そして教わった。ニューヨークに襲いかかるぜ。」
映画「JUICE」はNY・ハーレムに暮らす4人の青年たちの友情が、犯罪に手を染める事で壊れていくさまを描いた青春クライム・ムービー。サウンドトラックやファッションから90年代のヒップホップ・カルチャーを存分に堪能できるとともに、若手時代の2パックの演技も楽しめる作品だ。今年5月には初の日本盤ブルーレイ&DVDがリリースされているので、まだ観た事がない人はぜひチェックしてみてほしい。 そんな映画「JUICE」のテーマ曲として、ニューヨークが誇るレジェンド・デュオ、エリック・B&ラキムが制作したのがこの曲「Juice (Know the Ledge)」だ。
まずはリリックの冒頭、MCラキムがすする(sip)のが“ジュース(juice)”。 出かける前に水分補給してるのかな?と思いきや、ラキムは飲んでいるのはただのジュースじゃない。ニューヨークのストリートを生き抜くのに必要不可欠な「尊敬、パワー、信頼」が詰まったとびきりドープな“ミックスジュース”だ。 ニューヨークをぶらつくのに十分な量の“ジュース”を飲んだラキムはどこへいっても「尊敬、パワー、信頼」を勝ち取る事ができるてわけ。
そんなスキルフルMC、ラキムが言葉を学んだのは路上(sidewalk)。路上で学んだストリートトーク(street talk)を武器に、ニューヨークに“襲い掛かった”ラキムはその圧倒的なライムスキルとリリシズムでヒップホップの歴史に残る偉大なMCとなったんだ。
そしてラキムが何よりも大切しているのが、タイトルにも入っているKnow the Ledge、 つまりKnowledge(知識)だ。juiceとknowledgeはまさに表裏一体。 尊敬や信頼を得たり、力を手に入れて正しく使いこなすためには、間違いなく知識が必要だし、また逆に言えば知識を得ることで、尊敬や信頼を獲得することもできるよね。
ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? では今後もクラシックから最新のヒットチューンまでを取り上げながら、ストリートで間違いない juiceを得るためのknowledgeをみんなと一緒にチェックしていくぜ。これからもよろしく!