Polo G 特集|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.283

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.283の今回はシカゴ出身のラッパー、Polo G(ポロ・G)特集。

USヒップホップシーンにおいて今最も人気のラッパーの一人であり、タイトなライミングとメロディアスなフローを自在に操る圧倒的なラップスキルと歌唱力に加えて、自己をさらけ出した内省的なストーリーテリングとストリートのハードさが融合した抒情的なリリックで唯一無二の世界観を作り出している現行ラップシーン最注目のアーティストだ。

今回はそんな彼のキャリアのターニングポイントとなった曲を3つ取り上げて紹介するよ!

まず取り上げるのは2018年、 ポロ・Gがシーンで知られるきっかけとなった曲の一つ、「Finer Things」。  

「Finer Things (2019)​​」

Hard headed, I grew up resilient

オレは頑固だった、だから力強く育ったよ

It wasn’t no heroes, so we looked up to the villains

ヒーローがいなかったから悪党を尊敬した

For generations, bitch, my side of town been drillin’

何世代もの間、 オレ側の街はドリルし続けてる

We been at war ever since them red buildings

赤いビルが建ってからずっと戦争だったんだ

It’s hard to make peace once blood get to spillin’

一度血が流れ出したら、平和をもたらすのは難しいよな

ポロ・Gが育ったのはシカゴの中でも最も貧しく、最も危険とされた地域、カブリニ・グリーン団地。アパートの外壁が赤のレンガで作られていることが多かったので、”the Reds”と呼ばれた場所だ。
そんなゲットーでお金を持っている人といえば、ドラッグの売人やギャングのヘッドたちぐらい。
必然的にポロ・Gもそういった人々に影響され、少年時代にはギャングとして暴力やドラッグの連鎖に巻き込まれいった。この「Finer Thing」のリリックで歌われているのは、彼自身が経験したゲットーにおける負の連鎖。“For generations, bitch, my side of town been drillin’, We been at war ever since them red buildings(何世代もの間、 オレ側の街はドリル漬けだよ、赤いビルが建ってからずっと戦争だったんだ)”で出てくる“drill(ドリル)”は現在では、シカゴ発のヒップホップのスタイルを表す言葉として広く認知されているが、元々はスラングで、「敵対ギャングに報復をする、殺す」といった意味で使われていたストリートスラング。つまり”For generations, bitch, my side of town been drillin(何世代もの間、 オレ側の街はドリルし続けてる)” のリリックが意味しているのはカブリニ・グリーン団地では、何世代にも渡ってギャング同士の殺し合いが行われているということなんだ。

続いては、 Mike WiLL Made-It(マイク・ウィル・メイド・イット) がプロデュースし、Stunna 4 Vegas(スタナ・フォー・ヴェガス)やNLE Choppa(NLE チョッパー)など現在若手ヒップホップシーンを牽引するヤングスターたちがコラボした一曲、「Go Stupid(2020)」!        

「Go Stupid(2020)」

Before all of this rappin’ shit
ラッパーになる前、

I was gangbangin’ and doin’ high-speeds on the cops and shit
オレはギャングやって、警察とカーチェイスしてた

And I’m straight from the Chi,
正真正銘、Chiの出身

but I ball like a king up in Cali and shoot like Stojaković
でも今じゃカリフォルニアで王様みたく君臨して、ボールしてる
シュートの精度ならまるでストヤコヴィッチ

シカゴは全米の中でも最も殺人発生率が高い都市の一つ。一時期はイラク・アフガニスタン紛争で年間で亡くなる米兵の数よりも、シカゴで毎年殺される人の方が多いと言われていたこともあり、IraqとChicagoを組み合わせた造語、“Chiraq​​”という不名誉な呼ばれ方をすることもあったほどだ。そんな”the Chi(シカゴの愛称)”出身のポロ・Gはラップを始める前はギャングとして活動し、警察と“doin’ high-speeds(カーチェイス)”を繰り広げていた。
しかしラッパーとして成功した今は、 “I ball like a king up in Cali(カリフォルニアで王様みたく君臨して、ボールしてる)”。“ball”は「バスケをする」と「羽振り良く振る舞う」という二つの意味を持つスラング。そしてそのリリックに出てくる “ストヤコヴィッチ”とは90年代から2000年代にかけて、圧倒的なシュート精度を武器にNBAで活躍したバスケット選手、ページャ・ストヤコヴィッチのことだ。

つまりポロ・Gは、ストヤコヴィッチが3Pシュートを決めるように、次々に間違いないヒット曲を出しまくって、金を稼いで、ボール(羽振りよく振る舞う)しているってわけだね。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 、ポロ・G特集のラストを飾るのは、彼の最大のヒット曲の一つ「Rapstar」!

「Rapstar(2021)」

When they ask if I’m okay, it just make everything seem worse
大丈夫かと訊かれると、全てが悪く思えてくるんだ

Try and explain your feelings, sound like something you rehearsed
自分の気持ちを説明しようとすると、まるで練習したことのように聞こえるだろ

Stabbed me in my back with a clean smirk
整ったうすら笑いを浮かべた野郎に背後から刺されるのさ

Lookin’ so deep into your eyes, I can read your thoughts, so
君の目を深く見ると、君の考えが読めるんだ。だから、

Shut the fuck—, I mean, please don’t talk
黙れよ、もう話さないでくれって言ってるんだ

I done been through too much and I don’t need another loss
もう十分すぎるくらい経験してきたんだ、これ以上失うのは嫌なんだ

Put that on every war scar for every battle I fought
俺が戦ったすべての戦いの傷跡、一つ一つに刻みこんでくれ

ポロ・Gが自身の精神的葛藤をさらけ出したリリック。ポロ・Gはもともと、不安障害やうつ病に苦しんでいることを公言しているラッパー。常にカッコいい部分だけを見せるラッパーが多い中、これだけ自分の内面の問題をさらけ出しているラッパーはかなり少ないよね。彼自身、インタビューで自分が抱えている精神的な事柄について、音楽を通して語ることで、誰かの助けになることを願っていると語っている。まさに正真正銘のラップスターだね。

【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。

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