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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.234。
今回取り上げる英語は「underground(アンダーグラウンド)」。すでに「アングラ」の略称で日本でも広く使われている英語だよね。意味としては「世間に触れない、半権威主義的な」といった感じで音楽やエンタメの世界でメジャーシーンに対抗する言葉として使われているよね。
今回はUSを代表するラッパーたちのリリックからリアルな「underground」の使い方をチェックしてみよう!まず紹介するのはN.W.A(エヌ・ダブリュー・エー)のクラシック「Fuck tha Police」!
N.W.A「Fuck tha Police(1988)」
Fuck the police comin’ straight from the underground
警察なんてクソくらえ、アンダーグラウンドからやってきたぜ
警察の暴力や人種差別に対して真っ向から反旗を翻した一曲「Fuck tha Police」。
アイス・キューブがラップするこの1stヴァースの歌い出しはヒップホップの歴史に残るパンチライン。LAのアングラシーンで結成されたN.W.Aが強大な公権力である警察に堂々と喧嘩を売るリリックは多くのマイノリティの人々を勇気づけたんだ。
続いて紹介するのは、Eric B. & Rakim(エリック・B & ラキム)の「Don’t Sweat the Technique」!
Eric B. & Rakim「Don’t Sweat the Technique(1992)」
And I still make hits with beats
Parties, clubs, in the cars and jeeps
My underground sound vibrates the streetsオレはいまだにビートに乗せてヒットを量産
パーティー、クラブ、車にジープ
オレのアンダーグラウンドの音がストリートを震わせる
か、かっけー!!さすがUSヒップホップ・シーン随一のリリシスト、ラキム。
エリック・Bの作り出す硬派なビートに乗せてラキムが放つヒット曲はパーティーやクラブ、車などストリートの全ての場所を“vibrates(震わす)”わけだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.233のラストを飾るのは50 Cent(50セント)の「Many Men(Wish Death)」!
50 Cent「Many Men (Wish Death)(2003)」
I’m the diamond in the dirt that ain’t been found
I’m the underground king and I ain’t been crownedオレは泥の中のダイヤモンド、まだ見つかってないのさ
オレはアンダーグラウンドの王、まだ戴冠してないのさ
ニューヨークのアンダーグラウンドで、ドラッグの売人として暮らしていた50セント。
ラッパーになって売人としての生活を抜け出そうとした矢先、敵対するギャングから9発の銃弾を浴び、瀕死の重傷を負うことに。そんな彼をまさに“dirt(泥)”の中から見出し、メジャーデビューさせたのが、誰であろう、エミネムだ。エミネムとドクター・ドレーのプロデュースにより蘇ったアンダーグラウンドの王はこの曲が収録されているメジャー・デビューアルバム「Get Rich or Die Tryin’ (成り上がるか、死ぬか)」が2003年に最も売れたアルバムとなり、グラミー賞のベスト・ラップ・アルバムにノミネート、アメリカン・ミュージック・アワードの「Favorite Rap / Hip-Hop Album 」賞を獲得するなどし、リアルに売れっ子ラッパーという王冠を戴冠したんだ。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。