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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.267の今回は「仲間」に関するスラング特集。
USラップでよく使われている仲間や友達を表すスラングを3つ紹介するよ!
まず一つ目は“clique(クリック)”「仲間、連れ」という意味だ。
Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)の「C.R.E.A.M」から使い方をチェックしてみよう!
Wu-Tang Clan「C.R.E.A.M(1993)」
Times is rough and tough like leather
Figured out I went the wrong route
So I got with a sick-ass clique and went all outあの時代のラフさやタフさはまるでレザー
オレは道を間違えていたって気づいたんだ
だからクソかっこいいクルーと一緒に抜け出してきたのさ
ウータン・クランからRaekwon(レイクォン)のリリック。ブルックリンで生まれ、ニューヨーク、スタッテン島の貧困地域でタフな生活を送っていたレイクォン。そんな彼がゲトーから抜け出すために参加したクルーこそが後にヒップホップ史上最強の“ clique “として音楽史にその名を刻む事になるウータン・クランだったんだ。
続いては“dawg(ドッグ)”。「仲の良い友達、仲間」という意味のスラングだ。日本のヒップホップシーンでも使われることがあるスラングだね。取り上げるのはこちら、Lil Baby (リル・ベイビー)と Drake(ドレイク)の「Yes Indeed」
Lil Baby & Drake「Yes Indeed(2018)」
Brand new whip got no keys
Tailor my clothes, no starch, please
Soon as I nut, you can gon’ leave
Got M’s in the bank, like: “Yes, indeed”
Me and my dawg goin’ all the wayブランニューの車、鍵無しさ
服を仕立てる。のり付け無しで頼むぜ
オレがイッたらお前はすぐ出て行けよ
Mが増えていく銀行口座
まぁ”だろうな”て感じ
オレとオレのドッグはとことんいくぜ
世界的なラッパーとして成り上がって行くリル・ベイビーはもちろんイケてる車、イケてる服を手に入れていく。”Got M’s in the bank” で出てくる “M’s”とは “ millions(数百万)”という意味。数百万ドル、つまり数億円を稼ぎ出すリル・ベイビーだが、彼のラップ・スキルからしたらそんなの当たり前、” Yes, Indeed(いかにも、その通り)” てなわけだ。
お金も名声も手に入れたリル・ベイビーだけど、そんな彼が大事にするのはやっぱり “ dawg(仲間)” 。
“ Me and my dawg goin’ all the way(オレとオレのドッグはとことんいくぜ)” で歌われているように、リル・ベイビーと彼の仲間たちが作り出す音楽が今後も楽しみだぜ。
ラストは“posse(ポッセ)”。「〔同じ目的を持つ〕集団、仲間、ギャング」といった意味の言葉だ。今回はヒップホップ史上、最強のコンシャス・ポッセ、Public Enemyから「Louder than a Bomb」をチェック!
Public Enemy「Louder than a Bomb(1988)」
The FBI was tappin’ my telephone
I never live alone, I never walk alone
My posse’s always ready, and they’re waitin’ in my zone
Although I live the life that of a resident
But I be knowin’ the scheme that of the presidentFBIはオレの電話を盗聴してたのさ
オレは1人じゃねぇし、ぜってぇ1人じゃ歩かねぇ
オレのポッセならいつでも準備万端、ゾーンでお待ちかねさ
まぁパンピーの暮らししてるけどよ
大統領の汚いやり方ならわかってるつもりだぜ
「Louder than a Bomb」からチャック・Dのリリック。
FBIに電話を盗聴されても、チャックには彼のポッセがついてるから大丈夫。「ゲトーの “ resident (住人)” だけど、” the president(大統領)”のやり方はよくわかってんだよ。」というチャック・Dらしい反体制のメッセージを込めた熱いリリックだぜ。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。