Juice WRLD『The Party Never Ends』特集・前編|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.323

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.322の今回は先日リリースされたJuice WRLD(ジュース・ワールド)のアルバム『The Party Never Ends』特集・前編、2019年に亡くなった後も、世界中の人々から絶大な人気を得るエモ・ラップのカリスマ、ジュース・ワールドの5枚目にしてラストのアルバムとされる『The Party Never Ends』から彼のリリックの世界観をチェックしていこう。

まず取り上げるのは、アルバムの1曲目であり、アルバムと同名タイトルの「The Party Never Ends」!

「The Party Never Ends」

I said it first, the party never ends
最初に言ったよな、パーティーは終わらないって

Relax and let the party start
リラックスして、パーティーを始めよう

I know you had your ways for a couple of days
知ってるよ、ここんとこ、君が自分のやり方でやってたのは

They say life is a book, well, I am turning the page
「人生は一冊の本」って言うよな、だからオレはページをめくるよ

I’m not looking back at it at all, I’m gone
もう振り返らないから、行くよ

I’ma see you on the other side
あっちで会おうぜ

2010年代後半、USラップシーンに彗星のごとく現れた天才アーティスト、ジュース・ワールド。
幼少期からピアノやギターなどさまざまな楽器に触れ、ロックを中心に幅広い音楽を聴いて培われた豊かな音楽性、自然体ながらも圧倒的な展開を見せるフロウのデリバリーと天才的なビートアプローチ、自己の心の深部に抱える葛藤を強烈な彩度で表現した内省的なリリック。
同時代、そしてヒップホップ・ヒストリーにおけるどのラッパーとも一線を画す唯一無二の世界観を持ったカリスマとしてヒップホップファンならず、世界中のキッズたちから絶大な支持を受けたラッパーだ。惜しくも2019年にドラッグによる事故によって亡くなってしまったが、彼のパーティーは決して終わらない。
今日もジュースの音楽は人々の心に生き続けているし、人生という一冊の本をめくる支えになっているんだ。

続いてはフィーチャリングに Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)を迎えたアルバムのリードシングル「AGATS2 (Insecure)」!

「AGATS2 (Insecure)」

I admit it, another ho got me finished
認めるよ、あの女にやられた

Tryna serve heartbreak up like tennis
心の痛みをサーブする、まるでテニス

Fuck sipping, I’ma codeine gargle
ちびちび飲むなんてダセェよ、オレならコデインでうがいさ

「AGATS2 (Insecure)」は2017年の楽曲、「All Girls Are the Same」の続編となる曲。
“I admit it, another ho got me finished(認めるよ、あの女にやられた)”の部分も「All Girls Are the Same」での

I admit it, another ho got me finished
認めるよ、あの女にやられた

Broke my heart, oh, no, you didn’t
オレの心を壊して、いや、お前はやってないよ

Fuck sippin’, I’ma down a whole bottle
ちびちび飲むなんてダセェよ、オレはボトルごといくぜ

の部分をベースにしたリリックだ。
タイトルにもある“insecure(インセキュア)”は「自信がない、不安な」といった意味。リリックの内容はジュースの内面の繊細な感情を歌ったものだ。特に、

Tryna serve heartbreak up like tennis
心の痛みをサーブする、まるでテニス

は“serve”という単語を上手く使ったリリック。“serve”が持つ「提供する」という意味と、「(テニスで)サーブする」という意味をうまく使い、テニスで強いサーブを打ち込まれたように、心が痛いってことを歌っているわけだね。

『The Party Never Ends』特集・前編のラストは「Cuffed」!

「Cuffed」

I could be ready when these bitch-ass haters and the Devil come
準備はできてるかな。あのビッチ・アス・ヘイターたちと悪魔がやってくる時には

Your crush just said I am a beast
お前が好きな子が言ってた、オレがビーストだって
You say I’m pussy, well, you are what you eat
お前はオレのことをプッシーって言う、まぁ人間は食ったものでできてるからな

You niggas specialize in startin’ internet beef
お前らが得意なのはインターネット・ビーフ

I’m not the one to internet beef
オレはインターネット・ビーフなんてやらねぇんだよ

インスタやX上で言い争う“インターネット・ビーフ”のことをディスったテクニカルなライン。ジュースのヘイターたちはジュースに“pussy(女性器、泣き虫、ヘタレ)”って言ってくるわけだけど、そこに対してジュースの返しが秀逸。ジュースがヘイターに対してアンサーしている“you are what you eat”は「人間は自分が食べるものでできている」といった意味のフレーズ。つまりモテモテのジュースは女の子の“pussy”をたくさん食べているので、ある意味ではヘイターたちが言う通り、“pussy”になっているってわけだ。

対してヘイターたちが威勢が良いのは、結局インターネットの中だけ。人間の体は当然食べたものでできているわけだけど、ジュースのヘイターはインターネット上の喧嘩、つまり”beef(スラングで「喧嘩」)”ばかり食べている。ただジュースはそんなビーフには興味がない。リアルでしっかり売れて pussy 食べ放題ってわけだね。

【歌詞出典元】Genius

*訳は全て意訳です。

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