skill|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.235

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

skill

スキル
紹介アーティスト
Nicki Minaj, Wu-Tang Clan, Eminem
skill|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.235
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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.235。
今回取り上げる英語は「skill(スキル)」。「技術」という意味で日本語の会話でも使われている単語だよね。

今回はUSを代表する“スキルフル”なラッパーたちのリリックからリアルな「skill」の使い方をチェックしてみよう!

まず紹介するのはNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)。そのド派手な見た目からチャラい系ラッパーと思われがちの彼女だが、実はそのライミング・スキルはUSラッパーたちの中でもトップクラス。2018年リリースのアルバム「Queen」収録の「LLC」から「skill」を使ったリリックをチェキ!

Nicki Minaj「LLC(2018)」

Tryna make a new Nicki, where the factory?
They’ll never toe to toe on a track with me
There’ll never be another one after me
‘Cause the skill level still just a half of me

新しいニッキーを作ろうとしてるって?工場はどこよ?
曲の上で私とタイマン張れるやつはいないわ
私の次の奴なんて現れやしない
だって私のスキルの半分しかないんだもの

“クイーン・オブ・ヒップホップ ”と呼ぶに相応しいガチガチのバトルライム。
まず最初のラインは、ネクスト・ニッキー・ミナージュを生み出そうとしている音楽業界への一撃。ニッキーのライムスキルにタイマン(toe to toe )で勝てる奴はそういない。
大体の連中はニッキーのスキルの半分にも満たないぜって感じだね。

 

続いてはレジェンド・クルー、Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)の「Wu-Tang: 7th Chamber」からスキルフルなライミングをチェック!

Wu-Tang Clan「Wu-Tang: 7th Chamber(1993)」

From the bad lands of the Killa
Rap fanatic, representin’ with the skill that’s iller
Dare to compare, get pierced just like your ear

キラのバッド・ランドから出てきたぜ
ラップの狂信者、もっとイルなスキルをレペゼン
比べるなら、お前の耳みたく穴を開けてやるぜ

Inspectah Deck(インスペクタ・デック)のリリック。
“the bad lands of the Killa(キラのバッド・ランド)”とはインスペクタ・デックの地元であるNY・スタッテンアイランドにあるPark Hillの通称、Killa Hillのこと。
80年代から90年代にかけてニューヨークで最も危険とされた地域だ。そこから出てきたインスペクタ・デックのラップスキルは超一級品。Killa、iller(よりヤバい)、ear(耳)のライムが半端ないよね。
戦おうとする奴はまるでピアッサーで耳に穴を空けるみたいにライムの弾丸で簡単に撃ち抜いてやるぜってわけだ。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.235のラストを飾るのはEminem(エミネム)「Role Model」!

Eminem「Role Model(1999)」

So I’m dumb enough to ask for a date with Lauryn Hill
Some people only see that I’m white, ignorin’ skill

オレはマジでバカ、デートを申し込む相手はローリン・ヒル
あいつらはオレが白人ってことだけを見て、無視してるスキル                    

エミネムならでは痛烈なユーモアが光るリリック。
「オレはマジでバカ、デートを申し込む相手はローリン・ヒル」で歌われてるローリン・ヒルは1996年にアンチ白人発言をしたというニュースを流されて大問題になったことがある。のちにそれはデマだということがわかったのだけど、「ローリン・ヒルは白人嫌い」というイメージがこの時に広まってしまったんだ。エミネムはその事をネタにしてるわけだね。そしてさらにそこで踏んでくるのは「あいつらはオレが白人ってことだけを見て、無視してるスキル」のライミング。多くの人たちはエミネムが白人のラッパーという点だけに注目して、肝心の彼のスキルを見ていない。ただ実際にはエミネムはアンダーグラウンドのフリースタイルラップバトル上がりであり、USラップシーンでもトップクラスのライミングスキルを持つ男。「Lauryn Hill」,「 ignorin’ skill」で韻を踏んでくるスキルはマジで半端ないぜ。

【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。

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