WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.308の今回取り上げる英単語は「high-key」。
「リアルに、マジで、気分がアガってる」などの意味で使われてるスラングだ。今回も大人気USラッパーたちのリリックから「high-key」の使い方をチェックしていこう!
まず取り上げるのは、A$AP Ferg(エイサップ・ファーグ)の「Jet Lag」!
A$AP Ferg「Jet Lag(2019)」
I’m on a newer level, high-key
Still be walkin’ through your block to get a chopped cheeseオレは新しいレベル、ハイキーだぜ
いまだにお前のブロックを歩いてるぜ、チョップド・チーズをゲットするためにな
ラッパーとして売れてハイキーな状態のファーグ。しっかり稼いでまさに新しいレベルに到達してるわけだけど、いまだにフッド愛は忘れていない。地元ニューヨークの名物であるサンドイッチ、チョップド・チーズを買いに行くために君の近所のストリートを歩いてるってわけだね。
続いてチェックするのは、Gunna(ガンナ)の「today i did good」!
Gunna「today i did good(2024)」
When you rich and famous, shit never subtle, everythin’ high-key
お前が金持ちで有名なら、大体のことはたいしたことに感じないぜ、全てハイキーさ
全米で最も危険な地域の一つとされるジョージア州カレッジ・パークで生まれ、ストリートから叩き上げで成り上がってきたガンナ。USを代表するラッパーの一人として、金と地位を得た今は大体のことはたいしたことに感じない、常にハイキーな状態ってわけだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」Vol.308のラストはMick Jenkins(ミック・ジェンキンス)の「Chicago」!
Mick Jenkins「Chicago(2013)」
They rocked the uniform: white tee, 5 pocket denim
Nikes, no clocking in
But they working that nine to five
High key they don’t know better, buy trees
And go and choke like rabbit first time at the shelter, I seeみんな白Tと5ポケットのデニムで決めてた
そしてナイキさ、タイムカードはないぜ
でも今や9時-5時で働いてる
マジな話、あいつらはより良い生活を知らないのさ、ウィードを買って、
初めてシェルターに行った時のラビットみたいに窒息してんのさ
シカゴを代表するリリシスト、ミック・ジェンキンスの詩的なヴァース。
昔白Tとデニム、そしてナイキのシューズで決めて遊んでた連れたちも今や普通の9時5時の仕事をしてる。なんとなく働いて、息が詰まるような生活をしてる。それはまるでエミネム主演の映画『8 Mile』でエミネムが演じた主人公であり、工場勤務の売れないラッパー、B・ラビットのようだぜってわけ。実際に『8 Mile』の映画の中には、エミネムがラップバトルで緊張して何も言えない様子を観客がディスって「He’s chokin’(あいつ、窒息してるぜ)」というシーンがあり、そこもサンプリングしてると取れるよね。さすがミック・ジェンキンス、渋いぜ。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。