1990年リリースの東海岸ラップソング・BEST3|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.264

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

紹介アーティスト
A Tribe Called Quest, Gang Starr, LL COOL J
1990年リリースの東海岸ラップソング・BEST3|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.264
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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.264の今回は1990年リリース特集・東海岸編。1990年にリリースされた楽曲を東海岸と西海岸に分け、その年のベスト曲をリリックと合わせてTAROが独断と偏見で選んで紹介するよ。

まず今回は1990年の東海岸のリリース曲の中から3曲をピックアップ!

一曲目はやはりこちら、A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)のファーストアルバムにして屈指の名盤「People’s Instinctive Travels and the Paths of Rhythm」収録の「Can I Kick It?」からQ-Tipのパートをチェキ!                      

A Tribe Called Quest「Can I Kick It?(1990)」

Rock and roll to the beat of the funk fuzz
Wipe your feet really good on the rhythm rug
If you feel the urge to freak, do the jitterbug
Come and spread your arms if you really need a hug

ファンクのファジーなビートに合わせてロックンロールしよう
リズムの敷物で足をしっかり拭こう
弾けたくなったら、ジッターバグをしようぜ
本当にハグが必要な時はさ、腕を広げてこっちに来いよ

De La SoulらNative Tongueの流れを踏襲した前向きで陽気な音楽性に、抽象的ながらも伝わりやすさを意識した語彙と文章表現、そして時折見せるユーモアと知識で、大衆性とブラックミュージックが本来持つ深淵さを絶妙なバランスで調和させたトライブ。

「Can I Kick It?」のリリックでは、80年代に主流だったいわゆる“boastful(自慢する)” な方向性とは距離を置き、純粋に音楽やカルチャーを楽しむことに焦点を置いたポジティヴなメッセージが遊び心溢れる語彙によって表現されている。

文末のライミングの単語も、“funk fuzz(ファンクのファジーな音)”、“rhythm rug(リズムの敷物)”、 “jitterbug(1930〜40年代に流行したダンス)”、 “hug(抱擁)”といった形で音楽的なワードと知識を絡めつつ、最後は抱擁して、楽しんで行こうというライミングになっているね。

また全体を通して“cursing” や“swearing”と呼ばれる激しい罵り言葉や侮辱語がなく、どのシチュエーションで流しても、老若男女が楽しく聴ける音楽になっているんだ。

続いてはスパイク・リー監督の『Mo’ Better Blues​​』の挿入歌としても知られるGang Starr(ギャング・スター)「Jazz Thing」!

Gang Starr「Jazz Thing(1990)」

Its roots are in the sounds of the African
Or should I say the mother, bringin’ us back again
From the drummin’ on the Congo
We came with a strong flow and continue to grow

ルーツはアフリカの音
お母さんが、再び連れ戻してくれたとでも言うべきかな
ドラム鳴り響く、コンゴ川から
オレたちは力強いフローと共にやってきた、成長し続けるのさ

DJプレミアが手掛けるトラックもさることながら、冒頭のグールーの入りも秀逸。
スパイク・リー監督本人からもリリックの中でジャズのルーツに言及するようにという指示があったとされる本曲は、グールーのアフリカン・アメリカンとして、そしてジャズを愛するアーティストとしての思いが込められたものになっている。

自分たちのルーツであるアフリカの情景に想いを馳せながら、グールーが歌うのは母なる大地アフリカ大陸を潤す大河、コンゴ川。かつて先祖がドラムを打ち鳴らしたその川岸から彼らは力強い“flow(流れ)”を持ってアメリカにやってきた。だからこそどんな苦難に見舞われても“grow(成長)”し続けるんだ。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.264のラストを飾るのは、LL COOL Jの「Around the Way Girl」!

LL COOL J「Around the Way Girl(1990)」

You’re sweet like sugar with your gangster talk
Want to eat you like a cookie when I see you walk
With your rayon, silk or maybe even denim
It really doesn’t matter as long as you’re in ‘em

ギャンスタな話し方をする君は砂糖みたいにスイート
君が歩いてるのを見ると、クッキーみたいに食べちゃいたくなる
レーヨン、シルク、もしかしてデニム?
なんだって関係ないね、君が着ているのなら

Ladies Love Cool Jamesこと元祖モテラッパー、LL COOL Jのヒット・チューン。
Marley Marl(マーリー・マール)がプロデュースし、The Honey Drippers (ハニー・ディッパーズ)の「Impeach The President」やMary Jane Girls(メリー・ジェーン・ガールズ)の「All Night Long」など70〜80年代の名曲がサンプリングされていたメロウで聴き心地の良いトラックに乗せるLLのリリックがまたセクシー。

LLが夢中になっているのは、ちょっと悪そうな喋り方の女の子。でもまるで“sugar(砂糖)”みたいに可愛らしいから、クッキーみたい食べちゃいたくなるくらい。そんな彼女はどんな服を着ていても素敵だねってわけだ。

表現も可愛らしいし、何より女性に対するリスペクトが溢れているリリック。

bitchやhoeなど女性への蔑称が使われることが多いラップリリックだけど、こんな可愛らいしい語彙で褒められたら、女性の方も恋に落ちちゃうよね。

【歌詞出典元】Genius
*訳は全て意訳です。

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