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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.95の今回取り上げる単語は「flow(フロー)」。
「ラップの歌い方」という意味で日本でもお馴染みの言葉だね。flowは直訳するなら「流れ」という意味。ラップで韻を踏む際の抑揚のつけ方やリズムの取り方の事を表す言葉なんだ。今回はUSラップシーンの中でも特にヤバいフローをかます3人のリリックをチェックしていくぜ。
トップバッターはKendrick Lamar。2017年リリースの「DNA.」のリリックをチェキ!
Kendrick Lamar「DNA.(2017)」
Loyalty, got royalty inside my DNA Cocaine quarter piece, got war and peace inside my DNA I got power, poison, pain and joy inside my DNA I got hustle though, ambition flow inside my DNA
「忠誠心。王族の血統。オレのDNAの中にあるもの。 コカインが4分の1ピース。戦争と平和。オレのDNAの中にあるもの。 力、毒、痛み、楽しみ。オレのDNAの中にあるもの。 ハッスル。野心とフロー。オレのDNAの中にあるもの。」
Mike WiLL Made-Itのビートにケンドリックの半端ないフローとライムがのったヒップホップ・ヒストリーに残る名曲。ケンドリックが歌うのは、彼のDNAの中にある、記憶と感情。 LA・コンプトンで育った彼が見てきた現実と彼自身の希望が入り混じったDNAの中にあるのが、野心とフロー。ケンドリックはその野心とフローで成りがってきたて感じだね。
続いては、フローと言えばやはりこの人。50 Centの「Just a Lil’ Bit」!
50 Cent 「Just a Lil’ Bit(2005)」
This is 50, comin’ out your stereo It’s hard to tell though cause I switched the flow Eyes a little low cause I twist the ‘dro
「これが50さ。君のステレオから流れてるだろ。 気づかないかな。オレがフロウを変えてるから。 ちょっと半開きの目。ハイになってるのさ。」
いつ聴いてもドープなフィフティのフロー。 フィフティがまだアングラのラッパーだった時、すでにスーパースターとなっていたエミネムがフィフティのミックステープを聴いて、すぐにエミネムのレーベル、Shady Recordsとの契約のオファーを出したってのも納得だよね。
ラストはWu-Tang Clan「Wu-Tang Clan Ain’t Nuthing ta Fuck Wit」からMethod Manのリリックをチェキ!
Wu-Tang Clan「Wu-Tang Clan Ain’t Nuthing ta Fuck Wit(1993)」
The Meth will come out tomorrow Styles, conditions, bizarre, bizarro Flow, with more afro than Rollo
「明日はメスがやってくるぜ。スタイル、コンディション、狂ってるだろ。 フロウ。ロロよりもアフロだぜ。」
唯一無二のスモーキーでスムースなフローをかますメソッド・マン。2013年のXXL Magazineのインタビューによると、彼は自分はラップじゃなくて、「フロー」をしてると思ってるらしい。ラッパーじゃなくて “ flow-er(フロアー)”なんだって。カッコ良すぎでしょ。