ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアや仕事について全4回に渡ってインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月のゲストは鹿児島県・奄美大島で黒糖焼酎の製造を行う老舗酒蔵、西平酒造の四代目、西平せれなさん。シンガー、トラックメイカー、そしてDJとしても活動する西平さんのキャリアについてお伺いしました。Vol.2の今回は大学進学、シンガーソングライターとしての活動、そして西平酒造を継ぐまでのお話をお伺いしました。
前回の記事はこちら→ 焼酎にヒップホップとレゲエを聴かせる異色の酒造、西平せれなとは?
音楽一家で生まれたシンガー酒造、西平せれなのミュージック・キャリアとは?
レペゼン:
奄美大島の酒蔵、西平酒造で、お酒に音楽を聴かせるという独自の醸造方法を行っている西平さん。ご家族が音楽一家とお伺いしたのですが。
→ 焼酎にヒップホップとレゲエを聴かせる異色の酒造、西平せれなとは?
西平せれな:
そうなんです。父親がもともとロックバンドをやっていて。母親もピアノの先生なんです。両親の影響で、学生時代から70年代のロック、Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)とかKing Crimson(キングクリムゾン)とかばっかり聴いてました。それもあって私も、高校ではバンドを組んで、ドラムをやってましたね。
【ご家族、従業員のみなさんと】
レペゼン:
良いですねー。東京に上京されてから、音楽大学に進学されて、ドラムスを専攻されたということですが?
西平せれな:
元々、音楽プロデューサーになりたかったんです。音作りやプロデュース業に憧れてて。大学のサウンドプロデュース学科に入ろうと思って大学の先生に相談したら、「まず1個しっかり楽器を極めてから、プロデューサーになった方が良いんじゃないか」っていうアドバイスを頂いて。だったらドラムかなと。
レペゼン:
なるほど。
西平せれな:
それで最初はドラムをやってたんですけど、だんだん自分の曲を作るのが楽しくなってきて。
別に歌が上手いわけじゃないんですけど、自分で作って、歌った方が早いなみたいな感じで、シンガーとして活動するようになりました。
レペゼン:
バイトとかしながらって感じですか?
西平せれな:
そうですね。卒業後はバイトしながら、音楽活動をしてました。自分で企画してライブをしたり、アーティストのバックバンドに入ったりとか。最終的にはシンガーソングライターで食べていくのを目指してましたね。なので就職活動とかは全くしなかったです。
レペゼン:
当時、ご家族から何か言われたりとかは?
西平せれな:
両親ともミュージシャンなんで、好きなようにやりなさいみたいな感じでしたね。ただ、その時は好きでやってたから大変とは思わなかったですけど、今考えると結構カツカツな生活してたなと笑
ライブで十分に稼げる訳じゃないんで、音楽をするために一生懸命バイトしてました。レストラン、バー、アパレルとかをかけもちして、あとテレビのエキストラみたいなのもやってましたね。
レペゼン:
そこから、どのタイミングで奄美に帰ることになったんですか?
西平せれな:
2014年、27歳の時です。父親が体調を崩して、ちょっとヤバイってなっていた時期で。しかも会社の経営も傾いてしまっていた。それで家族会議をして私が継ぐことになりました。葛藤もあったんですけど、今の時代、奄美に帰っても音楽はできるだろうみたいなところもあって帰ることにしました。
奄美大島のみで作られる!?「黒糖焼酎」とは?
西平酒造の黒糖焼酎「ISLAND」
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レペゼン:
西平酒造さんが作られている「黒糖焼酎」って珍しいなと感じたんですが、焼酎の中でも割とポピュラーなものなんでしょうか?
西平せれな:
実はあまり知られてないんですけど、黒糖焼酎は奄美群島でしか作ってはいけないんです。過去にいろいろな歴史があってそう決まってて。
レペゼン:
そうなんですね!余計に飲んでみたくなります。
西平酒造さんの商品で最近人気のものとかはありますか?
西平せれな:
最近は結構「ISLAND」という商品が人気ですね。冷凍庫で冷やしてテキーラのようにショットで楽しむことができて。奄美のDJイベント等でも飲まれていますね。
レペゼン:
デザインもお洒落ですね。音楽を聴きながら飲みたいです。
お酒造りの時にやる気が出るのは、マイケル・ジャクソンとクイーン
レペゼン:
お酒造りの時によく聴く曲はありますか?
西平せれな:
マイケル・ジャクソンはよく聴いてますね。元々大好きなんですけど、「THIS IS IT」ってあるじゃないですか。あの映画が大好きで何十回も見てて。毎回観る度にやる気が出てくるんですよね。あとはやっぱりQueen(クイーン)です。
【Queen – Bohemian Rhapsody】
レペゼン:
クイーンなんですね!なぜクイーンをよく聴くんですか?
西平せれな:
クイーンは一番好きなアーティストなんです。彼らが「ボヘミアン・ラプソディ」を発表した時のエピソードも好きで。その時期って、イギリスが財政破綻してた時期なんですよね。多くのアーティストが応援ソング的な曲を世に放つ中、クイーンはめちゃくちゃ暗い、フレディ・マーキュリーの孤独や葛藤を歌った「ボヘミアン・ラプソディ」を発表して。でも、それが一番イギリス国民の胸に刺さったっていうエピソードがすごく好きですね。
レペゼン:
なかなか深いエピソードですね。
西平せれな:
音楽って、心に寄り添ってくれて、浄化してくれる力があるんだって感じたんです。そういうのを発信できる、クイーンってかっこいいなと。より好きになりました。なので結構クイーンをかけながら仕事をすることは多いですね。
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