WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.244。今回取り上げる英語は「gas(ガス)」。通常は「(料理や暖房用の)ガス」という意味なのだけど、スラングでは「〜を喜ばせる」という意味で使われるんだ。今回USを代表するシンガーやラッパーのリリックから「gas」におスラング的な使い方をチェックしていこう!
まず取り上げるのはR&Bシンガー、H.E.R.(ハー)のメロウな一曲「Slide」!
H.E.R.「Slide(2019)」
All he wanna do is gas me
How we end up in the backseat?彼がしたいのは、私を喜ばせることだけ
私たちが後部座席に行きついちゃう訳よね
パートナーとイチャつく様子を歌ったロマンティックなリリック。H.E.R.の彼氏はとにかく彼女を“gas(喜ばせる)”ことをしたがってる。その結果、結局車の後部座席でイチャつくことになっちゃうってわけだ。USの恋愛ドラマで見るようなザ・アメリカンなラブロマンスだぜ。
続いて紹介するのは2000年代のR&Bシーンを席巻したNe-Yo(ニーヨ)の「I Ain’t Gotta Tell You」
Ne-Yo「I Ain’t Gotta Tell You(2008)」
Don’t wanna gas you up
But it ain’t like I can just pass you up君をおだてる気はないんだけど
でもだからって君を逃すわけには行かないよ
ニーヨの爽やかな歌声が最高に気持ち良い一曲。
“Don’t wanna gas you up(君をおだてる気はない)”で使われている「gas 〜 up 」で「〜をおだてる」といった意味。「gas」だけだと「喜ばせる」だけど、「gas up」になるとより「持ち上げる」感が出るって感じだね。
ニーヨは意中の女の子に対して安っぽいお世辞は言いたくない。でもだからといって逃したくはないという気持ちもある。男のプライドと恋心の狭間で揺れ動く気持ちを歌ったリリックだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.244のラストを飾るのは、Mary J. Blige(メアリー・ジェイ・ブライジ)の「What’s the 411?」
Mary J. Blige「What’s the 411?(1992)」
I don’t have no time for no ‘Wam-bam-thank-you-ma’am’
Gas me up, get me drunk and hit the skins and scramヤリたいだけのセックスのための時間はないの
おだててみな、酔わせてみな、そしてさっさとヤって、出ていきな
メアリー・ジェイ・ブライジのイケイケのリリック。
”’Wam-bam-thank-you-ma’am’”は「男性本位の身勝手な、ささっと済ませるセックス」
のこと。つまりメアリー・ジェイ・ブライジは女性の気持ちを考えないヤリたいだけの身勝手な男性に対して、私とヤレるものなら、ヤってみなと挑発してるわけだね。
【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。