WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.101の今回取り上げる単語は「dope」(ドープ)。
「ヤバイ、イケてる」という意味で日本でもお馴染みのスラングだね。
チェックするのは間違いなくdopeなリリックをかますEminemの大ヒット曲、 「Without Me」!
Eminem 「Without Me(2002)」
Now let’s go, just give me the signal I’ll be there with a whole list full of new insults I’ve been dope, suspenseful with a pencil Ever since Prince turned himself into a symbol
「さぁ行くぜ。シグナルをよこしな。 行ってやるよ。新たな侮辱で一杯のリストと共にな。 オレはずっとドープ。ペンシルと共にサンペンスフル。 プリンスが彼をシンボルにして以来な。」
短いヴァースの中に、様々な引用を詰め込んだテクニカル・リリック。 まず“Now let’s go, just give me the signal(さぁ行くぜ。シグナルをよこしな。)”で引用しているのは、アメコミのスーパーヒーロー、バットマン。バットマンを呼びたい時は夜空にバットマンのロゴを夜空に照射するんだけど、そのロゴはバットシグナルと呼ばれているんだ。つまり君がシグナルを出せば、エミネムはまるでバットマンのように現れてくれるてこと。MVでもエミネムはバットマンのロビンの服装をしているね。ただ2000年代、最も“コントラバーシャル(議論を呼ぶ)”なラッパーだったエミネムは手ぶらではやってこない。彼が持ってくるのは、“a whole list full of new insults(新たな侮辱で一杯のリスト)”。ヘイターたちからの苦情も一緒に持ち込んでくるてわけだ。 ただそれだけ彼が“insults(侮辱)”を受けるのも、彼が間違いなくドープなラッパーだから。ちなみにこの“ pencil(ペンシル)”と“suspenseful(サンペンスフル)”のライムは、 エミネム主演の映画「8 Mile」でのラップバトルでも登場する。それが次のリリックだ。
Matter of fact, dawg, here’s a pencil Go home, write some shit, make it suspenseful And don’t come back until somethin’ dope hits you Fuck it, you can take the mic home with you
「マジな話。ここにペンシルがあるからさ。 家に帰って、シットを書いて、サスペンスフルにしてこいよ。 そしてドープなのが思いつくまで帰ってくんな。 クソったれ。マイクを持っておうちに帰んな。」
こちらもクソかっこいいリリックだね。そんなエミネムは「プリンスが彼をシンボルにして以来」ずっとイケてるラッパーでい続けている。プリンスはレジェンドR&Bアーティスト、プリンスのこと。プリンスは彼の名前の1993年にシンボルマーク1字にしたんだ。 つまりエミネムは1993年からずっとドープてこと。間違いないです。