「お金」に関する英語スラング3選|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.266

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

紹介アーティスト
JAY-Z, Nav, The Notorious B.I.G.
「お金」に関する英語スラング3選|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.266
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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.266の今回はお金に関するスラング特集。
USラップでよく使われているお金に関するスラングを3つ紹介するよ!

まず一つ目は“dough(ドウ)”「お金、現ナマ」という意味だ。
ヒップホップ・ドリームの象徴としてUSラッパーのMVで度々登場する大量の“ dough ”。プールサイドで仲間達とパーティーをして、“ dough ” をバラまくというヒップホップ・ドリームに憧れている人も多いんじゃないかな?そんな“ dough ” を使ったリリックと言えばこちら。JAY-Z「99 Problems」!         

JAY-Z「99 Problems(2003)」

Rap critics that say he’s Money, Cash, Hoes.
I’m from the hood, stupid!
What type of facts are those?
If you grew up with holes in your zapatos
You’d celebrate the minute you was havin’ dough

好き勝手言ってるラップ批評家”あいつは金、現金、ビッチの話ばかり”だって?
オレはフッド出身なんだよ。馬鹿野郎
なにが言いたいんだって?
もしお前が穴の空いた ”ザパトス” を履いて育ったとしたら
お前だって現ナマを持ってる瞬間を祝うだろ?

ジェイ・Zが生まれ育ったのは、80年代〜90年代にニューヨークでも有数の危険地域とされたMarcy Houses(マーシー公営団地)。
そんな正真正銘のフッドで育ったジェイ・Zからからすると、彼に対して、“ あいつのリリックは金と女の話ばかり”と言ってくるラップ批評家達は何もわかってないて話。

なぜなら、彼は貧しい家庭に生まれ、穴の空いた“ zapatos(ザパトス:スペイン語で「靴」の意味)”を履いて育ったラッパー。新しい靴を買えなかった少年時代を過ごしたジェイ・Zからすれば、“ dough(ドウ)” を持っている瞬間を祝って、何が悪いんだって感じだよね。

続いては“loots(ルート)”。「お金」という意味のスラングだ。そしてlootといえば、やはりこの曲。The Notorious B.I.G. 「Gimme the Loot」!

The Notorious B.I.G. 「Gimme the Loot(1994)」

So lace up your boots,
‘cause I’m about to shoot
A true motherfucker going out for the loot
お前のブーツを締め上げな。オレがぶっ放しに行くからな。  
リアルなマザーファッカーは金のために出かけるぜ。

ティンバーランドの紐を締め上げ、臨戦態勢。今から稼ぎに行くぜっという気合いを感じるリリックだね。
仮サビ部分の“Gimme the loot, gimme the loot”のリリックは、Travis Scott(トラビス・スコット)の「Sicko Mode」や、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)の「7 rings」などでもサンプリングされているよ。

ラストは「bucks(バックス)」。元々は「雄ジカ」という意味の単語なのだけど、最近では「ドル紙幣」のスラングとして使われている単語だ。
カナダ・トロント出身のラッパーであるNav(ナヴ)の「Up」からラップでの使い方をチェックしてみよう!

Nav「Up(2017)」

All my shooters’ ballin’, playing for the Bucks
Keep your circle small, be careful who you trust
They gon’ love you when you down, not when you up

オレのシューターたちは皆ボーリンしてる、バックスのためにプレーしてる。  
サークルを小さくしときな、誰を信じるか気をつけな。  
あいつらは落ちてるお前が好きなのさ、上がってるお前じゃなくてな。

“ All my shooters’ ballin’, playing for the Bucks(オレのシューターたちは皆ボーリンしてる、バックスのためにプレーしてる。)” はダブルミーニングの単語をうまく使ったテクニカルなリリック。まず “ shooters(シューター)”は、「バスケットボールなどのシュター」と「殺し屋、ヒットマン」という二つの意味を持つ言葉。 そして“ballin(ボーリン)” は「バスケをする」と「羽振り良く振舞う」という意味を持つスラングであり、バックスは「お金」とNBAのバスケチームであ「The Milwaukee Bucks (ミルウォーキー・バックス)」のダブル・ミーニングだ。

つまりこのリリックは、 「オレの好きなバスケプレーヤーたちはミルウォーキー・バックスでプレーしてる」と 「オレが雇ってる殺し屋たちは羽振りが良いぜ、あいつらは金のために働いてんだぜ」 というダブル・ミーニングになっているんだ。

 

【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。

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