baller|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.316

ヒップホップの歌詞からストリートで使える英語を学ぼう

ライター:TARO

今回紹介するスラング

baller

羽振りの良いやつ、すごいバスケットボールプレーヤー
紹介アーティスト
LunchMoney Lewis, DJ Khaled, JAY-Z
baller|ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン? Vol.316
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WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」。Vol.316の今回取り上げる英単語は「baller」。
「羽振りの良いやつ、すごいバスケットボールプレーヤー」という意味の言葉だ。今回もUSラッパーたちのリリックから英語の表現をチェックしていこう!

まず取り上げるのは、レペゼン・フロリダのラッパー、LunchMoney Lewis(ランチマネー・ルイス)のアッパーなダンスチューン 「Ain’t Too Cool」!

LunchMoney Lewis 「Ain’t Too Cool(2015)」

I know you want a baller, baby, I understand.
Who’s wearing all that jewelry and expensive name brands.
But I can show you something that ain’t none of them can.

君がボーラーを求めているのは知ってる。わかるよ
高いブランド物やジュエリーを身につけてるやつだよね
でも僕は君に彼らができないことを見せてあげるよ

ハイブランドの服やジュエリーを身につけて、イケてる写真をインスタにアップする。

そんな華やかなライフ・スタイルにも憧れるけど、正直カッコつけすぎじゃね?て思うことてあるよね。ランチマネー・ルイスのスタイルはそんなブリンブリンの人々とは一味違う。彼が君に見せてくれるのは見せかけのジュエリーじゃなくて、君の心に直接届く本物の音楽だ。世の中には服装や見た目ばっかカッコつけて、音楽がかかってもクールにすまして踊らない人もいるけど、そっちの方がダサいでしょと。ならオレ達は好きなジャムかけて、無茶苦茶に踊り明かそうぜ。だってそっちの方がありのままでカッコ良いでしょと。

そんな熱いメッセージが込められたリリックを、こんな最高に気持ち良いビートに乗せられたら、そらもうブギー・ウギーしちゃうよ。

続いて紹介するのはDJ Khaled(DJ キャレド)の「Do You Mind」!

DJ Khaled「Do You Mind(2016)」

Every baller tryna score, check them shot clocks.
But I hit ‘em with them ‘Bron-Iguodala blocks.

ボーラーはみんな点を取ろうとして、ショット・クロックをチェックする
でも私はまるでレブロンがイグダーラをブロックしたみたいに、全員ぶっとばすわ

「Do You Mind」からNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)のリリック。

ここで使われてるballerは「すごいバスケットボールプレーヤー」の意味と「羽振りの良いやつ」のダブルミーニングって感じだ。

「’Bron-Iguodala blocks(レブロンがイグダーラをブロック)」とは、2016年NBAファイナル第7戦、キャバリアーズ対ゴールデンステート・ウォリアーズにおけるキャバリアーズ所属、レブロン・ジェームズ選手のゴールデンステート・ウォリアーズ所属、アンドレ・イグダーラ選手のレイアップシュートに対するブロックのことだね。このブロックはアメリカでは「The Block」と呼ばれていて、キャバリアーズをNBAファイナル優勝に導いた伝説のブロックとされているんだ。

つまりニッキーはそんじょそこらの羽振りの良い男には見向きもしないってわけだね。

ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」Vol.316のラストを飾るのは、JAY-Z(ジェイ・Z)の「Oceans」!

JAY-Z「Oceans(2013)」

Swoosh, that’s the sound of the border
Swoosh, and that’s the sound of a baller

スウォッシュ、それは国境の音
スウォッシュ、それはボーラーの音

swooshは、何か素早く動いた時の空気や波の音。日本語でいう「シュッ」と同じような、いわゆる擬音だ。

まずジェイ・Zがは「スウッシュ」を、奴隷制によってアフリカからアメリカに連れてこれらた人々が聞く波の音に例える。アフリカから奴隷船に詰め込まれ、地獄のような航海の末に聞こえるアメリカ大陸の海岸線の波の音、それが「the sound of the border(国境の音)」なんだ。

次に彼はスウォッシュは「ボーラーの音」と言っているのはダブルミーニング。
実はバスケでボールがリングに当たらずに、スッとネットをくぐって、ゴールする時の擬音を「swoosh」と言うんだ。ジェイ・Zは自分が圧倒的なラップのスキルでメイクマニーしていくことを、バスケットボーラーの完璧なゴールで得点をゲットしていくことと例えているってわけだ。

つまり彼は奴隷制という残酷すぎる歴史と、その過酷な歴史を経て、今、成功を掴んでいるアフリカ系、黒人の方たちへの賛美とリスペクトをこの2行で表現してるんだ。

【歌詞出典元】Genius

*訳は全て意訳です。

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