WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.193で取り上げる単語は「buggin(バギン)」
「狂気的な行動をする」という意味のスラングだ。早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!
まず紹介するのはNas「Take It in Blood」!
Nas「Take It in Blood(1996)」
I dolo, challenge any team or solo You must be buggin’ out, new to my shit, home on a furlough
オレはドロでいくぜ、どんなチームやソロ相手でもやってやるよ お前はバギンアウトしてるだけ、仮出所でオレのシットについてこれてないのさ
“dolo”は90年代のNY・クイーンズブリッジで使われていたスラングで、 「自分でやる、一人でやる」といった意味のスラング。つまりナズは敵が一人でも複数でも勝負してやるぜて言ってるわけだね。そしてナズのことをディスってくるやつは刑務所でおかしくなって、ナズの作品についていけてないだけて感じだね。
続いてはA$AP Ferg(エイサップ・ファーグ)の「Plain Jane」をチェック。
A$AP Ferg「Plain Jane(2017)」
Uncle Psycho was in that bathroom buggin’! Knife to his guts, hope Daddy don’t cut him
サイコおじさんはバスルームでバギン 腹に突き立てるナイフ、親父が彼を切らないことを願ってた
ファーグが小さい頃のハードな体験を歌った一曲。 ヒップホップ情報サイト「Hot New Hip Hop」でのファーグのインタビューによると、彼のおじさん“オール・ダーティ・バスタード”のような人だったそうで、常にビールを飲み、迷彩の服を着て、ナイフを持ち歩いていたとこのこと。かなり破茶滅茶な人だったらしいんだけど、ファーグはおじさんのワイルドな部分を尊敬してたんだって。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.193のラストは、Wu-Tang Clanの「C.R.E.A.M.」からInspectah Deck(インスペクタ・デック)のリリックをチェキ!
Wu-Tang Clan「C.R.E.A.M.」
It’s been twenty-two long, hard years, I’m still strugglin’ Survival got me buggin’, but I’m alive on arrival
22年の長く、ハードな日々、オレはまだ戦ってるぜ 生き抜くことはオレを狂わせる、でもオレは生きて辿り着いたぜ
彼が生き抜いてきたハードな人生を伺い知れるヴァース。暴力やドラッグが蔓延し、ただ普通に生活するだけでも狂ってしまうようなゲットーの環境で、ウータンの仲間と共に生きてここまで辿り着いたという一節が聴くものの心に刺さる名リリックだ。