intelligence|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.150

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

intelligence

知性、判断力、聡明さ
紹介アーティスト
Chance the Rapper, JAY-Z, Nas
intelligence|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.150
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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.150の今回取り上げる単語は「intelligence(インテリジェンス)」。

「知性、判断力、聡明さ」といった意味の単語だ。早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!

まずチェックするのは、Chance the Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)、DaBaby(ダベイビー) 、MadeinTYO(メイドイン・トーキョー)の「How Shower」!

Chance the Rapper「How Shower(2020)」

I always find a way to get ahead with my intelligence When they critique my demeanor (Hah) Today I’ll dress up a Republican (What else?) And go get some head from a white man’s daughter Her lips aren’t big but I’m loving it (Mwah) I get in, fake ID, I’m McLovin it (Yeah)
「オレはいつでもオレの知性で前に進む道を見つける。  あいつらがオレの振る舞いを批評してくる時にな。  今日オレは共和党員みたくドレスアップ。  白人男性の娘からお口でしてもらいに行くぜ。  彼女の唇はそんなにビッグじゃないけど、“ I’m loving it ” 。  中に入る、フェイクID、オレなら “McLovin it”。」

「How Shower」から圧倒的なインテリジェンスを感じるダベイビーのヴァース。 まず今日の彼は “ I’ll dress up a Republican(共和党員みたくドレスアップ。)”してる。 共和党は党員のほとんどが白人の政党。つまり「共和党員みたくドレスアップ」が意味するのは、今日のダベイビーは典型的なアメリカの白人のような服装をしてるということ。 そして彼は白人の女の子から“get some head(フェラ)”をしてもらう。白人女性は一般的に唇が薄い人が多いと言われるのだけど、ダベイビーはそれが “ I’m loving it (お気に入り)” 。そして、“ fake ID, I’m McLovin it(フェイクID、オレなら “McLovin it)” で歌われているのは、コメディ映画「スーパーバッド 童貞ウォーズ」からの引用。「スーパーバッド」は2007年に公開された映画で、冴えない童貞の男子高校生3人が、それぞれ思いを寄せる女子生徒と初体験することを目指して奮闘する様子を描いた青春コメディだ。 「McLovin」は映画に登場する男子高校生の1人、フォーゲルがお酒を買うために偽造したIDカードに載せた名前。この曲のMVの中でも映画のパロディとして、映画に出てきたフォーゲルの偽造カードの顔をダベイビーに変えたIDが出てきているね。そして“Mc”といえば当然思い浮かぶのは、McDonald’s(マクドナルド)。マクドナルドのお決まりフレーズといえば、“ I’m lovin’ it ”だ。リリックのストーリーを通しながら、“ I’m loving it ” と“McLovin it ”をかけているてわけだね。 政治ネタ、エロ、映画といった幅広いトピックを引用をうまく使いながら、ユーモア溢れる表現でたたみかけるようにライムするダベイビーのインテリジェンスが溢れ出るリリックだぜ。

続いて紹介するのは、JAY-Z「99 Problems」!!

JAY-Z「99 Problems(2003)」

Rap mags try and use my black ass So advertisers can give ‘em more cash for ads Fuckers, I don’t know what you take me as Or understand the intelligence that Jay Z has I’m from rags to riches, niggas, I ain’t dumb I got 99 problems, but a bitch ain’t one
「ラップ雑誌はオレの黒いケツを使いたがる。  広告主は広告のために金をバラまく。  クッソタレ、お前らがオレをどうしたいのか、  ジェイ・Zが持つ知性を理解してるのか知らねぇけど。  オレはぼろ切れから成り上がった金持ち、馬鹿じゃねぇぜ。  99の問題があっても、ビッチで悩むことは一つもないぜ。」

ジェイ・Zがディスるのは、金目当てで彼に群がる音楽業界の連中。 ストリートから成り上がってきたジェイは、そんな連中に騙されるほど馬鹿じゃない。 ジェイのインテリジェンスを舐めたら、痛い目を見るぜて感じだね。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.150のラストを飾るのは、 ヒップホップ界随一のインテリジェント、Nas(ナズ)の「N.Y. State of Mind」!

Nas 「N.Y. State of Mind(1994)」

I never sleep, ‘cause sleep is the cousin of death Beyond the walls of intelligence, life is defined I think of crime when I’m in a New York State of Mind
「オレは決して眠らない。睡眠は死のいとこだから。  知性の壁の向こう側。そこが人生が定義される場所。  ニューヨーク・ステイト・オブ・マインドの時には、  オレは犯罪に思いを巡らせている。」

“sleep is the cousin of death(睡眠は死のいとこ)” というラップ・ヒストリーに残るパンチラインが生まれた一節。“Beyond the walls of intelligence, life is defined(知性の壁の向こう側。そこが人生が定義される場所。)” が意味するのは、人生というものは知性で全て理解できるものではないということ。 Geniusに掲載されているインタビューでナズはこのリリックの意味について、「オレたちは人生の意味を解明できるほど賢くはないい。人生てのはたくさんの試練の連続だし、色んな答えがある。そしてその意味を全て理解することはできないんだ。」と語っている。 そして人生について考えるナズが思いを馳せるのは彼自身を形作った場所、ニューヨーク。ニューヨークといえば、オシャレな街並みやタイムズスクエアなどの観光地を思い浮かべる人も多いかもしれないけど、ナズが生まれ育ったのは、ニューヨークで最も危険とされた地域クイーンズ・ブリッジ。特に彼が少年時代を過ごし70年代から80年は貧困やドラッグが原因の犯罪が多発していた時代だ。だからナズが “New York State of Mind(ニューヨークの想い)”に浸る時には、犯罪についても想いを巡らせることになるて事だね。

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