今回紹介するスラング
番外編
「Hung Up On My Baby」サンプリング特集
目 次
WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.59の今回は同じサンプリング・ネタ特集。サザン・ソウルのレジェンド、Isaac Hayes(アイザック・ヘイズ)の名曲「Hung Up On My Baby」をサンプリングしたドープな3曲を紹介する。
まずはじめに紹介しておきたいのは、名曲中の名曲、たくさんのアーティストが今なおサンプリングする、Isaac Hayesの「Hung Up On My Baby」。
これぞ、至高の一曲。
ということで、この曲をサンプリングした曲をお届けしていこう!!
1曲目に紹介するのはレペゼン・フロリダ、銃購入の際に、虚偽の申告をしたとして今年5月に逮捕され、ただいまフロリダ群立刑務所に収監中のリアル・サグ、Kodak Blackの「Transportin’ 」!
①Kodak Black「Transportin’ (2017)」
Ain’t gotta wait to make no moves ‘cause I be loaded. Why you out here drinkin’ 40’s, I just tote it. Still that same nigga in a foreign, but it’s stolen. Ridin’ sporty, actin’ sporty, I can’t control it. I’m doing fraud, got that bag, yeah, I’m transportin’.
「オレなら装填済。アクションを起こしたくてうずうずしてるぜ。なんでおめぇは40飲んでんだよ?オレなら携帯してるてのに。外車に乗ってても昔と変わらねぇよ。盗まれたやつだけどな。軽快に乗りこなして、立ち振る舞う。制御不能さ。金を掠め取って、ゲットするバッグ。運んでいくぜ。」
毎年のように武器所持、ドラッグ、恐喝、強盗などで逮捕されまくっているリアル・サグなコダックならでは恐すぎるリリック。
まず彼の銃は装填済でもはや臨戦態勢。
もし君が「40’s(OLD ENGLISH モルト・リカーの40オンス。ヒップホップのMVでよくラッパーが飲んでいるビール。)」を飲んでようもんなら、「何飲んでんだよ?」と怒られてしまう。なぜってコダックが ” tote(〈武器など〉を携帯する)”しているのは同じ” 40 “でも ” 40 caliber pistol(40口径拳銃)” のこと。2016年にコダックが武器所持で逮捕された際に、所持していたとされる銃だ。すでに臨戦態勢のコダックからしたら、「酒なんて飲んでる場合じゃねぇぞ」てなわけだ。うかうかお酒も飲めねぇぜ。。。
続いては、90sレゲェのクラシック中のクラシック、Ini Kamozeの「Here Comes the Hotstepper」をチェキ!
②Ini Kamoze「Here Comes the Hotstepper(1994)」
Here comes the hotstepper (murderer). I’m the lyrical gangster (murderer). Big up di crew ina di area (murderer). Still love you like that (murderer).
「さぁホットステッパーのお出ましだ。(人殺し!)オレはリリカル・ギャングスター。(人殺し!)あの場所、あのクルーにビッグ・アップ(人殺し!)まだまだ愛してるぜ、こんな感じでさ(人殺し!)」
Ini Kamoze(アイニ・カモーゼ)はジャマイカ出身のレゲェ・ミュージシャン。
元々ジャマイカのレゲェシーンを中心に活動してきたIniの初めてのワールドワイド・ヒットとなったのがこの曲「Here Comes the Hotstepper」。「Here Comes the Hotstepper」はリリース直後の1994年12月のビルボード・ホット100で1位で獲得、ダンスホールの定番曲となったんだ。
曲のタイトルにもなっている”hotstepper(ホットステッパー)”には2つの意味があると言われていて、”スキルが高い人”と英語と西アフリカの言語がミックスされて形成されたジャマイカの言語「Patois(パトワ語)」で ” 法を犯して逃げる人”という意味があるとされているんだ。
そこから考えると、” lyrical gangster(リリカル・ギャングスター)”であるアイニは、リリックのスキルが高すぎて、既存のルールにあてはまらない。既存のルールを” murder(殺す)”してしまう、 “murderer(人殺し)”なレベルのアーティストてわけだね。それが音楽シーンにおけるスキルフルな無法者、” hotstepper “ アイニ・カモーゼてことだね。
ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.59のラストを飾るのは、テキサス州ヒューストン出身のScarfaceとWillie D、ジャマイカ・キングストン出身のBushwick Billを中心とする90sヒップホップのレジェンド・グループ、Geto Boysの「Mind Playing Tricks on Me」を紹介!
③Geto Boys「Mind Playing Tricks on Me(1991)」
Day by day it’s more impossible to cope. I feel like I’m the one that’s doin’ dope. Can’t keep a steady hand, because I’m nervous. Every Sunday morning I’m in service. Prayin’ for forgiveness. And tryin’ to find an exit out the business. I know the Lord is lookin’ at me. But yet and still it’s hard for me to feel happy.
「日に日に、もう無理だって思えてくる。ドープをやってる人間の気分さ。手の震えが止まらない。もう不安で仕方ないんだ。毎週日曜日、オレは礼拝に行く。神に許しを請う。そしてビジネスからの出口を探してる。神様がオレを見てるのはわかってる。でもまだ幸せだとは感じれないんだ。」
Geto BoysからScarfaceのドラッグ・ディーラーの気持ちを歌ったリリック。
ゲトーで生きるドラッグ・ディーラーの心の葛藤が痛いくらいに伝わってくる。スカーフェイスはテキサス州ヒューストン出身。高校を中退後、ドラッグ・ディーラーとして働いていたんだ。敬虔なクリスチャンであった彼は売人として働く中で、心を病んでしまい、精神病院に入院したことや、自殺を試みたこともあったようだ。
「Mind Playing Tricks on Me」で描かれている毎週日曜日に教会に通うドラッグ・ディーラーはまさに若かりし頃のスカーフェイス自身。そこで歌われている心の痛みや苦しみは、彼が若い時に抱いていた気持ちそのものなんだ。本来なら自分の弱い部分て人にはあまり見せたくないよね?それを隠すことなく、ラップで歌えるて最高にカッコいいでしょ。
ストリートの過酷な現実を歌い、90sヒップホップのレジェンドとされるGeto Boysなんだけど、今年6月にメンバーの1人、ラッパーのBushwick Billがガンのために亡くなるという悲しいニュースが入ってくる。メンバーであるスカーフェイスやウィリー・Dもブッシュウィック・ビルの死を悼むコメントを発表していたんだけど、それと同時にまさかの急展開が。なんとスカーフェイスが地元ヒューストンの市議会議員に立候補することを表明。それに続いてウィリー・Dもヒューストンの市議会選に出馬することを表明したんだ。昨年、Geto Boys と同じく90sヒップホップのレジェンドである、Lords of the UndergroundからMC DoItAllが地元ニュージャージー州、ニューアークの市議会議員に立候補したけど、ラッパーが政治に進出するてめっちゃかっこいいよね。
スカーフェイスとウィリー・Dが政治の世界でも活躍する日が来るのが楽しみだぜ。
RESPECT FOR ALL RAPPERS!
SEE YA!
TARO
訳は全て意訳です。(索引:Genius https://genius.com/ )
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