WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.388の今回は実に29年ぶりにして、最後の来日ツアーとなる「Wu-Tang Forever: The Final Chamber」開催記念特集の第3回、Inspectah Deck(インスペクタ・デック)編。ウータン随一のテクニカル・ラッパーであるインスペクタのリリックをチェックしていこう!
まずはウータンの1stアルバム『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』収録の「C.R.E.A.M.」!
「C.R.E.A.M.(1993)」
It’s been twenty-two long, hard years,
I’m still strugglin’
Survival got me buggin’, but I’m alive on arrival22年の長く、ハードな日々、オレはまだ戦ってるぜ
生き抜くことはオレを狂わせる
でもオレは生きて辿り着いたぜ
インスペクタが生き抜いてきたハードな人生を伺い知れるヴァース。暴力やドラッグが蔓延し、ただ普通に生活するだけでも狂ってしまうようなゲットーの環境で、ウータンの仲間と共に生きてここまで辿り着いたという一節が聴くものの心に刺さる名リリックだ。
続いてチェックするのは同じく『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』から「Wu-Tang: 7th Chamber」!
「Wu-Tang: 7th Chamber(1993)」
Murderous material made by a madman
It’s the mic wrecker, Inspectah, bad man
From the bad lands of the Killa
Rap fanatic, representin’ with the skill that’s iller
Dare to compare, get pierced just like your ear狂った男に作られた殺意の材料
それがマイク・レッカー、インスペクタ、ワルな男さ
キラのバッド・ランドから出てきたぜ
ラップの狂信者、もっとイルなスキルをレペゼン
比べるなら、お前の耳みたく穴を開けてやるぜ
インスペクタ・デックのハイスキルなラップ。まず madman(狂った男)とはインスペクタ本人のこと。そんな彼に作られたMurderous material(殺意の材料)とは彼の攻撃力の高いリリックだと捉えることができるね。そしてその強すぎるリリックはマイクを破壊するほどの攻撃力を持った、まさに“mic wrecker(マイク・レッカー)ってわけだ。
“the bad lands of the Killa(キラのバッド・ランド)”とはインスペクタ・デックの地元であるNY・スタッテンアイランドにあるPark Hillの通称、Killa Hillのこと。
80年代から90年代にかけてニューヨークで最も危険とされた地域だ。そこから出てきたインスペクタ・デックのラップスキルは超一級品。Killa、iller(よりヤバい)、ear(耳)のライムが半端ないよね。
戦おうとする奴はまるでピアッサーで耳に穴を空けるみたいにライムの弾丸で簡単に撃ち抜いてやるぜってわけだ。
ラストは彼のソロ・デビューアルバム『Uncontrolled Substance』から「Movas & Shakers」!
「Movas & Shakers(1999)」
My poems were found next to dinosaur bones
Performed by the elders before the king’s throne
This style has no origin or birth date
And scientists’ research cannot calculateオレの詩が発見されるのは恐竜の骨のそば
王座の前で年長者によって披露される
このスタイルには起源も誕生の日付もない
だから科学者たちの研究でも算出できないのさ
異次元のライミングをかます“Rebel INS”ことインスペクタ・デックの詩はもはや恐竜の骨レベルで“オールドスクール”。さらに王様の前で披露されるほど格式の高いものだ。そんな彼のラップスタイルは起源がわからないほど深淵。ラップの研究者たちもその奥深さに降参してしまうほど超絶ハイレベルってことだね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。
こんなスラングも知ってる?
heart
心、感情、気持ち

righteous
正しい




