WHAT’S UP, GUYS!
ヒップホップ好きイングリッシュティーチャー TAROが送る「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 Vol.154の今回は2000年代名盤(2000年上半期)特集。今回取り上げるのは歌うようにラップするスタイルで、2000年代のシーンを席巻したNelly(ネリー)のデビューアルバム「Country Grammar」。
当時ヒップホップ・シーンでは後進地域とされていたアメリカ中西部のミズーリ州セントルイス出身のネリーは2000年の2月ファースト・シングル「Country Grammar」をデビューすると、これがビルボード・ホット100で7位を獲得するという大ヒットを記録。勢いそのままに6月にリリースしたファースト・シングルと同名タイトルのデビューアルバム「Country Grammar」ではビルボード200で5週連続で1位を獲得する快挙を成し遂げたんだ。
そんな「Country Grammar」からまず紹介するのはビルボード・ホット100で3位を獲得した大ヒット曲「Ride wit Me」!
「Ride wit Me」
In the club on the late night, feeling right Looking, trying to spot something real nice Looking for a little shorty I noticed so that I can take home
「深夜のクラブ、フィーリングは良い感じ 見渡して発見する、イケてる感じ オレの目に留まった可愛い子ちゃんを探す。家に連れて帰るぜ」
カウボーイハットを被ったネリーが砂漠の中の一本道をドライブするMVが印象的な「Ride wit Me」。このMVは1977年公開の映画「Smokey and the Bandit(邦題:トランザム7000」)にインスパイアされて製作されており、MVでネリーが乗っている車は、「Smokey and the Bandit」で主人公のバンディットを演じるバート・レイノルズが乗っているゼネラル・モーターズの名車、ポンティアック・ファイヤバード・トランザムだ。 パトカーやトラックとカーチェイスを繰り広げるシーンも映画のパロディなんだ。 リリックの内容はネリーがクラブで出会った可愛い子ちゃんを家にお持ち帰りするという王道のパーティーソング。今でもパーティーやドライブでかかれば、盛り上がること間違いなしだ。
続いては、ネリーがお世話になった人たちへの感謝の気持ちを歌った「Luven Me」!
「Luven Me」
Ayo ma, how you doin’? It’s your son now And I picked up the mic and put the drugs down Now I’m tryin’ to do some things that’ll make you proud Instead of every time I call it’s to bail me out
「マー、調子はどうだい?あんたの息子さ。 マイクを手に取って、ドラッグはもう置いてきた。 今はあなたが僕を誇りに思ってくれるようなことをやろうとしてるんだ。 保釈してくれと毎回電話する代わりにね。」
ネリーからお母さんに向けてのリリック。 若い時は、ドラッグのディールなどのギャングな生活に明け暮れていたネリー。 でもそんな生活から抜け出し、彼が掴んだのはマイク。 昔はいつも保釈してくれと電話をかけてきた息子は今じゃみんなに誇れる世界的なラップスターに成り上がったんだ。まさにヒップホップ・ドリーム。激アツだぜ。
「ラップで使われてるスラングの意味、ユナーミーン?」 2000年代名盤(2000年上半期)特集、Nelly「Country Grammar」のラストは、アルバムと同名タイトルの大ヒット曲「Country Grammar」!
「Country Grammar」
Sing it loud, I’m from the Lou’ and I’m proud Run a mile for the ‘cause, I’m righteous, above the law Player my style’s raw, I’m Born to Mack, like Todd Shaw
「大声で歌うぜ、オレはセントルイス出身で、それを誇りに思う。 走るぜ、なぜならオレは正しいから。法を超越していくのさ。 プレイヤー、オレのスタイルはありのまま。 オレはボーン・トゥ・マック、まるでトッド・ショーさ。」
ネリーは、セントルイスという街の名を世界に知らしめた地元のスーパースター。 その存在感と影響力は法律を超越していくほどに圧倒的だ。 でも彼は売れるために演技しているわけじゃないし、ありのままをさらけ出してるだけ。 そのリアルなスタイルはまるで1987年にアルバム「Born to Mack」をリリースした西海岸のレジェンド・ラッパー、Too $hort(トゥー・ショット)ことトッド・ショーのようだぜて感じだね。