@渋谷
分厚い壁に囲まれた小さな箱の中では、子供の身長ほどもある大きなスピーカーから流れる振動が空気を伝わって、ひしめきあう客達の鼓膜と体を揺らしている。音の振動が観客にぶつかって増幅され、上から眺めるダンスフロアはいつにも増して波立って見えた。
自分のセットを終えたDJのSHUNSUKEはとMCのBULLと裏の喫煙所で一服をしていた。お互いに燻らすのはマールボロ・ゴールドだ。金マルの煙に乗せて話題は食事から、サウナまで広がる。
仕事終わりの安堵感と心地良い疲れをまとった身体に一服を注ぎ入れながら、仲間との会話を楽しむ。
日々さまざまな現場を行き来するDJやMCにとって一息つける大切な時間だ。