パンチラインで観る映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』|ストリートヘッズのバイブル Vol.33

貯金ゼロから億万長者になった証券マンの破天荒な成り上がりストーリー。

ライター:Lee

みんな文化ディグってる?
「ストリートヘッズのバイブル」ではヒップホップ好きにオススメの映画を、作中に登場するセリフを通して紹介していくよ!

今回取り上げるのは、実話を基にした作品『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。
ウォール街に実在した「ウルフ」と呼ばれた証券マン、ジョーダン・ベルフォード(レオナルド・ディカプリオ)の破天荒な人生を描いた映画だ。
貯金ゼロから億万長者へと成り上がり、金と女とドラッグとすべてを手に入れた男の、人生の絶頂から転落までを描いている。

そんな『ウルフ・オブ・ウォールストリート』から、パンチの効いたセリフを紹介していくよ!

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』ってどんな映画?

貧しい生活を送っていたジョーダンは、ウォール街の証券マンとして、巧みなセールストークでどんどんのし上がっていく。さらに立ち上げた会社も大成功。底辺株を売りつけ、違法取引で荒稼ぎし、年収49億円の億万長者に。

稼いだ分だけドラッグやセックスに明け暮れ、乱痴気騒ぎの毎日を送るが、そんな生活が長く続くことはなく…。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の名言

①「そのナプキンに名前を書け」

小さな証券会社で荒稼ぎした後に、自分で会社を立ち上げることにしたジョーダン(レオナルド・ディカプリオ)。

営業マンが必要だと、友人たちを招いた食事会に集まったのは、オッター、チェスター、ロビー、ブラッド。みんなマリファナの売人なのだが、その中でも特にジョーダンが営業として欲しがったのは「何でも売る」ことで有名なブラッドだった。

腕試しだとばかりに、このペンを俺に売ってみろと、彼に自分のペンを差し出すジョーダン。ブラッドが考える素振りも見せずに、即答した名言がこちら。

Write your name down on that napkin for me.

そのナプキンに名前を書け

シンプルだけど、威力抜群!
ペンがなければ名前を書くことができないから、おのずとペンを求めることになる。事もなさげにペンを求める必然性を作り出したブラッドに、ジョーダンも拍手喝采だ。

どんなに平凡なペンでも、必然性さえ作れれば売りつけることができる。これは、紙切れ同然の株式を客に売りつけるためには必須の能力だ。

仲間が増えたことで、金持ち相手にも株を売りつけるようになったジョーダンの会社は、瞬く間に大きくなっていく。

②「この電話に命を吹き込むのは君らだ」

掃いて捨てるほどのお金を手に入れ、ドラッグとセックスに溺れる日々を送っていたジョーダンだが、仕事に傾ける情熱は本物であり、社員たちからはカリスマとして尊敬されていた。

ついに会社が上場する日、ジョーダンは社員の前でスピーチを行うことに。そこで社員たちを鼓舞するように喋った名言がこちら。

I’m gonna let you in on a little secret about these telephones.

They’re not gonna dial themselves.

Okay?

Without you, they’re just worthless hunks of plastic.

Like a loaded M16 without a trained Marine to pull the trigger.

And in the case of the telephone,

it’s up to each and every one of you,

 

電話の秘密教えよう

自分ではダイヤルできない

君らが使わないとただのプラスチックの箱だ

引き金を引く兵隊のいないM16銃と同じだ

この電話に命を吹き込むのは君らだ

これはやる気スイッチをめちゃくちゃ押されるよね。
社員たちの目にも、闘志が宿っていた。

営業電話をかけて、客が電話を切ろうとするのは、単純に営業マンを信用していないからだと、セールストークマニュアルで説いていたジョーダン。

彼のスピーチには、この人についていけば間違いないと思わせるような力がある。そのトーク力で次々と客の信用を得たからこそ、ジョーダンはここまでのし上がってくることができたんだ。

③「ここはチャンスの地、アメリカそのものだ」

いろんな悪事を暴かれ、会社を守るために退任に追い込まれたジョーダンだが、退任のあいさつでも、いつものジョーダン節は健在だった。

かつてヨーロッパからの移民にとってアメリカが“Land of opportunity(チャンスの国)”だった事を引き合いに出しながら紡いだ名言がこちら。

this right here is the land of opportunity.

Stratton Oakmont is America!

ここはチャンスの地

アメリカそのものだ

間違いなくジョーダンの成功はアメリカンドリームそのものだった。お金の稼ぎ方は決して褒められるものではないけど、彼の会社に入社した社員たちは、お金を手に入れることで、苦しい生活から抜け出した者も多い。それは創業者であるジョーダンも同じだ。

退任のあいさつのはずだったが、ジョーダンは代表として残ることを宣言。自分で立ち上げた会社と、最後まで添い遂げることを決める。

ハチャメチャの度を越しているジョーダンだが、なぜか憎めない。それはお金を稼ぐという信念だけは、絶対にブレなかったからなのかも。

このとんでもない男の人生を、映画を通して最後まで見届けてほしい。

 

画像出典元:パラマウント・ピクチャーズ

配信先:Netflix