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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.343の今回取り上げる表現は「trill(トゥリル)」。“true”と“real”が合体したスラングで「マジでリアル、本物」といった意味の言葉だ。今回もUSラッパーたちのリリックから「trill」の使い方をチェックしていこう!
まずは“trill”というスラングをシーンに広めたと言っても過言ではない南部テキサス州ヒューストンをレペゼンするレジェンド、 UGK (Underground Kingz)のメンバー、Bun B(バン・B)の「Trill Recognize Tril」!l
Bun B 「Trill Recognize Trill ft. Ludacris (2005)」
I’m from the land of the trill, from the home of the hard
オレはトゥリルの地からやってきた、ハードな故郷からな
バン・BはYouTubeチャンネル「HotNewHipHop」でのインタビューで、“trill”という言葉の意味について、
「“トゥリル(trill)”って、よく“true(真実)”と“real(本物)”を組み合わせた言葉だって説明されることが多いと思う。実際そういうニュアンスで使ってたんだけど、本当はもっと“生き方”みたいなものなんた。ライフスタイルの一部というか。つまり、自分自身に対して100%正直でいることなんだ。多くの人が、“トゥリルでいるにはギャングスタじゃないといけない”とか、“ハスラーでなきゃいけない”みたいに思ってるけど、それは全然違う。ただ、自分が誰なのかに正直でいるってこと。自分自身に対してリアルじゃなかったら、他の誰に対してもリアルにはなれないよ。だから、“トゥリル”っていうのは、どんな状況でも常に100%の自分でいることなんだ。」
と答えている。トゥリル、めっちゃええ言葉やん。
続いて紹介するのはそんなトゥリルなバン・Bに影響を受けたネクスト・ジェネレーション、A$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)の「Wild for the Night」!
A$AP Rocky「Wild for the Night(2013)」
You know we finna kill it, A$AP we the trillest
オレらがこれからぶちかます、A$AP、 俺らが一番トゥリルだぜ
DJ Screw(スクリュー)らが作り上げた90年代南部ヒップホップのサウンドスタイル、”chopped and screwed (チョップド&スクリュード:原曲をスロー再生することで生まれる粘っこくドープなサウンド)”に大きく影響を受け、特にデビュー・ミックステープ『Live.Love.A$AP』では、チョップド&スクリュードのテイストを取り入れるなど、サウスへのヒップホップ愛が強いエイサップ・ロッキー。この「Wild for the Night」でもサウスへのリスペクトを示して、トゥリルを使ってるってわけだね。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」Vol.343のラストを飾るのはJAY-Z(ジェイ・Z)の「Tom Ford」!
JAY-Z「Tom Ford(2013)」
Bad bitch, H-town
Keep it trill, y’all know y’all can’t fuck aroundイケてる女、Hタウン出身
トゥリルを貫く、お前らはオレたちには手出しできないぜ
ジェイ・Zが言う“H-town(Hタウン)”出身の”Bad bitch(バッド・ビッチ)”とは、妻であるビヨンセのこと。
“H-town”とはHouston(ヒューストン)を意味する言葉であり、ビヨンセはヒューストン生まれ育ちなんだ。
まさに最強にバッド・ビッチな奥さんとトゥリルを貫く夫妻は向かうところ敵なしってわけだね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。
こんなスラングも知ってる?
crunk
パーティーでみんながハイになって、活気に溢れている状態

番外編
KRS-One名言特集

icy
高価なジュエリーなどを身につけてる状態
