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ヒップホップ好きのスポーツ選手や文化人のキャリアについてインタビューしていく「あの人も実はヒップホップ」。今月は先日行われたラヴィット!『耳心地いい-1グランプリ』で優勝、アメリカズ・ゴット・タレントでも注目を集めたお笑いコンビ、ゆんぼだんぷのカシューナッツさんです。ヒップホップ好きとしても知られ、ストリートでは「タイムスリップB-BOYゴウ」として大人気のカシューナッツさん。ヒップホップ・キャリアについて全4回に渡りお伺いしました。
前回までの記事はこちら→ プロバスケットボール選手・遠藤 祐亮のヒップホップ・バスケ道とは?
ヒップホップ好きお笑い芸人、ゆんぼだんぷ・カシューナッツとは?
レペゼン:
自己紹介をお願いします。
カシューナッツ:
お笑いコンビ「ゆんぼだんぷ」のカシューナッツと言います。岡山県倉敷市出身で、1986年生まれの37歳です。本名が加集なので、カシューナッツっていう名前でやってます。ヒップホップカルチャーが好きなので、芸人と並行して「タイムスリップB-BOYゴウ」というキャラで活動してまして、2000年代の匂いを感じる古着の紹介動画をインスタにアップしたり、DJとしてイベントに出演したりしています。
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レペゼン:
ありがとうございます。普段はどういった芸をされているのでしょうか?
カシューナッツ:
身体を使って様々な音を出すネタをやっています。例えば『まるで鏡のような水面に雨の雫が一滴落ちる音』を身体をぶつけあって出したりしてます。
レペゼン:
ありがとうございます笑
以前「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で拝見して、爆笑させて頂きました笑
最近は海外でもご活躍ですよね?
カシューナッツ:
ありがたいことにアメリカズ・ゴッド・タレントなどにも出させてもらいまして。そこから結構海外のオファーも頂くようになりました。インバウンド向けのショーなんかもさせて頂くこともあります。
レペゼン:
素晴らしいです!
まず今回は、お笑い芸人を目指すようになったきっかけを教えていただけますか?
カシューナッツ:
元々お笑いは好きだったんですが、人を笑わせることの楽しさを知ったのは高校の頃で。
学校で弁論大会、作文を読むみたいな行事があったんですよ。そこで男子にウケるようなたわいもない下ネタを言って、ちょっとウケたのが最初ですね。気持ち良い!ってなって。
レペゼン:
良いですね!
カシューナッツ:
そこから人前で芸をするのに興味を持って。
それで友達とコンビを組んで、当時やってたM1甲子園*っていう大会に出たんです。
*2003年から2008年まで行われていた「高校生お笑いNo.1」を決めるイベント。
レペゼン:
その頃が初挑戦なんですね。
カシューナッツ:
高校三年生の時に出たんですが、予選でもうキンッキンにスベって笑
レペゼン:
笑
カシューナッツ:
今でも覚えてるんですけど、身内ノリみたいなことをやったんで、ウケるわけないんですよ笑
でも当時はそれがショックで。芸人になろうと思ったのは、それがきっかけでしたね。オレ、これで大スベりして終わったら、なんにも人生にならんぞって。それでちょっとやってみようかなって思ったんです。
レペゼン:
悔しさから始めたんですね!
元々負けず嫌いだったんですか?
カシューナッツ:
んーまぁ小学校から相撲をやってたので、もしかしたらその影響もあるかもしれないですね。
中3で170センチ、120キロ。相撲部で全国大会出場
レペゼン:
そうなんですね!相撲の成績はどんな感じだったんですか?
カシューナッツ:
中学校の時は一応県大会で優勝して、全国大会に出ました。
レペゼン:
すごい!!
カシューナッツ:
当時は「相撲取りになるか」みたいに言われてました。中三で身長が170センチ、体重が120キロぐらいあったんですよ。
今と変わらなくて笑
レペゼン:
相当大きいですね。
相撲部屋からスカウトとかなかったんですか?
カシューナッツ:
そこまではなかったですが、一度、全国レベルの中学生が相撲部屋へ一日体験に行く機会があって、某有名な部屋を見に行ったことはありますね。
レペゼン:
実際行ってみてどうだったんですか?
衝撃を受けたプロの相撲。リアル・サンクチュアリの世界
カシューナッツ:
目の前で稽古を見せてもらったり、ちょっと参加したりするんですけど、もうとにかく厳しすぎて。まだまだ昭和のノリがあった時代なので。一瞬で心が折れて、プロは諦めました笑
レペゼン:
マジですか…
Netflixの「サンクチュアリ」の世界観的なことですか?
カシューナッツ:
まぁあれはだいぶ優しい方です笑
レペゼン:
そうなんだ…笑
中学時代、MTVに登場したエミネムの衝撃
レペゼン:
今回は、初めて聴いたヒップホップを教えてください。
カシューナッツ:
僕はMTVでのエミネムでしたね。両親が音楽好きで、MTVをよく見てて。それで中学生ぐらいの時に初めてエミネムを見て、「何て変な人だ!」と思ったんですよ。
レペゼン:
相当ぶっ飛んでましたもんね。
カシューナッツ:
もう強烈すぎて笑
「リアル・スリムシェイディーってなんや!?」みたいな感じで。ミュージック・ビデオも精神病棟の設定でね。もうむちゃくちゃやってる人やなと。
レペゼン:
笑
カシューナッツ:
で、歌詞の意味とか調べたら「めちゃくちゃ人をディスってる!」ってなって。
ブリトニー・スピアーズとか、イン・シンクとか。そっちはそっちでMTVで見てたんで、なんてことするんだと笑
レペゼン:
当時のエミネムの尖り方はマジで半端なかったですからね笑
そこからヒップホップに興味を持ち出した感じですか?
カシューナッツ:
そうですね。そこから色々調べて、P・ディディーとかDMXとかも好きになって。ファッションのブリンブリンな感じも含めてどんどんハマっていきました。
レペゼン:
日本語のヒップホップはどうだったんですか?
カシューナッツ:
同時進行くらいで聴いてました。
Dragon Ashとラッパ我リヤの「Deep Impact」とか大好きで。当時、SONYのウォークマンのCMで「Deep Impact」が使われてたんですよ。それを見て、「なんてカッコイイ曲なんだ」と。
レペゼン:
「Deep Impact」は今聴いてもめちゃくちゃカッコいいですよね!
周りにヒップホップ好きな友達はいたんですか?
カシューナッツ:
一人だけ僕よりめちゃくちゃ好きなやつがいて。中学の時、そいつの家に入り浸って色んな曲を教えてもらってました。Shing02とかTHA BLUE HERBはそいつに教えてもらいましたね。
レペゼン:
中学生にしてはだいぶ渋いですね!
カシューナッツ:
ネットもない時代にそいつは一歩さらに踏み込んでめっちゃ調べてて。あと田舎なんですけど、ど田舎って程ではないので、タワレコがあったんですよ。なのである程度、全国流通のCDとか音楽雑誌は買えて。中学生の時にはそれこそ「WOOFIN’」とか「BLAST」をめっちゃ読んでましたね。とにかくその詳しい友達と、部屋でいろんな曲聴きながら喋るみたいな中学生時代でした。
2000年代ヒップホップのバイブスを感じながら、学生時代を過ごし、次第に相撲部からお笑いの世界に進み始めたカシューナッツさん。次回は大阪での芸人生活、そして売れない時代に勇気をもらったラップソングについて聞いていくよ!お楽しみに!
プロフィール
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お笑い芸人。岡山県出身。2008年にお笑いコンビ、ゆんぼだんぷを結成。相方は藤原大輔。中学時代は相撲部で活動し、全国大会への出場経験を持つ。大阪で芸人としてのキャリアをスタートし、後に東京へ上京。ふくよかな身体を使って様々な音を奏でる「音芸」で、フジテレビ「とんねるずのみなさまのおかげでした~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~」の第21回大会にて優勝。世界的なオーディション番組「Got Talent」に出演するなど、海外での活動も多く、マレーシア、アメリカ、ルーマニア等でのパフォーマンス経験を持つ。TBSの「ラヴィット!」で行われた「耳心地いい-1グランプリ」でも優勝するなど今最も注目の芸人の一人。また2000年代テイストの古着の紹介などを行う「タイムスリップB-BOYゴウ」としても活躍中。2000年代に青春を過ごした30〜40代の大人ヘッズを中心に熱い支持を受けている。