目 次
ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについて全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。
今回のゲストは、元陸上選手の野口みずきさん!2004年のアテネオリンピック・女子マラソンで見事金メダルを獲得し、翌年のベルリンマラソンでは、当時の日本記録となる2時間19分12秒をマークするなど数々の快挙を成し遂げられました。そんな野口さん、実は筋金入りのヒップホップヘッズ!ここ数年は解説者やアドバイザーとしての活動に加え、幅広い音楽ジャンルへの知見と熱いヴァイブスを生かしてDJにも挑戦中!
スポーツシーンでもプライベートでもパワフルに走り続ける野口さんの、“陸上×ヒップホップ”な半生に迫ります。
前回の記事はこちら → あなたの人生は生まれや環境で決まらない!ヒップホップ好き僧侶・西田稔光が説く“諸行無常”の本当の意味
自分の経験と走る楽しさを
伝えるべく、全国津々浦々

レペゼン :
ヒップホップ好きとして有名な野口さんを迎えられてとても嬉しいです。まずは読者の方向けに自己紹介をお願いします。
野口みずき :
今日の取材、すごく楽しみにしていました!よろしくお願いします。
元マラソンランナーの野口みずきです。今は大会の解説者をしたり、ゲストランナーとしてさまざまな大会に参加したりしています。
レペゼン :
オリンピックの女子マラソンでは、2000年の高橋尚子さんに続いて日本人2人目となる金メダルを獲得された野口さんですが、今はマラソンとは具体的にはどういった関わり方をされているんですか?
野口みずき :
岩谷産業(プロパンガスの高いシェア率を誇る総合エネルギー・産業ガス専門商社)の陸上部のアドバイザーをしながら、全国を巡って子どもたちや一般のランナーの方向けにランニングクリニックをしに行ったりしています。あとは、今、各地でマラソンの大会が増えているんですけど、そういう大会のゲストランナーとして、北から南まで巡らせてもらっています。
レペゼン :
今もなおマラソンシーンで活躍されているんですね!ちなみに「ランニングクリニック」とは、どういうものですか?
野口みずき :
ランニングの教室ですね。 子供たちに走りの基本とかフォームとか姿勢を教えたりしています。
最近は講演などにも呼んでいただくこともあり。企業さんとか中高生の方向けに、自分が経験したことを伝える活動もさせてもらっていますね。陸上をやっている人だけじゃなく、いろんなお仕事をされている方にも届くような話ができたらと思っています。

レペゼン :
素敵です。そうやっていろんな世代に向けて発信する一方で、ご自身も走られているんですね。
野口みずき :
はい。でもフルマラソンは走っていないですけどね。地球何周分してるんだろうっていうぐらい走ってきて、もうお腹いっぱいですから笑
今はファンラン(順位やタイムにこだわらず楽しく走ることを目的とした大会)に参加して、皆さんを応援しながら走るということが多いです。
レペゼン :
めっちゃ良いですね。少しでも野口さんと一緒に走れたら、一生の思い出になります。
野口みずき :
あとは毎日お酒を飲んでいるので、お酒のために走ってます笑
レペゼン :
そうなんですか笑
毎日飲んでいても、走れるものなんでしょうか?
野口みずき :
関係ないです。むしろ前の日のお酒を出して、新しいお酒をまた入れないといけないので笑
レペゼン :
デトックス的な意味合いでも走られているんですね笑
ヒップホップで精神統一。
試合前の大事な習慣

レペゼン :
ヒップホップ好きな野口さんですが、なかでもギャングスタラップがお好きとお聞きしました。
野口みずき :
そうなんです。 まずヒップホップに出会ったのが、中学校の時に兄が持っていたIce Cube(アイスキューブ)のアルバム・『Kill At Will』のCDがきっかけなんです。特に「The Product」っていう曲が「めっちゃかっこいい!」と思ったのを覚えています。重低音がダーンって響くようなトラックも好きでしたね。
【 Ice Cube – The Product 】
レペゼン :
アイスキューブ好きな中学生、めちゃくちゃイカついです笑
野口みずき :
でも、ジャジーな感じのヒップホップも好きです。Lupe Fiasco(ルーペ・フィアスコ)とかDe La Soul(デラソウル)、あとはThundercat(サンダーキャット)なんかも好きですね。
【 Thundercat – ‘Dragonball Durag 】
レペゼン :
守備範囲の広さが尋常ではないですね!それこそ走っている時やトレーニング中にも聴いたりするんですか?
野口みずき :
現役の時は、ペースが早い曲を聴きながら走ると危ないので聴かないようにしていたんですけど、練習の時や大会前なんかはずっと聴いていましたね。特に試合の時はヘッドホンをつけて集中力を高めながら、レース直前まで聴いていました。
レペゼン :
大会で活躍されている姿は何度も拝見してきましたが、あのレース前にヒップホップを聴かれていたとは!
野口みずき :
そして走っている最中は、いろんな曲が頭の中で流れ続けていました。もう脳内ジュークボックス状態でしたね笑
レペゼン :
すごいです!それだけ野口さんにとって音楽が不可欠だったわけですね。
好奇心の赴くままに…
DJみずき、デビュー!

レペゼン :
また最近は、DJとしてもご活動されているとうかがいました。前々からDJをやってみたいという気持ちがあったんですか?
野口みずき :
そうですね。引退してからクラブにちょくちょく行くようになったんですが、ある日、小さい箱で回されているDJの方を間近で見ていて「かっこいい!私もやってみたい!」と強く思ったんです。
レペゼン :
良いですね!始めるきっかけは何かあったんですか?
野口みずき :
Sonar Pocket(ソナーポケット)のeyeron(アイロン)さんのラジオに出演させてもらってお話した時に、いろいろ広がった感覚がありました。その後、eyeronさんのパーティーに参加した時に東京マラソン財団の方と知り合い、ご縁があって2年前にTOKYO ROKUTAI FES(*)でDJをやらせてもらったんです。それがDJの初舞台でした笑
※ … 6時間耐久リレー(6耐)をはじめとするユニークな競技に加え、音楽やフードなど音楽フェス的要素も盛り込んだ新しい形のイベント。東京マラソン財団が主催。
レペゼン :
いきなりの大舞台ですか!笑
DJのやり方はどこかで教わっていたんですか?
野口みずき :
いや、もう独学ですね。むしろ独学とも呼べないくらいなんですけど笑
どちらかというとセレクター(ミックスはせず選曲をしてかける)的な感じで、その場にいる皆さんの雰囲気を見ながら選曲したりしています。今はスポーツの現場以外にも、DJの人たちと一緒にやったりもしています。
レペゼン :
楽しそうですね。ヒップホップのイベントに遊びに行くこともあるんですか?
野口みずき :
はい。夫と一緒に行きます。
レペゼン :
え、旦那さんもヒップホップ好きなんですか!
野口みずき :
そうなんですよ。彼はもともとテレビ局の報道カメラマンだったんですけど、音楽もめっちゃ好きな人で。でも私とはまた趣味が全然違うんです。それも面白いですね。
レペゼン :
ということはヒップホップ以外も詳しいんですか?
野口みずき :
はい。ロックとかパンクなども好きですね。彼のおかげで、私もそういったジャンルにも趣味が広がりました。
レペゼン :
めっちゃ素敵ですね。
イチオシは’00年代を象徴する
Swiss Beatsのアンセム
レペゼン :
では、今ハマっているラップソングを1曲教えていただけますでしょうか?
野口みずき :
最近だと、Swiss beats(スウィズビーツ)の「It’s Me Snitches」です。コロコロコロみたいなトラックと、あの時代ならではのテンポが好きですね。めちゃめちゃテンションが上がります。
【 Swiss beats – It’s Me Snitches 】
レペゼン :
このトラックは本当にずっと耳に残りますよね!笑
この曲を、それこそ走っている時やトレーニングの時にも聴かれるんですか?
野口みずき :
そうですね。走っている時も聴きますし、電車の中とか移動中も聴いたりしますね。
レペゼン :
やはりこの1990年代後半〜2000年代ぐらいのヒップホップが特にお好きなんですか?
野口みずき :
大好きです。ヒップホップだけじゃなくて、この時代のロックとかもめちゃめちゃ好きなんですよ。
レペゼン :
たしかにジャンル問わず、あの時代にしかない勢いだったり空気感がありますよね。
次回は、野口さんの幼少期〜高校までの思い出に迫ります。陸上に打ち込んでいた学生時代に聴いていた思い出の1曲とは!

