ark|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.403

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

ark

方舟、箱舟
紹介アーティスト
Ken Carson, Kendrick Lamar, Common
ark|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.403
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WHAT’S UP,  GUYS!

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」Vol.403今回取り上げる単語は「ark(アーク):方舟、箱舟」。聖書に出てくる「Noah’s Ark(ノアの方舟)」に由来する言葉で、USラップのでは度々出てくる単語だ。今回もラッパーたちのリリックから単語の使い方を学んでいこう

まずは先日リリースされたKen Carson(ケン・カーソン)の最新アルバム『xperiment』から「wheredoistart」!

Ken Carson「wheredoistart(2026)」

We was together like Pangea, how we grow apart?
Jump on my boat, let’s go across the sea, yeah, yeah, this Noah’s Ark

オレたちはまるでパンゲアのように一緒にいた、どうして離れてしまったんだろう
オレのボートに乗り込んで、海を渡ろう、そう、これがノアの方舟なんだ

“Pangea(パンジア)”とは今から約3億年前に存在したとされる超巨大大陸「パンゲア」のこと。当時は現在のユーラシア大陸やアメリカ大陸、そしてオーストラリア大陸などがくっついて、一つの巨大な大陸として存在していたんだ。ケンと彼のパートナーはそんなパンゲアのように、ピッタリくっついた日々を過ごしていたのだけど“grow(成長)”するもつれて、離れてしまった。悲しみにくれていたケンはボートに乗り込み、海を渡る。

それはまるで聖書で描かれてる救済の方舟、” Noah’s Ark(ノアの方舟)”。

涙の洪水で溢れかえってしまったケンの心が、音楽という”ark(方舟)”に乗ることで救われてるとも捉えることができるね。

続いては、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の名盤『DAMN. 』から「XXX. 」!

Kendrick Lamar「XXX. (2017)」

Throw a steak off the ark to a pool full of sharks, he’ll take it
Leave him in the wilderness with a sworn nemesis, he’ll make it

サメだらけのプールに方舟からステーキを投げ込んでも、彼は受け取るだろうね
敵だらけの荒野に置き去りにされても、彼はきっと生き延びるはずさ

“a pool full of sharks(サメだらけのプール)”や、 “the wilderness with a sworn nemesis(敵だらけの荒野)”はケンドリックが生きてきた世界、そして過酷な状況にある世界の様々な地域を連想させる言葉。

「サメだらけのプール」や「敵だらけの荒野」はまさに絶体絶命の状況だけど、そんな中でも生き延びて、抜け出してくる人もいる。ケンドリック自身、アメリカで最も危険とされるロサンゼルス・コンプトン地区からラッパーとして成り上がり、世界的なアーティストになった人間だ。

方舟というテーマを使いながら、彼が生きる世界の過酷さ、そしてそんな中でも希望を持って、力強く生きていく人々のことを歌ったリリックだね。

ラストはシカゴを代表するリリシスト、Common(コモン)の名盤『Like Water For Chocolate』収録の一曲「Dooinit」!               

Common「Dooinit(2000)」

Focused like Gordon Parks when it’s sorta dark
For niggas that’s flooded with ice, my thought’s the ark

暗闇でのピントの合わせ方なら、まるゴードン・パークス
冷たいアイスの洪水で溢れかえってる連中にとってオレの思考は方舟さ

 “Gordon Parks(ゴードン・パークス)”とはアメリカに生きる黒人たちのありのままの生活を撮影し、そこにある根深い人種差別や不平等、貧困の現実を写真というツールを通して多くの人に伝え続けた黒人の写真家、ゴードン・パークス(1912-2006)のこと。 

実はこの曲が収録されているアルバム『Like Water For Chocolate』のジャケットの写真である、水飲み器の写真もパークスの作品だ。“Focused like Gordon Parks when it’s sorta dark(暗闇でのピントの合わせ方なら、まるゴードン・パークス)”とは、先が見えない暗闇の時期であっても、しっかりと今何が問題なのかを理解し、そこに焦点をあてていこうという意味なんだ。 

そしてヒップホップ・カルチャーにおいて、彼が問題だと考えているのは、商業主義的になってしまったラップ・シーンのこと。“アイス(高価なジュエリー)” をたくさん身につけて、金を持っていることをアピールするようなラッパーは、コモンからすれば、カルチャーの本質を理解していないように見える。

そしてそんなラッパーたちにとって、コモンの思考は、商業主義的な考え方から脱却させてくれる神聖なる教えのようなもの。それはまるで旧約聖書の中で、 “ flood(洪水)” から、地上の動物たちを救い出した“ the ark(ノアの方舟)” のようてわけだね。

 

【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。

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