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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.337の今回取り上げる表現は「Wildin(ワイルディン)」「ヤンチャにいく、ワイルドにいく」という意味のスラングだ。今回もUSラップのリリックからスラングの使われ方を学んでいこう!
まずはニューヨークをレペゼンするラッパー、Fabolous(ファボラス)とChris Brown(クリス・ブラウン)がコラボした「She Wildin’」!
Fabolous「She Wildin’ ft.Chris Brown(2014)」
she wildin’, wildin’, she do her thang, thang
彼女はワイルドに行くぜ、ワイルドに、自分のやり方をかましてるぜ
2001年のデビューシングル「Can’t Deny It」がヒットし、一躍2000年代ラップシーンのスターとなったファボラス。クールなフローデリバリーと、硬いライミングでヘッズの心をがっつり掴んだファボラスはその後1stアルバム『Ghetto Fabolous(2001)』で、ビルボード200で4位を獲得、さらに2003年の2ndアルバム『Street Dreams(2003)』からは収録曲の「Can’t Let You Go」、「Into You」などが軒並み大ヒット。2000年代のシーンを席巻していったんだ。
この「She Wildin’」でフィーチャリングしてるクリス・ブラウンの少年時代はまさにファボラスがシーンを席巻していた時代であり、クリスからすれば憧れのスーパースターだったファボラスと大人になってアーティストとしてコラボできたって感じだよね。
続いてはNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の「Beez In The Trap」!
Nicki Minaj「Beez In The Trap(2012)」
It’s Queens, Brooklyn, and yeah, they wildin’
Bronx, Harlem, and Staten Islandクイーンズ、ブルックリン、あいつらはワイルドにかましてるわ
ブロンクス、ハーレム、スタッテン・アイランド
クイーンズ育ちのニッキー・ミナージュ。自分の地元の人々が“wildin’(ヤンチャ、イケイケ)であることをラップしながら、ヒップホップの聖地であるブロンクスやハーレムなど、ニューヨークの地域の名前をドロップしてるリリックだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.337のラストを飾るのは、Pop Smoke(ポップ・スモーク)の「Dior」!
Pop Smoke「Dior(2019)」
Pop Smoke, they know I’m wildin’
ポップ・スモーク、オレがワイルディンってのはみんな知ってるよな
ブルックリン・ドリル・シーンの最大のスターだったポップ・スモーク。
まさに“wildin”なアティチュードと音楽で怒涛の勢いでシーンを席巻したラッパーだ。
「Dior」はそんな彼の代表曲の一つ。UKのプロデューサー、808Meloのリヴァースされた不気味なヴァイオリンの音が繰り返すダークなサウンドに、ポップ・スモークの低音ヴォイスが乗ったドープすぎる一曲だ。
本当に残念なことに2020年に強盗によって殺害されてしまったポップ・スモークだけど、彼のドープでワイルディンな音楽は、間違いなくヒップホップファンの間でこれからもクラシックとして聴きつがれていくものだよね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。
こんなスラングも知ってる?
wildin
ヤンチャな感じ、イケイケ、ワイルドにいく

hyped
ぶち上がっている

番外編
2000年代名盤特集「Lil Wayne - Tha Carter III」
