WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.228。今回取り上げる英語は「breeze(ブリーズ)」。一般的には「その風」という意味で使われることが多い言葉だけど、「breeze through」で「さっそうと歩く」という意味になるるんだ。早速USラップシーンでの使われ方をチェックしてみよう!
まず紹介するのは、“クイーン・オブ・ ラップ”、Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の「I Am Your Leader」!
Nicki Minaj「I Am Your Leader(2012)」
I bought a couple nines, plus the Ks with me
I breeze through Queens to check some bad bitches“ナイン”と、“K”をいくつか買って
クイーンズをさっそうと歩く、バッドビッチたちをチェックする
“nine”と“K”はどちらも銃を意味するスラング。nineは自動拳銃のTEC-9、Kは世界で最も出回っている銃として知られるAK-47だ。そんな危険な武器をいくつか買って、ニッキーは地元クイーンズを颯爽と歩く。最強女子ラッパー、ニッキーには気をつけなって感じだね。
続いて紹介するのはレジェンド・ヒップホップ・バンド、The Roots(ザ・ルーツ)の「Clones」!
The Roots「Clones(1996)」
My character a product of this 2-1-5th trife style
I breeze through areas niggas would fear to walk inオレの性格は215番式のタフな性格の賜物
だから他のやつらがビビって歩けないような場所もさっそうと歩くぜ
ザ・ルーツの創設メンバーである、Malik B(マリク・B)のリリック。
“2-1-5th(215番)”とはマリクの地元、フィラデルフィアのエリアコード。
フィラデルフィアのゲットーでさまざまな困難を乗り越えてきたマリクは、他の人がビビって歩けないような場所でも余裕で歩くぜってわけだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.228のラストを飾るのは、ラップ・キング、JAY-Z(ジェイ・Z)のヒット曲「Jigga That Nigga」から“ breeze” の使い方をチェック!
JAY-Z 「Jigga That Nigga(2002)」
Hov, and so I breeze through, jeans is Evisu
She’s respondin’, top is C. Ronsonホヴ、オレはさっそうと歩く、ジーンズはEvisuさ
彼女が反応してくれる、トップはシャーロット・ロンソン
ラップ神、“Hov”ことジェイ・Zが着こなして颯爽と歩くのは、2000年代のヒップホップシーンで爆発的な人気を誇ったEvisu(エビス)のジーンズ。特徴的なロゴとデニムの後ろに施された大きなバックプリントは当時のヘッズの憧れだったよね。そしてそんなジェイに反応してくれる女の子が着ているのは、こちらも2000年代に人気を博したレディースブランド、シャーロット・ロンソン。2000年代初頭のバイブス満点のリリックだぜ。