『Poetic Justice』を観るべき理由|ストリートヘッズのバイブル Vol.160

ジャネット・ジャクソン、トゥー・パックW主演の恋愛ロードムービー

ライター:TARO

「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは1972年公開のクライム・ドラマ『Super Fly』!「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるのは1993年公開の『Poetic Justice』!

『Poetic Justice』とは?

ジャネット・ジャクソンとトゥー・パックのW主演による恋愛ロードムービー。
90年代初頭のロサンゼルスを舞台に、愛する人を失い、心を閉ざした美容師 ジャスティスと不器用だが根は純情な郵便配達の青年ラッキーが、ひょんなことから一緒に旅をすることになり、次第にお互いの心の痛みを理解するようになるストーリーを描く。

①ジャネット・ジャクソン ×
トゥー・パック W主演

なんと言ってもこの映画の一番の見所はジャネット・ジャクソンとトゥー・パックのW主演というところ。
マイケル・ジャクソンの妹であり、『Control(1986)』、『Janet Jackson’s Rhythm Nation 1814(1989)』などの大ヒットでR&Bシーンにおける絶対的なアイコンとなっていたジャネットと、デビューアルバム『2Pacalypse Now (1991)』でシーンを席巻していた若手ラッパー、トゥーパック。R&Bとラップシーンのトップが映画で共演しているというとんでもない作品なんだ。
それだけでも話題性抜群なのに、二人の演技もまた激アツ。過去の事件によるトラウマから心に傷を負い、詩を書くことで自分を保っている女性“ジャスティス”を演じるジャネットと、口は悪いが人情味に溢れる男 “ラッキー” を演じるトゥーパックの演技を見るだけでも、ヘッズならテンションが上がること間違いなしだ。

②90年代ヒップホップバイブス満載
あの超有名ラッパーの出演も!?

映画の舞台は、90年代のロサンゼルス。バギーでカラフルな90sストリート・ファッションや街の風景、また主人公ジャスティスが働くヘアサロンの様子など今のヒップホップシーンとはまた違った雰囲気を楽しむことができる。また特にヘッズとして観ておきたいのは当時 A Tribe Called Quest のメンバーとして革新的なサウンドをプロデュースしていたQ-Tipの出演。なかなか見ることがない若かりし日のティップの演技はヘッズとしてはマストチェックだね。

③言葉を綴ることで心を癒す

タイトルである『Poetic Justice』の通り、この映画はテーマ「詩(ポエム)」。
ジャネットが演じる主人公ジャスティスは、人生の中で感じた痛みや日々の思い、心のもやもやを言葉(ポエム)としてノートに書き留めることで、消化している。詩を書くことで救われるのは、ラップミュージックの大きな要素でもあり、ラッパーの言葉に救われた人、また自分で言葉を書くことで救われてきた人ほど、共感できるポイントも多いはずだ。

④シンプルな恋愛ドラマではない
アメリカのストリートの過酷さ

『Poetic Justice』はロマンチックな恋愛ドラマであると同時に、アメリカのストリートのハードさ、黒人社会で起きる様々な困難を描いているところ。映画内に登場する若者たちはストリートのちょっとした諍いがきっかけで簡単に奪われてしまうし、主人公であるジャスティスもラッキーもそれぞれ家庭環境に様々な課題を抱えている。アメリカのストリートの現実や、連鎖する貧困と暴力が生み出す痛み、そしてその痛みとの向き合い方など、ラップミュージックの背景にあるアメリカの黒人社会の過酷さを映画を通して触れることができる作品でもあるんだ。

⑤ヒップホップ黄金時代の
サウンドトラック

ヒップホップ、R&B黄金期と言われる90年代の映画とだけあって、サウンドトラックも音楽好きならぶち上がること間違いなし。序盤で流れるTLC の「Get It Up」、当時まだ若手だったUsherの「Call Me a Mack」、90年代を代表するクルー、Naughty by Natureの「Poor Man’s Poetry」など思わず踊ってしまうような楽曲ばかりだ。

90年代ヒップホップカルチャーを、スーパースターの演技と共に楽しめる名作『Poetic Justice』。ぜひチェックしてみてね。

画像出展元:Sony Pictures

配信先:Amazon Prime

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