黒人バスケ選手の道を切り拓いた伝説の試合! NBAファン必見の映画『グローリー・ロード』とは?

弱小チームがアメリカバスケットボール史を塗り替える瞬間を目撃せよ!

ライター:Lee

みんな文化ディグってる?
「ストリートヘッズのバイブル」ではヒップホップ好きにオススメの映画を紹介していくよ。

今回取り上げるのは映画『グローリー・ロード』。NBAへの登竜門である大学リーグNCAAバスケットボールを舞台に、人種の壁を壊した選手たちの物語だ。

『グローリー・ロード』ってどんな映画?

舞台は1966年のアメリカ。テキサス・ウェスタン大学のバスケ部「マイナーズ」のコーチに就任したドン・ハスキンズは、弱小のバスケ部の強化を図るべく、全米中から才能ある黒人選手をスカウトすることに。しかし、当時の大学バスケットボール界では人種差別意識が根強く残っており、黒人選手たちが試合に出るたびに罵倒や嫌がらせも増えていった。

しかしマイナーズは逆境に立ち向かいリーグを勝ち進んでいく。そしてついに強豪校であるケンタッキー大との決勝戦を迎えることになるが…。

『グローリー・ロード』を観るべき5つの理由

①事実は小説より奇なり!?実話を基にした物語

この映画は弱小チームだった「マイナーズ」を全米優勝へと導いたドン・ハスキンズコーチの自叙伝を基にした物語だ。彼の最大の功績は、バスケットボールの試合に黒人選手を多く起用したこと。

予算も少なく弱かったマイナーズを強化するために、バスケの試合ではタブーとされていた黒人選手を積極的にスカウトしたんだ。のちに彼はバスケットボール界での「人種の壁を超えた」コーチとして語り継がれることになる。

伝説の試合の後もハスキンズコーチは多くのNBA選手を育て1997年にバスケットボール殿堂入りを果たした。弱小チームがなぜ優勝を果たせたのか? 彼はどう黒人選手たちと向き合ったのか? 映画ではバスケに心血を注いだ男の真実の姿が描かれているよ。

②単なる勝ち負けではない、人権をかけた戦い

1966年のアメリカ南部は公民権運動の後でも、まだまだ黒人に対する差別意識は強く、バスケットボール界でも黒人選手が試合に出ることは珍しかった。黒人選手はホームの試合では1人、アウェイの試合では2人、負けているときでも3人しか出場させないという暗黙のルールがあったんだ。

「黒人はプレッシャーに弱く、すぐ音をあげる」などと肌の色で差別され、どんなに才能があってもベンチにすら座れないこともザラ。そんな黒人選手をリーグの初っ端の試合から3人出場させたハスキンズコーチの判断が、どれほど異例だったかは、罵声を浴びせられたり宿泊先のホテルを荒らされたりする様子からよく知ることができる。

そんな逆境だからこそ、マイナーズは負けるわけにはいかなかった。優勝することが目的ではなく「肌の色に関係なくチャンスさえあればなんでもできる」ことを証明するために黒人選手たちは戦っていったんだ。自分たちがいる世界から人種差別に抗おうとした彼らの姿には、学ぶことがたくさんある。

③米バスケットボール史上に残る伝説の試合

現在NBAでは多くの黒人選手が活躍し、マイケル・ジョーダンなどの伝説の選手も輩出しているが、根強い人種差別意識が残っていたバスケットボール界を変えるきっかけになった試合がある。それがこの映画の最大の見せ場でもあり、スポーツ史に残る最大の大番狂わせと言われたテキサス・ウエスタン大学「マイナーズ」VSケンタッキー大学の決勝戦だ。

ケンタッキー大学は優勝常連校でA・ラップ監督も敏腕コーチ。そんな相手に勝つために、ハスキンズコーチはスタメン5人と控え選手2人全員を黒人選手で固めることを決意したんだ。

黒人以外の白人の大半が敵チームを応援するアウェイの中、のちにNBAでも活躍するデイヴィット・ラティンが初っ端からダンクを決め「絶対に勝ってやるぞ」という闘志を見せる。すさまじい接戦の末、マイナーズは見事優勝を掴みとる。

その試合を経て、ケンタッキー大のA・ラップ監督は数年後に黒人選手もスカウトするように。マイナーズと戦ったケンタッキー大のエースで、NBAで監督まで務めたパット・ライリーはエンドロールの回想で、この決勝戦を「66年の奴隷解放宣言」だと振り返っていた。

まさにこの試合によって、黒人バスケ選手の道は拓かれたんだ。この試合がなければ、バスケットボールの神様としてのマイケル・ジョーダンも生まれてないかもしれないよね。

 

④王道のスポ根物語

人種問題が根底にある映画だが、スポーツ映画としてのおもしろさもピカイチ。弱小チームが全米優勝を勝ち取るまえでのサクセスストーリーがテンポよく描かれている。

ハスキンズコーチは全米中の高校やストリートバスケの現場から有能な黒人選手を集めたのはいいものの、自己流のプレイが身についた彼らとコーチはぶつかり合うことも日常茶飯事。練習に逃げ越しになる者、女にうつつを抜かす者、体調が優れずに倒れてしまう者など試練が立ちはだかるが、みんなに共通するのは「バスケしかない」こと。

貧困家庭に生まれたり、ろくに高校で試合に出させてもらえずバスケを諦めかけていた者たちだからこそ、ハスキンズコーチに焚き付けられてバスケに向ける情熱がまっすぐ注がれた瞬間、とんでもない爆発力を生む。露骨な差別にさらされ自暴自棄になりかけても、自分との戦いでしかないと優勝に向けて一致団結していく姿は胸を熱くしてくれる。

そんな王道スポ根ストーリーも存分に楽しんでね。

⑤映画を彩る60年代の名曲たち

60年代のアメリカといえば、公民権運動が盛んだった時代。そんな時代背景がBGMとして挿入される楽曲にも現れている。

キング牧師と一緒に公民権活動に貢献したマヘリア・ジャクソンの『I’m on My Way to Canaan』や、歴史的なソウルシンガーであるマーヴィン・ゲイの『Ain’t That Peculiar』などなど、ブラックミュージックの名曲が揃いぶみ。映画と一緒にぜひチェックしてみてね。

日本では未公開だった『グローリー・ロード』。バスケットボールやNBAのファンだったら必見の作品だよ!

画像出典元:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

配信先:Amazonprime