WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.131の今回取り上げる単語は「hangover(ハングオーバー)」。
「二日酔い」という意味で、2009年のコメディ映画「The Hangover」でもお馴染みの単語だね。早速USラップのリリックから“ hang over ”の使い方をチェックしていこう!
まずチェックするのはChris Brown(クリス・ブラウン)の2017年の1曲、「Hangover」!
Chris Brown「Hangover(2017)」
And if we sip, we can’t drive So you gon’ have to stay over And wait out this hangover
「もしオレたちが酒をすすったら、ドライブできないだろ。 だからここに泊まらなきゃいけないよな。 そして二日酔いがよくなるまで、待とうぜ。」
酒を飲んで、運転ができないクリス。そんな彼は女の子に酒が冷めるまで、一緒に過ごそうと誘う。モテ男、クリスならではイケてるリリックだぜ。
続いて紹介するのは、パーティー・モンスター、Flo Ridaの「Wild Ones」!
Flo Rida 「Wild Ones(2012)」
More Chambull, number one club popper Got a hangover like too much vodka
「もっとシャンブルを持ってこい。ナンバーワン・クラブ・ポッパーさ。 二日酔いになっちうぜ。ウォッカを飲み過ぎたみたいにな。」
高級酒シャンブルをどんどん開けまくるフロー。シャンパンを“pop(ふたなどをポンッと開ける)”しまくるフローはクラブで一番シャンパンを開ける男、ナンバーワン・クラブ・ポッパーだ。でもそれだけシャンパンを飲めば、当然翌朝やってくるのが二日酔い。ウォッカを飲みすぎた時のようなひどい二日酔いになっちゃうぜて感じだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.132「hangover(ハングオーバー)」のラストは、Kanye West(カニエ・ウェスト)の名盤「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」収録の「Dark Fantasy」から“ hang over ”の使い方をチェキ!
Kanye West 「Dark Fantasy(2010)」
The plan was to drink until the pain over But what’s worse, the pain or the hangover?
「計画じゃ痛みが消えるまで飲むはずだった。 でも困ったことに、残るのは痛みか二日酔いてことか?」
お酒とカニエといえば、まず思い出されるのが2009年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでのテイラー・スウィフト授賞式乱入事件。 当時19歳のテイラーが最優秀女性ビデオ賞を受賞し、ステージでスピーチをしようとした瞬間、泥酔したカニエがいきなりステージに上がりテイラーからマイクを奪い取ると「最優秀女性ビデオ賞は、ビヨンセが取るべきだった」と発言した前代未聞の大事件だ。 当時まだデビューしてまもないテイラーの晴れ舞台を潰した酔っ払いおじさんになってしまったカニエは音楽業界や世間から大バッシングを受けることに。 当時のオバマ大統領も記者からこの乱入事件について聞かれた際に、カニエのことを“Jackass(クソ野郎)”と呼ぶなど、音楽業界を超えて多くの人からお叱りを受けることになったんだ。しかしその後、ハワイのホノルル島のレコーディング・スタジオに引きこもったカニエが作り上げたのが、21世紀における屈指の名盤の一つと評される「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」。アルバムは全米ビルボード・チャート1位を獲得、第54回グラミー賞では、7部門にノミネートされ、ラップ・カテゴリの4部門を受賞するなどし、カニエはお酒での失敗を挽回する最高のカムバックを果たしたんだ。