WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.210。今回取り上げる単語は「cop:(コップ)」。
基本的には「警察官」という意味だが、スラングでは「〜を手に入れる」という意味になるんだ。早速USラップでの使われ方をチェックしてみよう!
まずは現在フリースタイル・ラップ動画が大きな話題となっている4人組、Coast Contra(コースト・コントラ)の「My Lady」!
Coast Contra「My Lady(2022)」
Cop you what you want, but that type of shit don’t impress
A woman of your stature, you see, you naturally flex君の欲しいものをコップするぜ、でもそのタイプのシットは感心しねぇな
君の地位の女の子なら、わかるだろ、自然体で魅了的って事さ
コースト・コントラからEric(エリック)のリリック。
愛しの彼女が欲しい物はなんでも与えてあげるエリックだけど、
実際彼女は高価なものをコップして身につける必要がないくらい“naturally flex”な女性。
naturallyは「自然に」、flexは「〜を見せつける」といった意味の言葉なので、
「自然に見せつける」→「自然体で魅力的」という感じの意味になるんだ。
みんなもパートナーへのプレゼント出費を回避したい時にはこのリリックをサンプリングして「君はそんなものつけなくても“naturally flex”だよ」みたいに言ってみても良いかも?
続いては、シカゴをレペゼンするスーパー・スター、Chief Keef(チーフ・キーフ)の「Love Sosa」!
Chief Keef 「Love Sosa(2012)」
Don’t care no price, I’ll cop it
値段は気にしない、コップするぜ
シカゴでもっと貧しい地域とされるパークウェイ・ガーデン・ホームズ、通称“O・ブロック”で育ったチーフ。「Love Sosa」はそんな彼のキャリア初期のヒット曲だ。
リリックは貧しい家庭で育ったキーフがラッパーとして成功したことで、昔のように値札を気にすることはなく、好きなものを好きなように買えるようなったことを祝っているって感じだね。
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.210のラストはMigos(ミーゴス)の大ヒット曲「Versace (Remix)」!。
Migos 「Versace (Remix) (2013)」
You can do Truey, I do it Versace
You copped the Honda, I copped the Maziお前はトゥルー・リージョンを着て、オレはヴェルサーチを着る
お前はホンダをコップ、オレはマジをコップだぜ
ミーゴスからTake off(テイク・オフ)のリリック。
“Truey”はジーンズを主軸としたアメリカ発のアパレルブランド、True Region(トゥルー・リージョン)の通称。“Versace(ヴェルサーチ)”はご存知、世界で知られるスーパー高級ブランドだ。
そして“Honda”はもちろん日本の車メーカー、「ホンダ」のことであり、“Mazi”はイタリアの高級車“Maserati (マセラッティ)”の略称だ。つまりテイク・オフは「お前らいわゆる普通のブランドものを買ってるけど、オレはハイクラスのブランドを買うぜ」と言ってるわけだね。
トゥルー・リージョンもホンダも庶民の僕たちからすると十分にお高いブランドなのだが、ミーゴスレベルになるともはや安物ブランドになってしまうのか。。。
さすがUSラッパー、稼ぎ方が半端ないぜ。