WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.118で取り上げる単語は「front(フロント)」。
基本的には「前方の、〜に向く」という意味だけど、スラングでは「嘘をつく、リアルじゃない振る舞いをする」という意味になるんだ。早速USラップのリリックから「front」の使い方をチェックしてみよう。
まず紹介するのは、J.Coleの2014年のアルバム「Forest Hills Drive」収録の「Wet Dreamz」。
J. Cole 「Wet Dreamz(2014)」
I wrote back and said “Of course I had sex before,” knowin’ I was frontin’ I said, “I’m like a pro, baby,” knowin’ I was stuntin’ But if I told the truth, I knew that I’d get played out, son
「手紙に返信して、言ったのさ。 ”もちろん、オレはセックスしたことあるぜ。” わかってたよ、嘘ついてるって。 言ったのさ。“まるで、プロさ、ベイベー。” わかってたよ、粋がってたって。 でも本当のことを言ったら、飽きられちまうんじゃないかて思ったのさ。」
J.コールの青春時代の恋を歌った一曲。意中の女の子と手紙のやり取りをするコールは、セックスの経験がないのに、 嘘をついて、経験があるように女の子に言ってしまう。 なぜって経験が少ないとダサいと思われてしまいそうだから。 男てそういうもんなのよ。。。
続いて紹介するのはDrakeの2013年の楽曲「Furthest Thing」。
Drake「Furthest Thing(2013)」
I made every woman feel like she was mine and no one else’s And now you hate me, stop pretendin’, stop that frontin’, I can’t take it Girl don’t treat me like a stranger, girl you know I seen you naked
「すべての女性たちをオレのものだと思わせてきた。誰のものでもなく。 君は今オレのことが嫌いだって、何かのフリをするのはやめな、嘘をつくのもやめな。 オレは受け入れないよ。 オレを他人みたいに扱うなよ。オレは君の裸見てんだぜ。」
モテ男、ドレイクだからこそ歌えるリリック。 自分のことをもう嫌いだと言ってくる女の子に対しても、「君の裸見てんだから、他人行儀になるなよ。」と言えちゃうメンタル、半端ないぜ。。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.118のラストは先日痛ましい銃撃事件によって亡くなってしまったPop Smokeの「What You Know Bout Love」から「front」の使い方をチェック。
Pop Smoke「What You Know Bout Love(2020)」
Look, baby, I said I ain’t gon’ front You got my heart beating so fast to words I can’t pronounce And I be getting the chills every time I feel your touch I be looking at the top and girl, it’s only us All I need is your trust
「なぁ、ベイベー。言ったろ、オレは嘘はつかない。 君がオレの心臓の鼓動をとても速くするから、もう言葉も発音できない。 君が触れる度に、ゾクゾクするよ。 てっぺんを見つめてる。なぁ、ベイベー、オレたちだけさ。 オレに必要なのは君の信頼だけさ。」
ドープなフローに甘い言葉がたまらないポップ・スモークのラブ・ソング。 間違いなくリアルな男、ポップ・スモークは愛するベイベーに嘘はつかない。 しかも愛するベイベーを前にすると、ドキドキしてしまって、うまく言葉も出てこないとのこと。こんな甘い言葉をさらっと言えちゃうのもかっこいいよね。