hater|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.79

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

hater

人の成功や幸せを妬んで、粗探しをして悪口を言う人
紹介アーティスト
Eminem, Kanye West, Jay-Z
hater|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.79
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WHAT’S UP,  GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.79の今回紹介する単語は「hater(ヘイター)」。「人の成功や幸せを妬んで、粗探しをして悪口を言う人」という意味だ。

みんなの周りにもいるんじゃないかな?人の粗探しばかりをしていて、本人は全く成長していない人。今回はスターであるがゆえに、ヘイター達からディスられがちなUSのラッパー達のヘイターに対するメッセージが込められたリリックをチェックしていくぜ!

まず紹介するのはEminem「Rap God」!

Eminem 「Rap God(2013)」

I’m devastating, more than ever demonstrating. How to give a motherfuckin’ audience a feeling like it’s levitating. Never fading, and I know the haters are forever waiting. For the day that they can say I fell off, they’ll be celebrating. ‘Cause I know the way to get ‘em motivated. I make elevating music, you make elevator music.
「オレなら破壊的。これまで証明されてきたよりもさらにな。マザーファッキンな観衆に与えてやる、まるで空に浮いてる感覚。決して色褪せない。へイター達がずっと待ちわびてるのは知ってる。オレが転げ落ちる日を。あいつらは祝うつもりさ。オレはあいつらのモチベーションを上げる方法を知ってる。要はオレが作ってるのは”エレベートな音楽”で、お前らが作ってるのは”エレベーター音楽”てこと。」

エム兄さん。相変わらず凄まじいライミングです。エミネムがラップゲームから消える日を心待ちにしてる彼のヘイター達。でもそんなヘイターに送るのは彼の “elavating(エレベートな、アガる)”音楽。対してヘイター達が作ってるのは“elevator (エレベーター)”で流れるような当たり障りのないBGMレベルの音楽。結局のところ、ヘイター達もエム兄さんの音楽にモチベーションを “エレベート”されてるて事。さすがRad God。ここまで言われたらヘイター達も返す言葉がないよね。

続いて紹介するのはKanye Westの名盤「My Beautiful Dark Twisted Fantasy(2010)」から「POWER」!

Kanye West 「POWER(2010)」

I’m living in that 21st Century, doing something mean to it. Do it better than anybody you ever seen do it. Screams from the haters, got a nice ring to it. I guess every superhero need his theme music.
「オレは21世紀に生きてる。意味のある事をやってる。これまでお前が見てきた誰よりも良いものを作ってる。ヘイター達からの叫び。それに良いリングをつけてやってる。どうやらスーパーヒーローにはテーマ・ソングが必要みたいだな。」

スーパーヒーロー、カニエ・ウエスト様の参上です。この「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」のリリースの前年、カニエが起こした騒動については知っている人も多いはず。

US最大の音楽賞、MTV Video Music Award(ビデオ・ミュージック・アワード)の授賞式にて、最優秀女性ビデオ賞を受賞した当時19歳のTaylor Swift(テイラー・スイフト)の受賞スピーチに割って入り、「ビヨンセのビデオは歴史上、最高のビデオの1つだった!」とシャウトして会場のみならず全世界からブーイングを浴びるという音楽賞史上稀に見る珍事を起こしてしまったのだ。当時の合衆国大統領、バラク・オバマも記者達からカニエの事を聞かれ、「He’s a jackass(あいつは大馬鹿野郎だ。)」と痛烈に批判。大統領からもお叱りを受けたカニエはこの騒動後、ハワイのオアフ島に引きこもってしまうのだけど、実はそこで制作していたのが21世紀最高のヒップホップ・アルバムの1つとされる「My Beatiful Dark Twisted Fantasy」なんだ。

「POWER」のリリックは彼のヘイターに向けてのアンサー。「なんだかんだ言われても、オレは最高にイケてる曲を作っているんだぜ。」というカニエのアーティストとしてのプライドが伝わってくるぜ。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.78のラストを飾るのはそんなカニエがプロデュースしたJay-Zのヒット曲「Izzo (H.O.V.A.) 」!

Jay-Z 「Izzo (H.O.V.A.) (2001)」

H to the Izz-O, V to the Izz-A. For sheezy, my neezy, keep my arms so breezy. Can’t leave rap alone, the game needs me. Haters want me clapped in chrome, it ain’t easy. Cops want to knock me, D.A. wants to box me in. But somehow I beat them charges like Rocky.
「H to the Izz-O, V to the Izz-A もちろんまずは、オレの仲間。そしてオレの腕を涼やかに。ラップを1人ぼっちにはできねぇな。このゲームにはオレが必要さ。ヘイター達はオレが合金の中でくたばることを願ってる。それは簡単な事じゃねぇな。サツはオレをパクりたがってる。D.A.はオレをぶち込みたいのさ。でもなんとかオレは奴らの訴えをぶち負かしてる。まるでロッキーみたいにな。」

21世紀の幕開けの年だった2001年の大ヒット曲だ。ジェイ・Zのヘイター達は彼がラップ・ゲームからいなくなることを願っているが、やっぱりラップ・ゲームには彼が必要。警察もD.A(District Attorney:地方検事)もなんとかジェイを捕まえようとしてるけど、ジェイはそんな連中もまるで映画「ロッキー」のように、打ち負かしてしまうて訳だ。さすが自らを “Hova(神)” と呼ぶ、ジェイ・Z。ヘイター達もラップ界に君臨する神、“J-Hova” には敵わないてわけだ。

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