今回紹介するスラング
thuggin'
乱暴に振る舞う、悪さをする、リアルなサグとして振る舞う、フッドで力強く生きる
WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.147の今回取り上げる単語は「thuggin(サギン)」。
「悪党」という意味の「thug(サグ)」が発展してできた言葉で「乱暴に振る舞う、悪さをする、リアルなサグとして振る舞う、フッドで力強く生きる」といった意味を持つスラングだ。早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!
まずチェックするのは、PnB Rock(PnB ロック)の新曲「Need Somebody 」!
PnB Rock 「Need Somebody(2021)」
Damn, why you wanna leave? You know that nigga ain’t me Thugging but I’m stressing low-key I’m waiting on you to call me
「クソったれ、なんでお前はオレのもとを去りたいんだよ? あいつはオレじゃないってわかってるくせに。 オレはサギンしてるけど、実はストレス溜まってる。 君からの電話を待っているのさ。」
相変わらず楽曲、MV、そしてファッションも含めて全てが超イケてるPnB ロック。 「Need Somebody」で彼が歌うのは、恋人との大喧嘩。「もう別れる!」という彼女に対して、PnBは荒れまくって、かなりストレスが溜まってる状態だ。恋人が出て行った後も未練タラタラで電話がくるのを待っているて感じだね。
続いては、Lil Mosey(リル・モジー) の「Noticed」をチェキ!
Lil Mosey 「Noticed(2018)」
M Me, JD, linked with South End, we was thuggin’
「バンズを数える、オレの首なら凍えてる。 オレとJDでサウス・エンドにリンク。昔はサギンしてたよな。」
「Noticed」はリル・モジーのサード・シングル。USを代表するミュージックビデオ・プロデューサーであるコール・ベネットが監督したMVもイケてるよね。 リリックの内容は、ラッパーとして成り上がっていく過程のモジーのライフスタイルを歌ったもの。当時すでにファーストシングル「Pull Up」やセカンドシングル「Boof Pack」などがヒットしていたモジーは“bands(札束)”を数えまくり。高価なジュエリーを首に巻いて、“ freezin(凍えてる)”状態だ。JDは彼の地元の友達であるBanky Jayのこと。昔は連れと地元でサギンしてたけど、今はしっかり音楽でメイクマニーしてるぜてわけだ。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.147のラストを飾るのは、 “ サグ ”と言えば、やはりこの人。Young Thug(ヤング・サグ)の「Givenchy」!
Young Thug 「Givenchy ft. Birdman(2014)」
Lil bitch, you know I’m really thuggin’ like Bones & Harmony
「リル・ビッチ、お前はオレがボーンズ&ハーモニーみたく、 リアルにサギンしてるの知ってるだろ。」
Bone Thugs-n-Harmony(ボーン・サグズン・ハーモニー)は90年代に人気を博した伝説的ギャングスタラップ・グループ。ヤング・サグはヒップホップの歴史に残るギャングスタラップ集団くらい自分もリアルにサギンしてるぜと歌ってるわけだね。 中学生の時に教師の腕を折って少年院で4年間過ごしたり、2015年にはリル・ウェインの乗るバスを仲間と共に銃撃したとして訴えられるなどサグなエピソードには事欠かないリアル・サグの彼だからこその説得力があるリリックだぜ。