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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.215。今回取り上げる単語は「mess(メス)」。
「〜を汚くする、めちゃくちゃにする」という意味の単語だ。
早速USラップでの「mess」の使われ方をチェックしてみよう!
まずチェックするのはクリスチャン系ラップグループ、indie tribe. (インディー・トライブ)の「CECE」!
indie tribe.「CECE(2022)」
Billboard, can’t you see me?
I never mess with no Drake like Ririビルボード、見えるか?
オレはリリみたくドレイクとは揉めないぜ
indie tribe. からメンバーのJon Keith(ジョン・キース)のリリック。“Riri(リリ)”とはR&BシンガーのRihanna(リアーナ)のこと。現在A$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)と交際中で、先日男の子を出産したばかりのリアーナだけど、ロッキーの前にドレイクと付き合っていたことは有名な話。特に当時はドレイクの方がリアーナに首ったけだったんだ。別れたり、ヨリを戻したり、ゴタゴタだったドレイクとリアーナと自分を比較して、オレは女の子とは揉めないぜって言ってる感じだね。
続いて紹介するのはTravis Scott(トラビス・スコット)の「YOSEMITE ft. Gunna & NAV」!
Yves Saint Laurent on my pants and my chest (Drip)
Chanel, her dress, clean up her mess
I eat her flesh, you know the restパンツと胸にはイヴ・サンローラン
シャネル、彼女のドレス、彼女が散らかしたものを綺麗にする
彼女の肉を食うぜ あとはわかるだろ
「YOSEMITE」からGunna(ガンナ)のリリック。自分はイヴ・サンローランを身につけ、彼女にはシャネルを着せるガンナ。彼女が脱ぎ散らかしたドレスを綺麗にした後はお楽しみって感じだね。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.215のラストを飾るのは、Kanye West (カニエ・ウェスト)の「Gold Digger」!
Kanye West「Gold Digger(2005)」
Now, I ain’t sayin’ she a gold digger
But she ain’t messin’ with no broke niggasまぁ、彼女をゴールド・ディガーとは言わないぜ。
でも彼女は文無しの連中にはちょっかいを出さないぜ。
Ray Charles(レイ・チャールズ)の「I’ve Got a Woman 」をサンプリングしたカニエの初期の代表曲。カニエが歌うのは、“ gold digger(男をお金で選ぶ女の子)”のこと。
“But she ain’t messin’ with no broke niggas(でも彼女は文無しの連中にはちょっかいを出さないぜ。”の部分で使われてる“mess with”は「取引をする、だます、性的関係を持つ」といった意味を持つ熟語。つまりカニエが話している女の子は、“ gold digger(男をお金で選ぶ女の子)”とまではいかないけど、結局お金で人を選んでいるってわけだね。