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2021.3.4 Thu

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ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.135〜UK注目アーティスト特集〜

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

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ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.135の今回はUK注目アーティスト特集。

まず紹介するのは、ネクスト・ポップ・アイコンの呼び声高いGRIFF(グリフ)。
ロンドン北西部の街キングス・ラングリーで、ジャマイカ人の父と中国人の母の元に生まれた現在20歳のグリフは、8歳の頃から自作の音楽を制作していたという天才肌のアーティスト。彼女が脚光を浴びることになったのが、2019年にリリースしたデビュー・シングル「Mirror Talk」。ポエティックな歌詞とパワフルな歌声で一躍UK音楽シーンの注目を集めることになったんだ。そんなグリフの楽曲から今回紹介するのは昨年末にリリースされたロシア出身の世界的プロデューサー、Zedd(ゼッド)とのコラボ曲「Inside Out」!

Griff & Zedd「Inside Out (2020)」

I’m gonna love you, love you inside out
Nothing you say is gonna scare me now
Still gonna love you, love you inside out

「あなたを愛するわ。あなたの全てを。
 あなたが言うこと。私を怯えさせるものは何もない。
 愛し続けるわ。あなたの全てをね。」

Zeddのキャッチーかつエモいダンスビートにグリフの美しい歌声が乗った最高に気持ちいい1曲。グリフは英国作曲家協会が主催するソングライター・作家のための賞「アイヴァー・ノヴェロ賞」で新人賞にノミネートされるなどUKでの評価もうなぎのぼり。
最新曲「Love Is A Compass」はディズニーのクリスマス・キャンペーンにも使用されているよ。

続いて紹介するのは、今UKで最も注目を集めるフィメール・ラッパー、Bree Runway(ブリー・ランウェイ)。Missy Elliot(ミッシー・エリオット)とコラボした「ATM」をチェキ!

Bree Runway「ATM(2021)」

Met a guy from England
He was flying first class, straight to Japan
Said he wanna take me real higher
But I know he really only want my vagina

「イングランドから来た男に会った。
 彼はファーストクラスに乗って、直行で日本に行く。
 私をより高みに連れていきたいんだって。
 でも知ってるの。彼は私のヴァギナが欲しいだけてことを。」

ミッシーと対等に張り合うドープなラップをかますブリー・ランウェイは元々アフリカのガーナ生まれ。幼い時にガーナからイギリスに移住し、当時ロンドンで最も犯罪発生率が高いとされたHackney(ハックニー)地区の“Murder Mile(殺人マイル)”と呼ばれた地域に住み始める。ハックニーでブリーは小学校に通い始めるのだけど、そこで待ち受けていたのは、他のアフリカ系の生徒からのいじめ。ブリーの肌の色が他のアフリカ系の生徒よりも黒かったことで、肌の色が明るい生徒から激しいいじめを受けたんだ。

自分の肌の色が原因のいじめで深く傷ついたブリーは、ある日、彼女の叔母さんが持っていた漂白クリームをこっそり使い“肌の漂白”をしようと試みる。

肌の漂白とは薬品を使って皮膚に含まれるメラニン色素を減らすことで、元々持っている肌の色を白に近づける行為のこと。一部のアフリカの国では、市販の漂白クリームを使って肌を白くするということが広く行われているんだ。ただ実はこの漂白のために使うクリームには水銀などの有害な化学物質が含まれていることもあり、安易に行うのは非常に危険な行為。使用することで発疹やケロイド、腎障害、末梢神経の障害などを引き起こしたり、また安全とされているものでも、使用の仕方によっては肌のトラブルにつながる場合もある。

ブリーの場合はクリームを塗った時は日光を浴びてはいけないということを知らなかったために、肌の一部がケロイドのようになってしまったんだ。

その後彼女は病院で診察を受け、肌の症状は改善。学校でのいじめを乗り越えて、イギリス屈指の名門校、ウェストミンスター大学に進学する。大学では商業音楽パフォーマンスを専攻し、本格的に音楽の道に進んでいったんだ。いじめや差別といったつらい経験を乗り越えてきたこその力強いラップとアティチュードを感じるアーティストだ。

「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 UK注目アーティスト特集のラストを飾るのはウェスト・ミッドランズ州コヴェントリーをレペゼンするラッパーのPa Salieu(パ・サリュ)。イギリスの公共放送BBCが音楽業界の関係者の意見をもとに毎年発表している注目アーティストのランキングである「Sound Of 」で、2021年度の1位に輝いた今年間違いなく要チェックのラッパーだ。チェックするのは昨年リリースの「Frontline」!

Pa Salieu 「Frontline(2020)」

How many bandos did I run through
Gambian brudda, Mr K Kunte
Follow my rules, still I rise and take
Graveyard shifts of the day and night
Just my food that these fiends wan take
For my money I make the ground elevate

「オレがどれだけのバンドーを駆け抜けてきたと思う?
 ガンビアのブラザー、ミスター・K・クンタ。
 オレのルールに従え。いまだに上がって掴みとってる。
 絶えずグレイブヤードシフト。
 中毒者たちが欲しがるフード。
 金のため。オレは立ち位置を上昇させてるのさ。」

コヴェントリーのリアルギャングスタ・ライフを歌ったサリュのヒット曲。bando(バンドー)とは”abandoned house(アバンドンド・ハウス:空き家)の略で、「ドラッグを精製したり、取引する場所」という意味。“Gambian brudda, Mr K Kunte(ガンビアのブラザー、ミスター・K・クンタ)”とは70年代に放映された黒人奴隷制をテーマにしたテレビドラマ「Roots」の主人公であるクンタ・キンテのこと。「Roots」は主人公のガンビア人、クンタ・キンテが奴隷としてアメリカに連れてこられ、想像を絶する困難を経験しながらも力強く生きていくストーリーを描いたドラマだ。実はサリュ自身もガンビア出身の移民であり、コヴェントリーでのタフなギャングスタライフを生き抜く自分とクンタ・キンテを重ねている感じだね。そして“graveyard shifts(グレイブヤードシフト)”とは深夜勤務のこと。Graveyardは「墓地」の意味で、夜のお墓の暗くて寂しい雰囲気と深夜勤務のイメージが繋がることから1800年代後半のアメリカで使われ始めた言葉だ。ギャングスタであるサリュは人々が寝静まった夜中に仕事をするということだね。そして彼が捌くのは “中毒者たちが欲しがるフード” 。つまりドラッグだ。金を稼いで、自分の立ち位置を向上させてるてわけだ。ドープな声質とフローにストリートのリアルを多様な引用を用いながらリリカルにラップするサリュ。今後の動向から目が離せないぜ。

RESPECT FOR ALL RAPPERS!
SEE YA!

TARO

訳は全て意訳です。(索引:Genius https://genius.com/ )

日本のストリートレペゼンしよう。

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