ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のお気に入りの曲を毎月紹介していく「あの人も実はヒップホップ」。ヒップホップカルチャーを愛し、自分のやりたい事と仕事を両立する。そんなアツいHIPHOP PEOPLEにインタビューしていく企画です。
今月は畳職人であり、ラッパー、MC TATAMIとしても活動する德田直弘 (とくだ・なおひろ)さんに4回に渡って「畳作りの時に聴くラップソング」、「ハマってるラップソング」などについて聞いていきます。第3回目の今回は「和室に合うラップソング」について話して頂きました。
サウナに入って、畳の上で寝るのが最上級のチル
レペゼン:
畳を置く場所といえば、やはり和室だと思うのですが、和室の雰囲気に合うラップ曲ってありますか?
徳田直弘 :
これはMC TATAMIの曲で恐縮なんですけど、「畳の上でPARTY」という曲です。
レペゼン:
アップテンポな曲でめっちゃ良いですね!
徳田直弘 :
ありがとうゴザいます。
自分は畳の上で何でもできると思ってて。
リラックスすることもできるし、パーティーすることもできると思ってるんです。
レペゼン:
実際に、畳の上でパーティーをされたことはあるんですか?
徳田直弘 :
実際はパーティーまではないのですが、無印良品さんと畳を使った企画を進めていて。無印良品さんの福岡の店舗で、畳の上でお茶やコーヒーを飲むとか、書道体験やヨガをする企画を考えているところです。
レペゼン:
良いですね。
畳の上にDJの機材を置いて、クラブパーティーみたいなこともできそうですよね。
徳田直弘 :
そうですね。何でも合うと思います。
最近流行ってるサウナとかだと、整った後に畳の上で寝るとか。
匂いも良いので、めっちゃリラックスできると思います。
レペゼン:
最高です!
徳田直弘 :
それが日本のチルの最上級だと思ってます笑
畳作りとビートメイクの意外な共通点
レペゼン:
改めて、畳職人のお仕事について教えていただけますか?
徳田直弘 :
畳職人の仕事は主に3種類あります。
畳を土台から作り直す「新調」、お客さんのところから畳を工場へ持って帰ってきて、畳の縁(へり)の部分とゴザの部分だけを新しいものに変える「表替え」、
現在使われている畳の表をひっくり返して、新しい縁で縫う「裏返し」です。
【お店の前でご両親と】
レペゼン:
畳のゴザも一から作るんですか?
徳田直弘 :
僕たちはゴザは作らないですね。
実はその部分って、い草農家の仕事なんですよ。
畳業界は分業制で、い草農家がい草を育てて、表面のゴザまでを作るんです。
レペゼン:
そーなんですね!
徳田直弘 :
ゴザが出来上がったら、農家さんがそのゴザを市場に持っていって。
レペゼン:
畳の市場があるんですね。全然知らなかったです。
徳田直弘 :
専門市場で、魚の市みたいなものです。
そこで材料問屋さんがゴザを買い付けて、畳屋に売るっていう流れですね。
畳材料それぞれに専門のメーカーがいます。例えば、畳縁(たたみべり:畳の端の布生地)だけを売るメーカーさんもいらっしゃいます。
レペゼン:
畳職人さんはそれを一つにするってことですか?
徳田直弘 :
そうですね。
材料を材料問屋さんから調達して、お客様の畳を張り替えるのが僕らの仕事です。
レペゼン:
畳職人としてのモノ作りと、音楽におけるモノ作りでリンクする部分とかってありますか?
徳田直弘 :
どちらも細かな作業の積み重ねが多いところですかね。音作りって細かなリズムを合わせるとか、ドラムを打ち込みで入れるとか、めちゃくちゃ細かいじゃないですか。ドラムを一つずらすだけで曲の雰囲気がガラッと変わる時もありますし。
レペゼン:
確かにめっちゃ細かいですよね。
徳田直弘 :
畳の場合も、寸法が一分(いちぶ:3.03ミリ)マイナスになれば、和室の畳と壁の隙間が空いちゃうんです。逆にプラスになれば畳が入らないこともありますし。そういった細かな作業が多いところは、結構リンクするところだと思いますね。
畳屋ラッパー、徳田さんが思う『和室に合うラップ』はMC TATAMI「畳の上でPARTY」。次回は徳田さんが初めて触れたラップソングとこれからの畳業界について聞いていくよ!お楽しみに!