expertise|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.289

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

expertise

専門知識、得意分野
紹介アーティスト
Kendrick Lamar, Jadakiss, E-40
expertise|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.289
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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。
Vol.289の今回取り上げる英語は「expertise(エクスパータイズ)」。「専門知識、得意分野」といった意味の単語だ。
今回は圧倒的なリリックの“expertise”を持ったラップ職人たちのリリックから単語の使い方をチェックしていこう!

まず紹介するのは現代ヒップホップシーン最高峰のラッパー、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の「DNA.」!

Kendrick Lamar「DNA.(2017)」

Born inside the beast, my expertise checked out in second grade
When I was 9, on cell, motel, we didn’t have nowhere to stay
At 29, I’ve done so well, hit cartwheel in my estate

ビーストの中に生まれた、得意分野は2年生の時にわかってた
9歳の頃は、独房みたいなモーテル暮らし、どこにも居場所なんてなかった
29歳、オレはとてもよくやった、家の中で側転してるんだからな

2010年代を代表するヒップホップアルバムの一つ「DAMN」収録の一曲。
ケンドリックが“ビースト(獣)”として表現する彼の地元コンプトンは、アメリカ国内で最も危険とされる地域。そんな場所で彼が見つけた“エクスパータイズ(専門知識、得意分野)”は、ラップ。9歳の頃は、まるで独房のようなモーテル(安宿)で暮らしていたケンドリックだけど、29歳の時には家の中で側転ができるほど大きな家に住んでいる。
それはモーテルでラップスキルを磨いてきた少年が、自分の力で手に入れた居場所なんだ。

続いて紹介するのは、ニューヨークを代表するライム職人、Jadakiss(ジェイダキス)の「Bring You Down」!

Jadakiss「Bring You Down(2004)」

Got niggas on the payroll, just to squeeze
You’re in no position to challenge my expertise

あいつらを給与支払い名簿に載せる、絞り出すぜ
お前らはオレのエクスパータイズに口出す立ち位置にいねぇだろ

自分の連れたちを仕事に就かせ、“payroll(給与支払い名簿)”に載せるジェイダキス。
自分のエクスパータイズであるラップでしっかり成り上がって、周りの連中に職を与えるジェイダキスには誰も文句を言う資格はないぜって感じだね。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.289のラストを飾るのはカリフォルニア・ベイエリアのレジェンド、E-40の「The Bay」!

E-40「The Bay(2023)」

Chasin’ checks is my expertise, I get gouda all overseas
I used to sell coca leaf, now it’s houses and notaries

小切手を追いかけるのがオレの専門分野、世界中でグーダを手に入れるぜ
昔はコカの葉っぱを売ってた、今じゃ家と公証人だぜ

E-40のエクスパータイズは“Chasin’ checks(小切手を追いかける)”、つまりお金を稼ぐこと。彼が世界中で手にする “gouda(グーダ)”とはチーズの種類のことで、cheeseはスラングでお金を意味する言葉。つまりE-40は世界のどこに行ってもお金を稼ぐってこと。そんなE-40は元々は“コカの葉(コカイン)”を売っていたわけだけど、今はラッパーとして成功して豪邸に住んでる。アメリカで家を買ったり、売ったりする時に必要なのが“notaries(公証人)”。不動産のオーナーシップを変更するための書類や手続きをサポートする職業だ。つまり昔はドラッグを売っていたE-40は、今じゃラッパーとして成功して、豪邸を売ったり買ったりしてるってわけだね。

【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。

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