映画『ブルース・ブラザーズ』を観るべき5つの理由|ストリートのヘッズのバイブル Vol.6

映画史に残るミュージック・ムービーの魅力を徹底解説!

ライター:TARO

みんな文化ディグってる?「ストリートヘッズのバイブル」では音楽や文化の知識を知ることができる映画や本を紹介していくよ!今回取り上げるの史上最強のミュージック・ムービー『ブルース・ブラザーズ(1980)』。
全身黒づくめの2人組、The Bluse Brothers(ブルース・ブラザース)が主人公のドタバタ・コメディであり、アレサ・フランクリンやレイ・チャールズなどUSのレジェンド・アーティスト達が出演している超豪華なミュージカルシーンは必見。今回は『ブルース・ブラザーズ』を観るべき理由を5つあげて紹介していくよ!

『ブルース・ブラザーズ』てどんな映画?

主人公は黒帽子に黒サングラス、黒ネクタイに黒スーツという全身黒づくめの2人組、The Bluse Brothers(ブルース・ブラザース)。ジェイク(ジョン・ベルーシ)とエルウッド( ダン・エイクロイド)からなるブルース・ブラザーズは自分たちが生まれ育った孤児院の資金難を助けるために昔組んでいたバンドを再結成して金を稼ぐこと決意。

二人は一攫千金を目論むのだが、様々なトラブルに見舞われ、警察やネオ・ナチ、そしてロケット・ランチャーをぶっ放してくる謎の美女に追われる事態に。一体ブルース・ブラザーズはどうなってしまうのか?

『ブルース・ブラザーズ』を観るべき5つの理由

①70年代のアメリカを席巻したコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の2大スターの共演

『サタデー・ナイト・ライブ』は1975年から現在まで続くアメリカのコメディ番組。

アメリカのコメディアンにとってはスターへの登龍門的存在であり、エディ・マーフィ、マイク・マイヤーズ、アダム・サンドラー、クリス・ロック、ピート・デヴィットソンなども『サタデー・ナイト・ライブ』出身だ。

『ブルース・ブラザーズ』で主演を務めているジョン・ベルーシとダン・エイクロイドは共に『サタデー・ナイト・ライブ』放送開始時の看板コメディアンであり、その二人が番組内でのショートとして行なっていたのが「ブルース・ブラザーズ」だったんだ。

②ブラック・ミュージックのスターたちの出演

当時の人気コメディアンが主演ということで、コメディとしてまず完成度が高い『ブルース・ブラザーズ』なのだけど、さらにこの作品を最高の映画にたらしめているのが、伝説的なブラック・ミュージックのスターたちの出演。

ソウルフード・レストランのオーナー役にはソウルの女王” アレサ・フランクリン、盲目の楽器店の店主は” ソウル・R&B の父 “ レイ・チャールズ、教会の牧師は”ファンクの帝王、ジェームス・ブラウン。そしてブルース・ブラザーズの良き理解者である孤児院の用務員 ”カーティス” を演じるのはスキャット唱法のマスターであり、アメリカのショービジネス史上最高のエンターテイナーの1人に称えられるジャズ・シンガー、キャブ・キャロウェイだ。

つまりソウル、ファンク、ジャズ界のオールスターが出演し、歌声を披露してくれているってわけ。それだけでも間違いなく見るしかないっしょて感じだね。

③豪華なカメオ出演

出演しているアーティスト人だけでも豪華な『ブルース・ブラザーズ』なのだが、実はカメオ出演も超豪華。

ロケット・ランチャーをぶっ放しながら、ブルーズ・ブラザーズを追いかける謎の美女を演じるのは『スター・ウォーズ』のレイア姫役で知られるキャリー・フィッシャー、給油所で主人公にナンパされる女の子役は60年代に世界的なブームを巻き起こしたスーパーモデル、ツイギー、聖歌隊のメンバーにR&Bのレジェンド、チャカ・カーン、そして役所の収税課の職員役は当時すでに『ジョーズ』で世界的な認知度を得ていた映画監督スティーブン・スピルバーグだ。どんな予算の使い方やねんって感じのスーパー豪華なカメオ出演だよね。

④ファンク時代のダンス

『ブルース・ブラザーズ』の中には歌って踊るミュージカル・シーンが多く登場する。特にレイ・チャールズの歌に合わせて、ストリートでダンサーたちが踊るシーンは見せ場の一つ。 

ただ実はこのシーンで踊っているダンサーたちは全て撮影スタッフがロケ地のシカゴで集めてきた素人。プロのダンサーではないんだ。それでこれだけ踊れるってさすがアメリカ、半端ないよね。

⑤今では考えられない裏話

『ブルース・ブラザーズ』が撮影された1970年代のアメリカは昨今世間でとやかく言われるコンプライアンスも相当緩かったようで、今では考えられないような裏話がたくさん残っている。

例えば当初映画の予算は主演のジョン・べルーシは1750万ドル(1979年当時のレート、1ドル:240円で計算すると約42億円程度)だったのが最終的に2750万ドル(約66億円)に膨れ上がるというになったのだけど、その理由の一つが主演のべルーシのコカイン依存と言われている。

べルーシはコカイン依存でかなり不安的になっており、撮影が遅れる原因となったと言われているんだ。しかも一部の噂では驚くべきことに撮影予算の一部はコカインを買うために使われており、べルーシのトレーラーには山盛りのコカインが置かれていたということ。

またロケ地の一つでシカゴのディクシー・スクエア・モールいう閉鎖されたモールが使われていたのだけど、そこはモールの建物を地元の学校が校舎として使う予定になっていたそう。ただ結局激しいカーアクションを含む撮影で建物がボロボロになってしまい、使い物にならなくなってしまったようで、建物は2012年に解体されるまでそのまま放置されんだって。

映画の撮影現場でコカインを普通に使ったり、ロケ地の建物をボロボロに壊したりとかどちらものコンプラの厳しくなった今じゃ考えられない話だよね。

映画内外でまさに破茶滅茶な作品『ブルース・ブラザーズ』だけど、今の映画にはなかなか感じれないクレイジーなバイブスを感じれること間違いなし。音楽好きに関わらずガツンとくる映画を探してるヘッズはぜひチェックして欲しい一作だ。

画像出典元:Universal Pictures