WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.180の今回取り上げる言葉は「trend(トレンド)」。
「流行、トレンド」という意味の言葉だ。 早速USラップの中での使われ方をチェックしてみよう!
まず紹介するのは、Cordae(コーディー)のセカンド・アルバム『From a Birds Eye View』 から「Sinister」!
Cordae「Sinister ft. Lil Wayne(2021)」
Yeah, alright, my flow sinister This ain’t rap music, this straight literature Small-minded nigga, all your ideas miniature They tend to hate on ya when they can’t get rid of ya I ain’t goin’ nowhere, twenty year career minimum Call Hit-Boy for beats, ask for ten of ‘em I don’t follow trends, my nigga, I swing the pendulum
「オレのフローは不気味 これはラップ音楽じゃない、これは本物の文学 心が狭い奴、お前のアイデアはミニチュア あいつらは取り除けない奴を嫌う傾向があるよな オレはどこにも行かない、20年のキャリアならミニマム Hit-Boyをビートメイクに呼び出す、10個作ってくれって トレンドは追わない、オレの連れ、オレは振り子を振っているんだ」
USの若手ラッパーの中でも、群を抜いたリリシズムを持つコーディーがヒップホップ音楽への想いを歌ったヴァース。“ This ain’t rap music, this straight literature(これはラップ音楽じゃない、これは本物の文学)” は間違いないパンチラインだ。そんなコーディーはトレンドを追うことはしない。“I swing the pendulum(オレは振り子を振っているんだ)”で歌われているように、彼はトレンドの “pendulum(振り子)”を振る側であり、それに振り回される側ではないんだ。
続いてはNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の「Barbie Dreams」!
Nicki Minaj「Barbie Dreams(2018)」
You know I flaunt it, flaunt it I’m a trendsetter, everything I do, they do
「私はひけらかすの、わかってるでしょ 私はトレンドセッター、私がやること全部、あいつらもやるの」
シーンのトップを走り続けるニッキーは流行を追う側ではなく、発信する側の“trendsetter(トレンドセッター)”。彼女がやることをフォロワー達が真似するてわけだね。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.181のラストを飾るのは Joey Baddas(ジョーイ・バッダス)の「Waves」!
Joey Baddas「Waves(2011)」
Like I told you, I know niggas who trash rappin’ Worried bout the trendin’ fashions rather than ascendin’ passion
お前に言ったように、ラップをダメにしてる奴らを知ってるぜ 成り上がることへの情熱ではなく、トレンドのファッションを気にしてる連中をな
若手USラッパーの中でも随一のリリシストである、ジョーイ・バッダスのヒップホップ・マインド溢れるリリック。彼がディスるのはトレンドのファッションばかり追いかけていて、ヒップホップの根本の精神性であるハングリー精神を忘れてしまっている連中のこと。90年代のヒップホップを深く愛し、ハードコアなヒップホップスタイルを貫くジョーイ・バッダスならではのイケてるリリックだぜ。