Hiromiのたばこルーティーン|CIGARETTE TALKS Vol.17

雨上がりの軒下 PEACEに燻らす

ライター:TARO

 

@一橋学園

街を白く染めた夕立はもう遠くへ行ってしまったようで、霞んでいた建物たちも幾分それぞれの輪郭を取り戻してきている。

帰路を急ぐ通行人が足早に通り過ぎる商店街の軒下で、Hiromiは仕事終わりの一服を燻らせていた。

Hiromiのお気に入りはPeace。アメリカ人デザイナー、レイモンド・ローが手がけた紺と金の美しいパッケージにまず目を奪われるピースは、火をつけると薫る主張しすぎない華やかなアロマと優しく撫でるように身体を駆け巡る丸みのある柔らかな煙に吸い終わるのがもったいないと感じさせる逸品。

一服を吸い終えたHiromiはおもむろにタバコを灰皿に入れると、友人が待つバーに向かう。店々のネオンが少しづつ灯り始めた商店街の軒下に、ほのかにピースの甘い残香が漂っていた。

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